今月は永年親しまれ、西日本における鉄道系博物館の代表的存在だった大阪・弁天町の「交通科学博物館」が、来る6日をもって閉館となる事は、ニュースなどでも盛んに報じられていますので、ご存知の方も多いかと思います。
「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、近畿地方各地にお住まいの方や、以前住んでいた事がある方などにとっては、馴染み深い場所と感じている方も少なくないかと思いますし、それ以外の方でも大阪へ足を運んだ際に、足を伸ばして見学した事があるという方も大勢居られるかと思います。
MAKIKYUも随分前に1度訪問し、またまもなく閉園と言う事で先月関西方面へ足を運んだ際にも、交通科学博物館を見学したのですが、先月の訪問時は平日にもかかわらず、10時の開館時には開館前から大勢の見学者が押し寄せて行列ができており、総入場者数1800万人突破という絶大な人気を誇る有名施設ならでは…と感じたものでした。
交通科学博物館の行列は、大半が入場券購入待ちとなっており、ICOCAなどの交通系ICカード利用に関しては、数人程度しか並んでいない状況でしたので、MAKIKYUは空いているICカード利用の列に並び、手持ちのKiPS ICOCAを利用して入場したものでした。
(KiPS ICOCAは意外と知名度が低く、各地の飲食・物販店舗などで代金支払いの際に差し出すと、デザイン故にクレジットカードと間違えられる事も多い上に、それどころか某大手私鉄の運賃精算時、有人通路の係員に精算代金の支払いを申し出た際にも、このカードを見たのは初めて、「何処のカード?」と言われた事もある程ですが、交通科学博物館では土地柄故に比較的知名度も高い様で、すんなりと入場できました)
ICカード利用に関しては、交通系ICカード普及に最も力を入れていると感じるJR某社系博物館の様なICカード入場システムはおろか、自動改札すらなく、単に物販用ICカードリーダーにタッチするのみです。
このリーダーは2台用意され、左側が大人用/右側が子供用となっており、それぞれのリーダーにタッチすると該当入場料金が引き落とされるだけで、入場券の発券もないなど、少々味気ない印象が否めないものでした。
そして館内に入ると「With a thankful Heart-52年の感謝をこめて」という掲出が至る所に目立ち、「こうはくへのメッセージ」として、多数の閉館を惜しむメッセージなどが掲げられた掲示を見ると、近畿地方一円をはじめとする大勢の人々に愛された博物館である事を、現地へ足を運ぶ事で改めて実感させられたものでした。
館内では閉館が迫ることもあり、開館から今日までの道程等に関する特別展示などもあり、その最後には「2016(平成28)年春、京都鉄道博物館が開館」を告知する事で締められていました。
現在の交通科学博物館は、弁天町駅のすぐそばと言う事で利便性は文句なしながら、環状線の高架下やその周辺で空間的制約も大きく、さいたまや名古屋に新しく大規模な鉄道系博物館が続々と開館した今日では、見劣りも否めないと感じますので、移転リニューアルも…と感じる所で、今後開館予定の京都鉄道博物館にも期待したいと感じたものでした。
空間的制約や設備の古さなどを差し引いても、大人400円という入場料の割には、展示内容などはかなり充実した部類とも感じたもので、2時間程度の見学も全く飽きる事はなく…という状況でした。
ただ鉄道系博物館における目玉の一つとも言える運転体験シミュレーターに関しては、JR西日本における代表的な近郊型車両の一つ・221系を模したものながら、写真の状況は…とも感じたものでした。
221系と共に、オレンジ色の201系も弁天町駅を発着する路線の一つ・大阪環状線では多数運行しており、最初次々と201系が映像に出現するのを見て、郊外を走る雰囲気から大和路線辺りかとも思ったのですが、よく見ると編成は8両編成ではなく10両編成で、窓下にはヘッドマーク掲出枠が見受けられるなど、おやおや…という有様でした。
(その後6両編成の黄色い電車が出発するシーンなども目撃したものでした)
221系が画像の区間で営業運行してくれれば、個人的には非常に嬉しいのですが、幾ら弁天町駅を発着するもう一つの路線が中央線で、MAKIKYUが同館へ足を運ぶ際にも同線を利用したとは言えども、これはあんまりと感じたものです。
実際に221系の当該区間運行実績がどれだけ存在するのかも気になる所ですが、京都鉄道博物館開館時に同じ光景を見る事だけは…と感じたのは、少々惜しいものでした。
展示車両や展示物に関しては、既に他でも様々な所で取り上げられていますが、近日中のその幾つかに関して取り上げた記事を追って公開したいと思います。