MAKIKYUは先月末にネット上で、千葉県内の某3セク鉄道社長が代表を務める会社が発売する、臨時快速列車「リアス・シーライナー」の前面展望を収録したDVDの購入を申し込み、先日そのDVDが手元に届き、再生確認を兼ねて少しだけその内容を見たものでした。
臨時快速列車「リアス・シーライナー」は、夏休みの時期などに不定期で仙台~八戸間を、小牛田・前谷地・気仙沼・盛(Sakari)・釜石・宮古・久慈経由で運行する臨時列車で、経由路線は東北本線・石巻線・気仙沼線・大船渡線・三陸鉄道南リアス線・山田線・三陸鉄道北リアス線・八戸線(三陸鉄道の2路線以外はJR線)と多岐に及びます。
名前の通り東北地方太平洋側のリアス式海岸が続く三陸沿岸を海沿いに進む列車で、走行区間は非電化ローカル線が大半を占める事もあって、全区間を走破するとなると、乗車だけで丸一日を覚悟する必要がある程です。
MAKIKYUは残念ながら「リアス・シーライナー」には全区間どころか、一部区間の乗車すらないのですが、この列車の走行区間は全て最低1回以上は乗車しており、特に気仙沼線などは昨年夏にも乗車機会があったものでした。
しかしながら「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方には、この場で説明しなくてもご存知かと思いますが、この列車の運行区間の大半は3月に発生した東日本大震災の津波被害による被災地域となっており、沿線各市町村では物的被害と共に多くの人命が失われています。
戦後最悪の災害によって犠牲になられた方や、今もなお避難生活を続けている方が多数居られる事を考えると、非常に心が痛むもので、被災された方にはこの場より見舞い申し上げたいと思います。
また未曾有の大災害となった東日本大震災では、当然ながら被災地域を走る鉄道も大きな被害を受け、現段階でも「リアス・シーライナー」運行区間でもある気仙沼線柳津(Yanaizu)以北の三陸沿岸各線区は、三陸鉄道北リアス線の一部区間(宮古~小本間・陸中野田~久慈間)を除き、八戸線階上(Hashikami)以南の全てと言う広域で不通となっており、その復旧見込みも立たない状況です。
特に三陸鉄道は北リアス線一部区間の早期再開を果たしたとはいえ、自力でのこれ以上の運転再開は不可能との見解を示しており、不通区間の再開は被災地域復興にも欠かせない存在とはいえ、今後公的支援等が不可欠な状況で、台風被害により路線廃止となった高千穂鉄道の様な事にはならない事を願うばかりです。
また今回購入したDVDは長丁場となる臨時快速列車「リアス・シーライナー」の全区間をノーカットで収録しているため、全5巻9枚組、その価格も特別価格で大幅に割引されているとはいえ、合計で14000円を超えており、決して安いとは言い難いものです。
ただJR東日本が東日本大震災のよる津波被災区間は、責任を持って復活させる宣言をしたものの、地盤沈下による冠水地域の存在や、被災地域の復興計画によっては路線移設などもありうるという見解を示しており、駅舎や軌道の流失などが相次いでいる事なども踏まえると、震災前の姿がそのまま蘇る事はまずない状況です。
そのため東日本大震災前の在りし日の姿を収めたDVDと言う意味でも、今回入手したDVDは貴重な記録となりますが、これに加えて購入金額の半分が、被災地域への復興支援金に充てられる事になっており、微力ながらも復興への一助になれば…というのも、今回のDVD購入の大きな動機となっています。
東日本大震災による津波被害の被災地や、その沿線を走る鉄道の復興は相当な年月を要する事になると思いますが、今後「リアス・シーライナー」の列車設定が復活するか否かは別として、再び三陸沿岸が鉄路で結ばれる日が訪れる事を願いたいものです。