もう1つ、“怒りの葡萄”映画のタイトルを。手書きがいい。しかも、映画会社名、出演者、監督、プロデューサーが(これも手書きで)紹介されたら、すぐに本編が始まる。そしてエンディングも、同じく手書きですっきりと終わる。
最近のように、デジタル処理された機械的で大げさな題名のうえに、ウンザリするほど権利関係者だの、スポンサーの名前だのが延々とつづくのには、いつも閉口させられる。
とくに、エンディングなど、あれを見せられ続けているうちに、映画の余韻もふっ飛んでしまう。映画館の観客たちは、何であんなものを最後まで黙ってすわって見ているのだろうか。