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羽田京急バスのシャトル路線~新型専用車で運行する直達新路線

2010-10-28 | バス[首都圏]

数日前羽田空港では新国際線ターミナルが利用開始となり、この事は様々な所で報じられていますので、ご存知の方も多いかと思います。

この新国際線ターミナル利用開始自体は、首都圏からの海外アクセスが便利になるなどと言われていますが、空を飛ぶのが大嫌いなMAKIKYUとしては、7月に成田スカイアクセス(京成成田空港線)が開業して利便性が向上した成田空港と同様に、幾ら利便性が向上してもこんな所から海外へ遊びに行くのは…と感じるのが本音です。

韓国辺りへはまた機会があれば是非再訪を…と思っているMAKIKYUとしても、首都圏に居るとは言えども、不要不急の旅行で羽田や成田からの出国は御免で、韓国旅行の際は今まで通りJRなどで福岡まで陸路移動し、博多港からBEETLE利用での出国がベストと感じています。

とはいえ羽田空港では新国際線ターミナル利用開始に伴い、国際線航空便の増強だけでなく、鉄道新駅の開業やバス路線の再編なども行われていますので、MAKIKYUも数日前鉄道新駅やバス路線の状況視察を目的に羽田空港へ出向いていました。

少々前置きが長くなってしまいましたが、羽田空港の新国際線ターミナルへ出向く際には、新国際線ターミナル利用開始と共に運行を開始し、JR蒲田駅~羽田空港間では途中大鳥居のみに停車し、シャトルバスと呼ばれる羽田京急バスの直達新路線を利用したものでした。

このシャトルバスは大鳥居以外の各停留所は通過となるものの、特に高速道路などを走行する路線ではありませんので、車両は一般路線車が用いられ、一般路線バスの急行便的存在と言えます。

運賃もJR蒲田駅~羽田空港間の各停留場に停車する便と同様に、都区内均一運賃(210円)に羽田空港内発着の追加運賃(60円)を追加した270円で乗車できますので、割高感のあるリムジンバスなどとは異なり、羽田空港へのアクセス手段としては比較的値頃感があります。

この様に記すと、単に一般路線車を空港直達運転しているだけでは…と感じる方も居られるかと思いますが、新国際線ターミナル利用開始と共に運行を開始したシャトルバスでは、AT標準となった三菱ふそう製の最新ノンステップバスながらも、装いを京急のリムジンバスと同様の白と赤色とした専用車両が用いられています。


この車両は前面窓ガラスが大きな1枚窓となっており、ワイパー形状も標準仕様とは異なる他、NEW AEROSTARでは一般的な死角確認窓がなく左右対称に近い前面形状となるなど、以前「MAKIKYUのページ」で取り上げた鹿児島市営バスのNEW AEROSTAR(該当記事はこちらをクリック)に似た雰囲気となっており、塗装以外にも標準的な一般路線車とは異なる部分が幾つも見受けられます。

車内に足を踏み入れると、座席は最前列を除く右側各列と、中扉以降はリクライニング機能こそないものの、2人掛けの背もたれが大き目の座席がずらりと並び、他の一般路線車よりもやや豪華な雰囲気が漂っており、かつて都内の京急一般路線で活躍した豪華仕様のワンロマ車(AEROSTAR M)の再来を思わせるものがあります。


背もたれが大きめの座席は、中扉を境に前部はモケットが青系統、後部がピンク系統に分かれているのも特徴的で、良く見るとモケットには飛行機のイラストが描かれている辺りも空港シャトルバスの専用車らしい所ですが、折り畳み式の車椅子対応座席が進行方向左側に設置されている辺りも、通常は右側に設置されることが多い事を考えると異色な気がします。

そして車内前部にはLCDモニターによる案内表示器が設置され、次停留所などの案内では最新の空港アクセス路線らしく、4ヶ国語(日本語・English・中文・한국어)による案内が行われるほか、案内放送も空港各ターミナル到着時などは4ヶ国語で行われており、羽田京急バスのシャトルバスに関する意気込みを感じるものです。
(系列の鉄道では、国際空港アクセスにしては競合路線に比べると、外国人向け案内が不充分という声も出ている様ですが…)

またシャトルバスが発着する蒲田駅では、JR線以外に東急池上線・多摩川線も発着していますので、乗継利用が苦にならないのであれば、東急沿線各地から羽田空港へ割安に移動できる手段としても有用な路線で、渋谷~羽田空港間を移動する際の最安経路(鉄道のみ乗継のルートよりも割安)にもなります。


ただシャトルバスの便数は毎時2本(30分間隔)とやや少なめである上に、起点となるJR蒲田駅ではシャトルバスこそ駅舎に近い0番乗り場から発着するものの、シャトルバスが出発したばかりで本数の多い羽田空港行き一般路線バスを利用しようと思ったら、系統によって乗り場が異なるなど、幾ら0番乗り場付近にLEDによる発車時刻案内を設置しているとはいえ、不慣れな利用客にはやや使い難い面があるのは難点で、特に荷物の多い旅客や外国人旅行者ともなれば…と感じるのも事実です。

この空港シャトルバスは航空旅客にはやや使い難い面もあるかと思いますし、JR蒲田駅発着と言う事で利用層もある程度限られるかと思いますが、一般路線バスと同額ながらも専用車両が充当される点などは興味深いものです。

今後同種車両が蒲田駅発着だけでなく、川崎駅発着など他の一般路線にも導入される事に期待したいと感じたものですが、興味のある方は羽田空港へ出向く機会がありましたら、是非一度羽田京急バスの空港シャトルバス利用を検討してみては如何でしょうか?