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奈良交通・八木新宮線の車窓風景(2)~上野地→新宮駅編

2010-10-01 | バス[近畿]

今日は数日前の記事の続編として、MAKIKYUが先月乗車した奈良交通・八木新宮線の上野地以南の様子を取り上げたいと思います。

谷瀬の吊り橋で有名な上野地を出発すると、バスは十津川村内を南下して次の休憩場所となる十津川温泉、更には熊野本宮を経て新宮駅へ向かういます。

十津川村内では村内を南北に突き抜ける国道と言えども、対向車との行き違いが困難な狭い箇所も多く存在します。

 
よくこんな悪路が続く国道ならぬ「酷道」を走り続ける路線に、大型路線車を走らせるものと感心してしまいますが、途中で幾つもあるトンネルの中には、大型車同士が向き合ったら…という箇所も存在しています。

上野地から暫く走ると十津川村役場の前を通り、大和八木駅から随分な時間バスに乗り続けてもまだ奈良県と言う様は、奈良県も山奥に入るエリアが広大な事を実感するものです。


この時点でもまだ新宮まで62kmもある事を示す標識が見られ、普通なら62kmでも一般路線バスとしては…という程ですので、ここでも八木新宮線が桁違いのスケールを誇る路線と言う事を改めて感じさせられます。


また十津川村内の国道は十津川村役場付近など、改良が進んで片側1車線が確保されている区間も結構多いものの、役場を過ぎてからもまだ狭い箇所が結構存在しており、自家用車で村内を移動するだけでも結構大変だろうと感じるものです。

そして十津川村南部の十津川温泉に到着すると、八木新宮線のバスは3回目の休憩となりますが、3回も休憩時間が設けられている一般路線バスは、国内で他にどれだけ存在するのだろうか…と思うものです。


十津川温泉は村営バスの車庫を併設したターミナルにもなっており、村内の奥地へ向かうバスにも接続する事から、何台もの十津川村営バスの姿も見る事が出来ます。

先月は八木新宮線を乗り通しただけのMAKIKYUも、再び十津川村を訪問する機会があれば、今度は是非村営バスに乗車してみたいと感じたものです。

十津川温泉を出発すると、最近になって新たに経由地に加わったホテル昴を経由し、その後県境を越えて和歌山県内へとバスは進みますが、十津川温泉以南も狭い箇所が幾つか存在するものの、十津川温泉以北の十津川村内や五條市大塔地区などに比べれば程度も良いと感じたものです。


中には改良工事を終えてからさほどの年月を経ていないのでは…と感じる箇所を快調に走る区間もあり、和歌山県内に入る辺りからは険しさもさほど感じなくなるなど、山奥を延々と走り続けてきたバスも、徐々に終点に近づいている事を感じさせられます。

和歌山県内に入って暫くすると本宮大社前に到着し、ここから新宮方面へは熊野交通なども路線バスを多数(それでも数社合計で毎時1本程度ですが…)走らせており、紀伊田辺方面へ抜ける龍神自動車の路線バスへ乗り換える事も出来ます。

ここから一路新宮を目指すのであれば、1時間程度で到達できるかと思いますが、八木新宮線のバスは本宮大社前を出発した後、本宮周辺にある湯の峰温泉などの幾つかの温泉郷を経由するルートを取りますが、湯の峰温泉の周辺は十津川村内などの「酷道」に負けない程狭い道が続きます。


しかもこの温泉郷には奈良交通だけでなく、熊野交通や龍神自動車の路線バスも運行しており、途中では熊野交通の中型路線車(日野RainbowRR?)とも行き違い、湯の峰温泉では龍神自動車のマイクロバス(日野LIESSE)が停車している姿も目撃しています。

この一帯の狭い道路は、MAKIKYUの知人が自家用車で走行した時に大変な目に遭ったという話を聞いた事がある程ですので、龍神のマイクロバスでもよくこんな所に路線を乗り入れさせると思う程ですが、熊野交通は中型路線車、奈良交通の八木新宮線に至っては大型路線車を走らせていますので、この狭い道路で大型と中型の路線車同士が行き違う様は凄まじいものです。

湯の峰温泉など幾つかの温泉郷を過ぎると、比較的整備された道路を快調に走り終着の新宮駅を目指しますが、この区間は熊野交通が一般路線バスを多数走らせている事もあって、八木新宮線のバスは瀞峡観光のジェット船が発着する志古など幾つかの停留所に停車するだけで、運賃も1停留所で800円以上になる区間が存在するなど、ようやく「特急」を名乗るバスらしい雰囲気となります。


車窓は瀞峡観光のジェット船が発着する志古周辺の熊野川などが楽しめるものの、山奥を走る区間に比べると面白みには欠けるものがあると感じ、再びこの区間を乗車するならば、停留所数の多い熊野交通のバスに乗る方が面白そうで、八木新宮線は中間の山中を走る五條バスセンター~熊野本宮間がハイライトなのでは…と感じたものです。

そして五條を出発して以来、久々に街中と言える雰囲気の光景が広がるともう新宮市内で、市内を少し走ると終点の新宮駅到着となりますが、大和八木駅を出発する頃にはまだ昼前だったのにも関わらず、終着到着時には日もすっかり…というのは随分な時間バスに乗り続けた事を実感させられたものです。


現在奈良交通が運行する新宮発着の一般路線は、八木新宮線のみとなっていますが、他社のバスであれば熊野交通の紀伊勝浦・串本・潮岬方面へ向かうバス(MAKIKYUが乗車した八木新宮線から乗り継ぐ場合、勝浦以遠への便は既に終了しています)や、三重交通の熊野市へ向かう路線などがあり、八木新宮線乗車だけでは物足りないと言う方は、更に他の路線バスに乗り継ぐ事も可能です。

MAKIKYUは新宮で宿を確保していた事もあって、この日は更に他の路線バスに乗り継ぐ事はなかったものの、全線6時間以上の長時間乗車となる八木新宮線を乗り倒した後、他のバスに乗り継いでも…と思ったものでした。

また変化に富んだ八木新宮線の道中は飽きる事がなく、機会があれば再び乗車するのも…と思いますし、今度は十津川村内などで途中下車してのバス旅や区間乗車も…と思った程です。

運賃も全区間乗車では片道5250円と、決して安いとは言い難い八木新宮線ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も機会がありましたら、是非乗車してみては如何でしょうか?