千ヶ滝通信35号(2018年秋冬)が送られてきた。
表紙の写真は、ここ数号続けて軽井沢千ヶ滝の昔懐かしい写真。
今回の号は、かつて中軽井沢駅前(というよりは沓掛駅前)にあった(らしい)千ヶ滝遊園地案内所の写真である。
以前にこのブログに書き込んだ、この夏のセゾン美術館の千ヶ滝100年展のポスターにもなっていた写真である。
写真向かって左から右に向かって緩やかな下り坂になっているが、下り坂から推測すると、現在の<かぎもとや>の辺りだろうか。
「千ヶ滝遊園地案内所」のうえに小さい文字で「沓掛」と書いてある。
「千ヶ滝遊園地」というのは、おそらく「軽井沢スケートセンター」のことではないだろうか。どんな遊具を備えた「遊園地」だったのだろう? 写真があれば見て見たいものだ。
ぼくの記憶にある昭和30年代初頭の中軽井沢駅前(もう「沓掛駅」ではなく「中軽井沢駅」だった)は、北口の真向かいに西武バス(軽井沢高原バス)の案内所があった。今の<かぎもとや>の駐車場のところである。
とんがり屋根の二階建ての建物で、五角形か六角形をしていて天井の高い吹き抜けになった建物だった。
駅に面して入口があり、道路から石段を2、3段上った内部はやや薄暗くひんやりしていた。入った左手に受付があって、おばさんが切符などを扱っていた。
壁に浅間山の噴火の写真が飾ってあったように思うが、噴火ではなくうっすらと煙がたなびく浅間山だったかもしれない。
道を挟んだ東側は、今でもあるタクシー会社や土産物屋が並んでいた。
残念ながら、その写真はないので、「軽井沢 その周辺」(三笠書房、1964年)から、昭和30年代の軽井沢の長距離バス案内所の写真をアップさせてもらう。
看板をみると、東京-軽井沢間が片道500円だったようだ。
<東日本観光バス旧軽営業所>とあるから、中軽ではなく、旧軽の旧道手前の松葉タクシー乗り場の辺りにあったのではないだろうか。
ちなみに隣のページの写真には、懐かしい三笠書房(出版社ではなく書店のほう)や小松ストアが写っている。
神宮寺に入る路地の辺りである。
さて、「千ヶ滝通信」に戻る。
案内所の前には一頭立ての馬車を引く法被姿の男性と制服制帽姿の御者、そして車内に一人の男性客が写っている。
驚くことに、手綱を引く男性が着ている法被の衿には「グリーンホテル」と染めてあり、身ごろから背中に向かっては「GreenHotel」と書いてある(写真では「Gr」しか見えないがGreen Hotel と書いてあるのだろう)。
沓掛駅前からグリーンホテルまで、あの山道を馬車を引いて登ったのだろう。
2018/11/10 記