豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

野坂昭如さん(2015年 幽冥録)

2015年12月30日 | あれこれ
 
 今年も知っている人、たくさん著書を読んだ人が亡くなった。

 一番よく読んだ人は鶴見俊輔だろう。

 10代の終わりから20代の一時期、ぼくは鶴見さんの本をずい分読んだ。
 理由の第一は、彼が“べ平連”の支援者だったからだと思う。ぼくは人を色分けする。あの当時は“べ平連”の側にいる人の本は読んだ。
 
 鶴見さんの本の中では「アメリカもの」(そんなジャンルがあるとすれば)が好きだった。
 「アメリカ」ものでは、同じ名前の亀井俊介さんの本もよく読んだ。庄野潤三の「ガンビア」ものも最初は好きだったが、3作目あたりで「ガンビアはもうたくさん・・・」と言う気分になった。

 小さいころから、アメリカのホームドラマ番組の影響も受けたし、映画も1964年の“エデンの東”で開眼した(?)。“アメリカン・グラフィティー”も大好きである。
 はじめて行ったサンフランシスコの風景に心を奪われ、ケーブルカーのブレーキ音がいつまでも耳に残った。
 それでも、ぼくはどうしてもアメリカにはなじめなかった。

 
 愛川欽也の影響も受けた。
 
 ぼくは、一応、授業が面白いと学生に言われている。
 自分で思い当たる節があるとすれば、中学、高校生の頃、せっせと聞いたラジオで、愛川欽也、野沢那智、土井まさるなどのDJ、古今亭志ん朝、柳亭痴楽などの噺家の語り口から強い影響を受けたことが原点ではないかと思う。
 もともと、幼少のころからお喋りではあったらしいのだが・・・。

 
 でも、今年亡くなった人で、ぼくが一番寂しかったのは、野坂昭如だった。

 彼の本をたくさん読んだわけではない。それどころか、ほとんど読んでいない。
 「火垂るの墓」と「アメリカひじき」が合本になった新潮文庫か文春文庫を読んだだけだと思う。
 あとは、あちこちで読んだエッセイや、テレビでの言動しか知らない。

 それでも、訃報に接したとき、「野坂昭如が死でしまったか・・・」という寂寞を感じた。
 なぜかは分からない。
 きっとあの妹さんと再会したことだろう。

 ぼくは“火垂るの墓”が忘れられない。あれが戦争だろう。今でも世界のあちらこちらであのようなことが起きているだろう。
 世界中のあちこちで“火垂るの墓”が建てられているのだろう。

 ジブリの映画で、あれ以上の作品に出会うこともないだろう。

 この夏、女房と草津白根をドライブした折に、草津の道の駅の売店で、なぜか“火垂るの墓”のイラストの入ったサクマ式ドロップの缶入りを売っていた。
 つい買ってしまった。

 今年最後の書き込みは野坂昭如とドロップの缶にしようと思う。

 2015/12/30 記

 追記 

 野坂昭如といえば、テレビに出ている芸能レポーターの「ボキャブラリーが貧困である」と批判して、野坂自身が芸能レポーターをやったことがあった。

 “かぐや姫”が映画化された際に、ヒロイン役の沢口靖子にインタビューしていた。
 野坂が、「あなたは、かぐや姫が売春婦であることを理解したうえで演技していますか?」よ尋ねていた。
 沢口が「私はそう思いませんけれど…」と答えていた。 

 かぐや姫が売春婦だったのかどうかは知らないが、沢口の困ったような答え方が印象的で好感が持てた。

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今年のクリスマス(2015年12月)

2015年12月25日 | テレビ&ポップス

 今年のクリスマス。

 おととい12月23日(水)は、恵比寿のウェスティン東京で、組合の忘年会。

 下の息子は、小学校低学年のころから毎年このパーティーを楽しみにしている。
 今年も、私の同僚から「君は野球やっていたんだよね」と声を掛けられ、覚えていてくれたことに感激していた。

 わが同僚は、息子ができたら一緒にキャッチボールをするのを楽しみにしていたのだが、子どもさんは2人とも女の子だったので、私の子どもが男で、しかも野球をやっているというのがうらやましかったのだという。
 そうか、息子とキャッチボールができるというのも、ささやかな喜びだったのだ。

 休日のため、恵比寿ガーデンプレスは人ごみでごった返しており、雨も降っていたので写真は撮れなかった。
 人ごみさえなければ、ちあきなおみ“黄昏のビギン”にぴったりのしっとりとしたいい雰囲だったのだが・・・。

         


 翌12月24日はわが家のクリスマス・パーティー。

 女房の体調が思わしくないので、サラダとローストビーフだけ手作りで、あとは、下の息子が麻布十番で買ってきた数種類のキッシュ、ぼくが近所のケンタッキーで買ってきたチキン、上の息子が買ってきたケーキで済ます。

 キッシュは、息子の勤務先の学校のネイティブのアメリカ人教師がイチ押しと言うだけあって、それほど高くないという割に、みんなの評判は上々だった。
 店の名前は書かないでおく。

 
         
 きょう12月25日は年賀状の残りを書く。

 夕方ポストに入れて帰ってきて、なにか映画を見ようと思ったが、BSではろくなものをやってなかったので、先日買ったままになっていた、“メグレ警視シリーズ”の“メグレと田舎教師”を見ることにした。

                 

 原題は、“MAIGRET A L’ECOLE”。
 翻訳ものでも“学校のメグレ”という題だったが、そのほうが内容には合っている。ドラマの中で“田舎教師”は、写真でしか登場しない。

 閉鎖的な田舎町で起きた殺人事件の容疑者として逮捕された“田舎教師”の小学生の息子とその同級生たちが主役と言えるかもしれない。

         
         
 冬の物語ではあるが、クリスマス物語ではない。
 しかし、田舎町の末枯れた佇まい、シムノンらしい話の展開など、悪くない作品だった。

 2015/12/25 記


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阪大にも行ってきた(2015年11月6~7日 旧聞拾遺)

2015年12月13日 | あれこれ

 北大での学会の翌週、11月6日(金)、7日(土)には、大阪大学で開催された学会に出かけてきた。

 阪大の医学部(病院)で開かれた学会には行ったことがあったが、豊中(待兼山)キャンパスというのは初めて。

 今回は、大阪にもかかわらず、宿泊つきの割安航空券で出かけた。
 大阪空港を出ると、目の前がモノレールの大阪空港駅。
 上の写真は、モノレール大阪空港駅のホームから眺めた西(?)の方角の山並み。 
 
         

 2駅か3駅、わずか5、6分で阪大・豊中キャンパスの最寄駅に到着。
 かつて、モノレールの千里駅近くの民族博物館(?)での研究会の時は、新大阪駅からて遠くて不便な場所だと思ったが、阪大・豊中キャンパスには飛行機のほうが便利なことが分かった

 一昨年、神戸のポートアイランド(?)の国際会議場での学会の時も、神戸空港へのアクセスがいいのに驚いた。
 大阪、神戸は、今までは当然のように東京駅から新幹線で出かけていたが、場所によっては飛行機で往復した方が、はるかに楽である。

 どうも、理科系の施設は飛行場に便利な立地にしてあるようだ。政府の理科系重視、文系軽視の施策がこんなところにも垣間見られる。

        

 ただし、抱き合わせの格安ホテルは、淀屋橋にある三井ガーデンホテル大阪淀屋橋というところで、ここは学会会場から千里中央で乗り換えて、約30分。
 やや不便だったが、ホテル自体はまずまず。というより実質1泊3000円程度の計算になるが、その値段にしては文句なし、だろう。

 学会へ向かう11月7日の朝、淀屋橋駅前の淀屋橋通りの交差点。

         

 土曜の朝で、あまりクルマの通りもなく、閑散としていた。

 2015/12/13 記


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北大に行ってきた(2015年10月31日~11月1日 旧聞拾遺)

2015年12月12日 | あれこれ

 10月31日(土)から11月1日(日)にかけて、北海道大学で開かれた学会に行ってきた。

 10月31日の11時00分羽田発ANA061便で出発の予定が、「機材の都合」とかで2時間30分も遅れた。お詫びは1000円の商品券のみ。
 それよりも腹立たしいのは、12時何分発だかの札幌行きは定刻通りに先に出発してしまったこと。

         

 結局、北海道大学に到着したのは、日がとっぷりと暮れ、午後のセッションも終わりかけた午後5時近く。
 懇親会にしか出られなかった。まあ目的の一半は果たせたのだが・・・。

         

 翌日は朝からきちんと出席して、午後19時30分新千歳空港発のANA078便で帰京。

 
 最初の写真は、北大の構内に立つクラーク像。

 小学校1年生の時に祖父母に連れられて、この像の前で写真を撮ったことがある。もっと大きな像かと思っていたが、意外に小さかった。
 像の周囲には中国人観光客の群れ。

 “Boys Be Ambitious”には、本当は“As Me”が続くのだと、何かで読んだことがある。
 「オラのように野望を抱け」という意味だとか・・・。

         

 帰り道のJR札幌駅前の交差点。
 カメラか家電の量販店だったように思う。

 携帯電話についているカメラで写したので、どれもあまりきれいに撮れていない。


  2015/12/12 記


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