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苫小牧市内を走る道南バス(市営バス移譲路線)~社名表記こそ変わったものの…

2012-11-02 | バス[北海道]

先月MAKIKYUが北の大地・北海道へ出向いた際には、苫小牧在住の知人訪問を兼ねていた事もあり、苫小牧市内で路線バスにも乗車する機会がありました。

苫小牧市内の路線バスは、今年春までは主に苫小牧市交通部(市営バス)が運行しており、他に市外からの郊外路線を道南バスやあつまバスが運行、他に札幌行き高速バス(北海道中央バス高速とまこまい号/道南バスハスカップ号・共に整理券方式運賃後払いの座席定員制)に市内区間のみでも路線バス感覚で乗車可能ですが、苫小牧市営バスは今年3月限りで永年の歴史に幕を下ろした事は、ご存知の方も多いかと思います。

近年全国各地で公営バスの廃止・民営移管が相次ぎ、北海道では苫小牧市営バスの民営移管で公営バス(廃止代替などを除く)は全廃、いわゆる市営バスの北限は本州の青森市営バスになってしまいましたが、苫小牧市内を主管していた市営バス路線は、市営バス運行末期には錦西営業所の受託運行を行っていた道南バスに移管されています。

道南バスと言うと、緑系の装いのバスを思い浮かべる方が多いかと思いますが、市営バス移譲路線は運行形態が変わった錦西樽前ガロー線(錦岡駅・錦西営業所~北樽前)を除くと、現段階で道南バス塗装のバスは走っておらず、市営バス時代と同じクリームと赤色の装いを堅持しており、事業者名表記の「苫小牧市営」部分に上から「道南バス」の社名と社紋(苫小牧在住の知人は、このマークを大賞賛しているのですが…)のステッカーを貼り付けただけとなっています。

路線自体も錦西樽前ガロー線を除くと、暫くの間は市営バス時代と運行時刻なども含めて変わらず、車内放送も「市営バス」部分を「道南バス」に差し替えただけ、市営バス時代に発売しており、MAKIKYUの手元にも使い残し残額があるトマッピーカード(市営バス専用カード)も、市営バス移譲路線では従来通り使用可能であるなど、昨年MAKIKYUが苫小牧で市営バスに乗車した際と大差ない印象を受けたものです。

苫小牧市営の約2倍程の規模を誇り、やはり3月で事業終了となった呉市営バスが、事業終了が近づいた頃には回数乗車券を発売停止(PASPYは通用)・移管後の広島電鉄では通用対象ではなく、広電に移管されて半年程度でも、既に市営バス塗装車が…という情報をネット上で見ると、道南バスと広島電鉄の対応は対象的な気がします。

苫小牧では市営バス移譲以前からの道南バス郊外路線(苫小牧~新千歳空港・登別温泉など)が存在し、この路線では市営バス時代から通用した一部乗車証や、トマッピーカード・通学用バスカードなどが通用せず、市営バス移譲路線と乗車券類の扱いが一部異なる事等を踏まえると、コスト削減に加え、誤乗防止という点でも有用なのかもしれません。
(今までの道南バスカードが、市営バス移譲路線でも通用する様になり、移譲路線で発売・通用するバスカードも、一部の高割引券種を除いて道南バス既存路線で通用する様になったのは、利便性向上という点で大いに評価できますが、トマッピーカードは道南バスの既存路線で使えませんので要注意です)


車両面でも苫小牧市営名物だった5Eトップドア車などは見かけず、古参車の一部などが処分されると共に、新開の苫小牧営業所(旧交通部)と錦西営業所で車両と人員の移動が生じ、錦西では減車・減ダイヤになった様ですが、錦西樽前ガロー線以外はほぼ現状維持という状況ですので、今や日本で道南バス以外では滅多に…という非冷房車もまだ結構活躍しています。

 
その中には平成元年頃に導入された床が板張りの車両や、リクライニングシートのトップドア車も紛れており、趣味的には非常に注目の存在ですが、毎日利用するとなれば夏場は…という感もあり、現場の乗務員氏も大変な気がします。

 
他にも苫小牧市営バス時代に中古車両として導入された首都圏移籍車(旧局番300番台・三菱1台を除きいすゞ車)も大活躍しており、今や排ガス規制区域では乗車が叶わないU-LV324Kがゴロゴロ…というのも、趣味的には嬉しいものです。


非冷房車や首都圏移籍車以外に、低床車が本格的に出回りだした時期に苫小牧市が導入し、導入当時の地方路線バスにしては画期的な存在だったワンステップ車も時折活躍し、1台だけの虎の子的存在になっているノンステップ車(苫小牧駅前のバスターミナル入線禁止になっている様で、運用上は扱い難い様です)にも遭遇できました。


しかし比較的程度が良好なワンステップ車などでも、サイドブレーキがホイールパーク式の車両は…という状況で、首都圏などの大都市圏では同年式車がお払い箱という現状を踏まえると、今後旧年式車の中でも状態の良くない車両や、サービス面で大問題を抱えていると言っても過言ではない非冷房車などは、中古車導入などで多数退役車が出ても不思議ではない気がします。

中古車導入などで車両代替が行われるとすれば、錦西樽前ガロー線以外の市営バス移譲路線で道南バスカラーのバスが走り始める可能性も濃厚かと思いますし、道南バス旧苫小牧営業所が廃止され、旧交通部に統合されている事を踏まえると、今後従前からの苫小牧営業所所属車両との運用共通化などの動きが生じてくるのかも気になる所です。