豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

モーム「クリスマスの休暇」

2024年12月26日 | サマセット・モーム
 
 このところ「サマセット・モーム」のカテゴリーは開店休業の状態だったが、久しぶりに「モーム」の文字を東京新聞の紙面で発見した。
 12月25日夕刊の文化欄「下山静香のおんがく♫ × ブンガク🖊」というコーナーでモームの「クリスマスの休暇」が取り上げられていた。クリスマス当夜ということで選ばれたのだろう。
 サマセット・モーム「クリスマスの休暇」(新潮社「サマセット・モーム全集10巻」、1954年、中村能三訳)は、西武百貨店軽井沢店の庭先でやっていた古本市で買った。裏扉のメモによると「1994・8・20 軽井沢千ヶ滝ショッピングプラザ(旧西武軽井沢店)の露店で、800円」とある。
 1994年、今から30年前に、西武百貨店軽井沢店(千ヶ滝店?)はすでに「千ヶ滝ショッピングプラザ」という名称に変わっていたのだった。1994年といえば、中山美穂「世界中の誰より」やZARD「揺れる想い」「負けないで」、森田童子「ぼくたちの失敗」、GAO「サヨナラ」などなどが流れていたころではないか(1992、3年頃かも)。その後千ヶ滝ショッピングプラザも閉店してしまい、今ではその建物も解体されて無くなってしまった。

 さて、モームの「クリスマスの休暇」だが、モームにしては期待したほど面白い内容ではなかった記憶しかない。
 今回下山さん(ピアニスト、執筆家と肩書がある)のエッセイを読むと、第2次大戦勃発前夜のパリで、ピアノの上手なイギリス人青年チャーリーと、ロシアからの亡命2世で祖国にあこがれるロシア人女性リディアが出会い、チャーリーがリディアにロシアの曲を弾いてみせる。しかしリディアから「あなたにはロシアは弾けない」と断言されてしまう、といった風に紹介されている。ピアニストが読むとこういう風に読めるのだ。
 そんな場面もあったかと、本を探したけど該当場面は見つからなかった。ぼくの記憶にわずかに残っているのは、イギリスの貴族階級(モーム?)のロシア人や、ロシア革命、共産主義に対する懐疑だった。パラパラとページをめくっていると、興味を惹かれる記述にいくつか出会った。若いころは読む気も起らなかった高見順や丹羽文雄を読んだりする今日この頃である。ひょっとしたら「クリスマスの休暇」も読み直したら面白いかもしれないと思った。

 2024年12月25日 記
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