昨日MAKIKYUは東急線を利用する機会があったのですが、その際に乗車していた東横線上り電車が日吉駅に到着する際、目黒線列車の折り返し線に編成が短く、何だか妙な車両が停車していると感じたものでした。
乗車していた電車が速度を落とし、日吉駅に入線する際には、隣に停車していた車両のお陰で姿がはっきりと確認できなかった、奇妙な車両の前面を見る事ができたものでした。
車両中央に設けられた貫通扉や、やたらと派手な装いは、目黒線の営業車両では見られないもので、何だか妙な車両という直感は大当たりで、雑誌やネット上などで写真は何度も見ているものの、今まで実際に稼動している姿には遭遇した事がなかった事業用車でした。
MAKIKYUが東横線に乗車していた時は、特に急ぎの用事などではなく、それも私用で乗車していただけでしたので、なかなか遭遇しない事業用車を眺め、その姿を収める絶好の機会とばかりに、乗車していた東横線電車を日吉で下車したものでした。
日吉駅ホームで列車の発車案内を見ると、目黒線の先発は回送表示が出ており、次発は折り返し線の事業用車隣に停車している車両が掲出している種別・行先でしたので、恐らくすぐに目黒線ホームに事業用車がやってくると思い、反対側の下りホームからその姿を眺める事にしました。
そうすると程なく目黒線上りホームに事業用車が現れ、ホームでは一旦停車してすぐに発車する感じでしたが、日吉延伸からさほどの年月が経過しておらず、日頃はインバーター制御車しか発着しない目黒線ホームから、奇妙な姿の短い車両が、今日の日吉駅では物珍しさを感じる直流モーターの音を奏でて走る姿を見る事が出来ました。
ただそれなりの頻度で運行している営業列車の合間を縫っての運行と言う事もあり、停車時間が短く、一応事業用車の姿を写真に収める事は出来たものの、両側から記録する間もなく発車してしまったのは、少々残念なものでした。
ちなみに東急の事業用車は、今日では豊橋鉄道や十和田観光電鉄、系列の上田電鉄(一部は豊橋へ再譲渡)に譲渡されて今日でも活躍しているものの、東急線では営業運行を終えてからもう10年以上が経過した、7200系と呼ばれる車両を改造しており、黄色・赤・水色という派手な装いは、一目で他の電車とは全く異なる存在である事を識別できます。
(厳密に言えば、形式名が異なり下回りなどに大改造を施しているものの、7600系と呼ばれる同スタイルの車両が少数ながらも活躍しているのですが…)
その中でも現在事業用車両として活躍する7200系は、同系の中でも東急の鉄道線車両では一般的なステンレス製車体ではなく、アルミ合金製車体の試作車として製造された車両を種車にしており、ただでさえ異端の存在だった車両を改造し、異端車の極みともいえる状態になっているのが大きな特徴です。
このアルミ車は2両しか製造されず、営業車としての晩年はこどもの国線の専用車として活躍していた事でも知られていますが、現在の事業用車はこの7200系アルミ車2両の間に、後に新造したサヤ7590と呼ばれる軌道検測車を組み込み、検測走行時は3両で運行しています。
ここで「検測走行時は」と断りを入れたのは、この車両は3両で検測走行を行うだけでなく、真ん中の車両を外し、代わりにATC装置を持たない池上・多摩川線用車両を組み込む事で、検査時における牽引役を務めたりする事もあるためで、今度遭遇する機会があれば、こちらの編成も見てみたいと感じたものでした。
また特にダイヤ情報などを調べず、偶然事業用車へ遭遇するのは極めて稀な事で、MAKIKYUは過去に小田急やJRの事業用車に遭遇し、「MAKIKYUのページ」で記事化した事がありますが、この手の車両は新造・改造のどちらにしても変わった車両が多く、非常に興味深いものですので、機会があればまだ遭遇した事がない他鉄道の事業用車にも…と感じたものでした。