豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

箱根に行ってきました

2008年08月30日 | あれこれ
 
 2部のゼミ生たちと一緒に箱根にゼミ合宿に行ってきました。

 天気が心配だったのですが、初日のきのう29日の日中は幸いに晴れて、ゼミ生たちは箱根湯本駅前で早川の川原に下りて、水遊びもできました。
 夜の9時すぎに、仕事が終わってから来た最終組がバスで到着した直後から雷雨となり、コンパで怖い話をしている真っ最中の午前1時すぎに、セミナーハウスのすぐ近くに大音響とともに雷が落ち、同時に室内が停電したため、ゼミ生たちは大騒ぎになりました。

 きょう30日は、朝食の頃はまだ晴れていたのですが、みんなで芦ノ湖についたころから曇り始めました。
 ぼくは用事があったので芦ノ湖からバスで湯元に戻り、帰京しました。ロマンスカーが小田原をすぎるあたりでは、窓外は土砂降りになりました。
 きっとゼミ生たちも降られたのではないかと思います。

 * 写真は、ゼミ生たちを載せた芦ノ湖の遊覧船。

北京オリンピック

2008年08月27日 | あれこれ
 
 1964年のあの東京オリンピックに比べたら、北京オリンピックなどは“屁の突っ張り”にもならない(石井慧選手のコトバ、どれも好きです)。
 しかし、せっかく中国15億人民が必死で開催したのだろうから、一言だけ。

 44年前、15歳だったぼくは、東京オリンピックにやって来たスウェーデンのアン・クリスチネ・ハグベリ選手に、ブラウン管ごしの恋をした。

 そして、今回の北京オリンピックでぼくが一番気に入ったのは、1番が卓球の平野早矢香選手、2番が柔道の中村美里選手である。少しあいて3番が谷本歩実選手あたりかな・・・。
 思春期の頃、ぼくが好きな女の子のタイプは、夏の土曜日の放課後に、田舎の中学校の校庭で軟式テニスをしているような、日焼けしたショートカットの女の子であった。
 ふたりとも、まさに“ドンピシャ”である。

 毎日、テレビの中で貧相なボキャブラリーで、中味のない無駄話を繰り返すお笑い芸人やタレントと違って、スポーツ選手たちは爽やかでいい。

 * 写真は、平野早矢香選手。googleで“平野早矢香 画像”で検索して見つけたもの。残念ながら、北京オリンピックの時のいい写真は見つからなかった。

“主任警部モース 悔恨の日” [終]

2008年08月26日 | テレビ&ポップス
 
 “主任警部モース”についての書き込みは前回で終わりにしようと書いたら、本当に、きょう(8月26日)の早朝の放映で、ミステリー・チャンネルの“主任警部モース”も最終回になってしまった。
 今回こそ、本当の[終]にしよう。

 最終回の「悔恨の日」は、世間的に言えば「淫乱な」人妻をめぐる殺人事件。
 モースは定年を2週間後に控えており、しかも糖尿病が悪化したために死期も迫っている。
 被害者は、かつてモースが入院していた病院の看護婦で、モースは彼女に中年の恋をして、ラブ・レターまで送っている。
 モースといい、フロストといい、イギリスの推理ドラマでは、この手の話が頻繁に登場する。

 チャールズ皇太子と何某嬢(?)のように、こういった話がイギリス社会では日常茶飯事なのだろうか。

 いずれにしても、オックスフォード大学周辺を舞台に、クラシックを聞き、ハーディを読んで、真っ赤なジャガーに乗って現場に向かうモース警部の物語は終わってしまった。

 どこかの回で、モースが、自宅のソファーに寝そべって、ハードカバーのトマス・ハーディを読んでいるシーンがあった。書名は分からなかった。
 モースはオックスフォードに住んではいるけれど、ひょっとすると、『日蔭のふたり』(ないし『日蔭者ジュード』)のジュードのような、“オックスフォードの他所者”だったのかもしれない。

 番組全体のラスト・シーンは、遠くの丘から霧に煙るオックスフォードの町を眺めた風景で終わっている。それがモースの最後の心象だったのだろうが、『日蔭のふたり』の中にも、ジュードがそんな風にしてオックスフォードを遠く眺めるシーンがあったように思う。
 一方は警察官、もう一方は中学教師という違いはあるけれど。

 また10数年して再放送を見たら、その頃は自分自身も定年が近づいているので、今回とは違った感想を持つだろう。

 * 写真は、ミステリー・チャンネル“主任警部モース”の最終回、「悔恨の日」のラストシーン。遠景のどれかがオックスフォード大学の塔ではないだろうか。

“主任警部モース” 2

2008年08月25日 | テレビ&ポップス
 
 “主任警部モース”ネタは今回で終わりにするが、モースの話でシトロエン2CVだけというのはバランスを欠くので、今回はモース自身の愛車のことを。
 
 “主任警部”モースは、何年製の、何という車種かは知らないが、真っ赤なジャガーに乗っている。ボンネットの先っぽに、あの銀色のジャガーがついているからジャガーだと思う。

 多分中古だろうが、いくら中古車とはいえ、一介の地方警察の警部がジャガーに乗れるのだろうか。それとも、昔からフォードが作ったいわゆる“なんちゃってジャガー”(中味はモンデオ)がイギリスにはあったのだろうか?
 モースは独身だから、クルマが唯一の趣味なら、中古のジャガーくらいは買うことができたのかも・・・。

 そう言えば、フロスト警部も独身だったが、彼はボルボに乗っていた。イギリス人はボルボが好きらしくて、確かによく見かける。
 
 それともう一つ、イギリスの警官は、少なくともテレビの中の警部は、モースもフロストも、自家用車を捜査の際にも乗り回している。
 
 そんなことは実際のイギリス警察で行われていることなのだろうか。刑事たちは警察車両らしきフォードに乗っているが。
 フロストにしょっちゅう出てくる警察の経費削減運動の流れから見れば、自分のクルマを使うこともありそうだが、一方で、フロストはガソリン・スタンドでもらった白紙の領収書を悪用したのが発覚して、署長の昇格が見送られたこともあった。
 ということは、使ったガソリン代は税金で賄われるのだろうか。
 
 「警察学博士」の水野晴郎さんなら教えてくれたかも・・・。

 * 写真は、ミステリー・チャンネル“モース警部”から、モースの愛車の真っ赤なジャガー。
 

“主任警部モース ニコラス・クインの静かな世界”

2008年08月24日 | テレビ&ポップス
 
 “フロスト警部”が終わってしまい、ミステリー・チャンネルでは“主任警部モース”をやっている。

 もともとコリン・デクスターは気取っていて、あまり好きな作家ではないが、くわえてミステリー・チャンネルでは、なぜか字幕版はなく、日本語吹き替え版のため、さらに興ざめ。
 唯一のなぐさめは、小道具として記号的に使われているイギリス車が次々に登場することくらいか。
 
 “主任警部モース”も、かつてスカパー時代に見ていたのだが、その割には結構ストーリーを忘れている。
 J:COM に加入してからも、「ウッドストック行き最終バス」、「キドリントンから消えた娘」、「ジェリコ街の女」、「オックスフォード運河の殺人」、「森をぬける道」、そして今回の「ニコラス・クインの静かな世界」あたりで、そろそろモースもおしまいにしよう。 

 8月22日(金)に放映された「ニコラス・クインの静かな世界」では、容疑者の不倫相手の女性が乗っているクルマが、シトロエン2CVだった。よくあるエンジ色と黒のツートンカラーのやつ(“チャールストン”というらしい)。

 シトロエン2CVは好きなクルマだが、それに乗っているということがイギリス社会でどのような記号的意味をもつのかは、ぼくには分からない。
 オックスフォード大学の海外試験センターのような部署に勤める、離婚経験があって16歳の娘のいる女性が乗っていたのだから、そのような女性の乗るクルマなのであろう。

 何年(十何年)か前に、同僚でシトロエン2CVに乗っているのがいた。バイクのように細いタイヤだったのが印象的だった。 

 * 写真は、“主任警部モース ニコラス・クインの静かな生活”に登場するシトロエン2CV。

“パラダイン夫人の恋”

2008年08月23日 | 映画
 
 山中湖のゼミ合宿の初日の夜、持っていった“パラダイン夫人の恋”を山中湖で見た。

 テレビのオリンピック中継も終わり、学生たちは誰かの部屋で酒を飲みながらゲームをしたり、喋ったりしているのだろう。
 いつも飲酒のことを口うるさく言っているので、ぼくには学生からお呼びがかからない。その方が助かるので、自分の部屋でDVDを見ることにした。

 イギリスの裁判の法廷シーンを見ることができるという以外には、何の取柄もない映画だった。
 かつて見た同じくヒチコックの“汚名”は、セルズニクが口を出しすぎたために、ヒチコックの「汚名」となってしまったと、キネマ旬報『アメリカ映画作品全集』に酷評されていたが、この映画も“汚名”と同程度の不作である。

 わがグレゴリー・ペックが情けないほど洞察力のない弁護士の役を演じている。
 いくら何でも、グレゴリー・ペックにこんなアホな弁護士役を演じさせることはないだろうと思って、どんでん返しを予想していたが、、呆っ気ない結末・・・。
 どうもセルズニック+ヒチコックには駄作が多い。

 * 写真は、キープ社版“水野晴郎のDVDで観る世界名作映画[青9] パラダイン夫人の恋”から、イギリスの法廷シーン。弁護士役のグレゴリー・ペック(右下のうつむき加減の後ろ姿)は、法曹用のかつらをかぶっている。被告人席右側の女性がアリダ・ヴァリ。

山中湖、ゼミ合宿

2008年08月22日 | あれこれ

 8月20日(水)から、きょう22日(金)まで、2泊3日で山中湖の大学セミナーハウスにゼミ合宿に行ってきた。

 初日の20日、山中湖畔は、晴れていたけれど富士山は麓までまったく姿を見ることができず、2日目の21日は、朝から晴れて富士山も姿を現してくれたが、夕方5時頃から激しい夕立となった。雷も鳴り、山中湖の湖面に稲妻が突きささり、雹まで降った。
 土砂が湖に流れ込んで、湖面が見る見る濁っていった。

 夕食は芝生の庭でバーベキューの予定だったが、1時間ほどで上がると思っていた夕立がやまず、結局屋内で食べることに。

 きょう22日は、朝方少し晴れ間も出て、富士山の山頂だけが一時姿を現していたが、ほどなく雲に覆われ、湖畔には霧が流れていた。
 11時前に、ゼミ生3人を乗せたカローラ・ランクスで帰京。調布インターで降りて、深大寺の蕎麦屋でそばをご馳走し、三鷹駅で学生たちを下ろして帰宅。

 勉強はほどほどだったが、毎年、飲酒事故が起きないかとひやひやしながらの合宿。今年も、何事もなく無事に終了したので、ほっとした。

 * 写真は、きのう8月21日に、セミナーハウスのいつもの教師用の部屋から見た富士山。

“フロスト警部 交錯する疑惑” 2

2008年08月10日 | テレビ&ポップス
 
 やや古いことだが、“フロスト警部 交錯する疑惑”も、記号としてのクルマが随所で登場した。

 挿話的に登場する、地元デントンの裕福な名士のバカ息子で、麻薬の密売をしている大学生の乗っているクルマは、高価そうな黄色いオープン・カーだった。
 家宅捜索にやって来たフロストらの乗った警察車両は、ヨーロッパの安物クルマ、フォード(例の先生が言っていたような気がするが、出典が見つからないので引用は控えておく)。
 
 最近の放映では、フロストはいつも水色のボルボのSWに乗っているが、古い話では、何時もフォードに乗っていたと思う。

 * 写真は、ミステリー・チャンネル“フロスト警部 交錯する疑惑”の1シーン。

“メグレ警視 男の首”

2008年08月07日 | テレビ&ポップス
 
 軽井沢に行っている間、“メグレ警視”と“警部フロスト”の録画を予約しておいたのだが、留守家族がいじったらしく、映っていなかった。

 “メグレ警視 男の首”は是非見たかったのだが、途中から「ヨン様」のインタビュー番組などになってしまっていた。
 あの憎らしげなチェコ人の末路を見届けるためにも、どうしても続きが見たかったので、久しぶりに、雨の中をツタヤに行った。

 ところが、《海外ドラマ》のコーナーになぜか不吉な空き棚がある。果たせるかな、《メグレ警視》シリーズは30~40巻はあったはずなのに、見事にすべてが撤去されてしまっていた。店の人に聞くと、パソコンを調べて、「メグレ警視」というのは当店では扱っていないという。
 つい2、3週間前まではあったのだが。《メグレ警視》が置いてあったからこそ、ツタヤWカード会員にもなったのに・・・。

 しかたないけれど、やっぱり見たいので、アマゾンかどこかで中古DVDを買おうと思って、Google を「メグレ警視 男の首」で検索すると、驚くなかれ、「メグレ警視 男の首」の無料動画サイトというのに出くわした。

 GyaO というサイトで、「無料というのは怪しいな・・」という当方の不安に答えるべく、フロントページに、無料なのはテレビと同じようにスポンサーのCMによって運営されているからで安心です、と書いてあった。
 ということで、安心して、しかも無料で“メグレ警視 男の首”を見ることができた。

 原作(の翻訳)は、角川文庫のジョルジュ・シムノン/宗左近訳『推理小説 男の首』(1976年、4版)というので読んだらしい。1976.12.24(金)pm.11:52, il pleu. などと書き込みがある。
 ラストシーンでメグレと犯人が対峙して、推理小説定番のメグレが犯人を前に謎解きを語るという、ぼくの馴染んだメグレらしくない幕切れであった。原作もそうだった。 

 インターネットなど、なければないで何とかなると思っていたが、便利な世界になったものだ。
 ただし、GyaO による《メグレ警視 男の首》の無料提供も、きょう(8月7日)の正午までて、それ以降は《サン・フィアクルの殺人》に代わるという予告が出ていた。
 きわどい所だった。

 * 写真は、GyaO の無料動画から“メグレ警視 男の首”の始まり。
 せっかくなのでパソコンの画面ごとトリミングした。右上にアウディA3の買取の広告がついている。

VW ゴルフⅥ

2008年08月06日 | クルマ&ミニカー
 
 ゴルフⅤが、最廉価版のTSIトレンドラインにまで、奮発してTSIエンジンと7速DSGを装備したという記事に接し、新聞に折り込み広告が入ったのが、5月か6月だった。

 フォルクスワーゲンがこういうことをするのは、フルモデルチェンジが近い時である。はたせるかな、2、3日前にネットのサイトで、ドイツVW本社が、ゴルフⅥの写真を公開したという記事を見つけた。

 現行のモデルよりもシャープな印象になっていて、悪くない。ただし、フロントの顔を見ても、一目で「ああ、ゴルフだな」とはならないだろう。
 それと、サイズがまたまた大きくなっていないか心配である。シロッコみたいに車幅が1810mmなんかになっていないことを祈る。

 “フロスト警部”で、麻薬の売人の乗っているクルマがゴルフだったりして、がっかりしたが(イギリスのテレビ番組だからドイツ車の評価が低くても仕方ないかも)、やっぱりゴルフは気になる。

 * 写真は、VWが公開したGOLF Ⅵの写真。asahi.comから。
 

平安堂で『草軽電鉄の詩』発見!(2008年8月4日)

2008年08月05日 | 軽井沢・千ヶ滝
 
 8月4日のこと。

 軽井沢夏期大学での若林正丈先生の講演まで時間があったので、国道を軽井沢方面にクルマを走らせて、平安堂書店に立ち寄った。

 東京では見かけない軽井沢関連の本を物色するためである。これはという本はなかったが、ちょっと驚いたことに、『草軽電鉄の詩』(郷土出版社、1995年)の「新装版」というのが店頭に並んでいた。
 
 『草軽電鉄の詩』は、品切れになっていたのを、去年だったか一昨年だったかに、神田神保町の篠村書店で見つけて、たしか2300円で買った。
 正式な書名は『写真集 草軽電鉄の詩--懐かしき軽井沢の高原列車 「思い出のアルバム草軽電鉄」改題普及版』と、どれが本題で、どれがサブタイトルなのかもよく分からないくらい、ごちゃごちゃと表紙に書いてある。

 これとほぼ同じ装丁のものが、これまた驚いたことに、1600円(本体)でカウンター前に平積みになっていた。
 ぼくの買ったのは1997年発行の3刷で、本体価格は1800円である。3刷、4刷ともなれば減価償却は出来ているだろうから、値段を下げても採算は取れるだろうけれど、そんなことをする良心的な本屋はまずいない。
 郷土出版社というのはずい分良心的な出版社である。2300円で古本屋で購入した読者としては少し悔しいところだが・・・。

 * 写真は、ぼくの手元にある『写真集 草軽電鉄の詩』1997年発行の3刷の表紙。←だったのだが、きょう郷土出版社のHPを見たら若干表紙の装丁が変わっていたので、「新装版」の表紙に差し替えておく(郷土出版社のHPから)。

 2008/8/5

中軽井沢駅の正面玄関(2008年8月4日)

2008年08月04日 | 軽井沢・千ヶ滝
 
 何もないので、軽井沢に行った時に撮ったしなの鉄道・中軽井沢駅の駅舎正面の写真。
 8月4日(月)の正午過ぎの光景である。

 第60回・軽井沢夏期大学の若林正丈先生の講演を聴く前に、駅前のかぎもと屋に立ち寄ってざる蕎麦で腹ごしらえをした際に、同店の駐車場から撮ったもの。
 前にも書いたように、『軽井沢新聞』によると、この中軽井沢駅の駅舎も近々3階建ての駅ビルに改築されるという。
 懐かしい中軽井沢の風景がまた一つなくなってしまう。なくなる前に撮っておいた。最初、駅の壁面に浅間山のペンキ絵が描かれたときは、正直「何だ、これは・・」と思ったが、何十年も見続けてきたら、されなりに懐かしい風景になっていた。

 2008/8/4

きょうの軽井沢(2008年8月2日~)

2008年08月03日 | 軽井沢・千ヶ滝
 
 8月3日から異常に暑くなるというので、思い立って、8月2日の午後から軽井沢に来ている。

 2日(土曜日)、ネットで高速道路情報を見ると、午前中は花園を先頭に25kmの渋滞となっていたのが、昼すぎには鶴ヶ島を先頭に7kmの渋滞となり、午後3時には関越自動車道、上信自動車道ともに渋滞情報は一切消えたので、出発することにした。

 甘楽でトイレ休憩して午後5時前には軽井沢到着。食料品などを買うためにツルヤに立ち寄ったが、駐車場は超満員。ようやくスペースを見つけて駐車。きっと3日も日曜日で混むだろうから、2、3日分の食料を買い込んで帰る。

 この夏最初なので、まずはすべての窓を開放して空気を入れる。長倉の気温表示は26℃だった。軽井沢としては暑いが、蜩も鳴いている。やっぱり東京とは違う。

 上の息子はオリンピック見物もかねて北京に滞在中。下の息子は大学受験を控えて塾通い。親だけ暢気にしているわけにも行かないので、夕食を済ませてからイギリスの高等法院の判例を読む。秋に研究会で報告をしなければならないので。
 同じ裁判官の英文なのに、軽井沢で読むと不思議なことに捗る。3時間ほど読んでから風呂に入る。

 寝る前に“ボナンザ第2巻”「第1話・土地争い」を見る。

 “ボナンザ”第1巻の第1話はひどい話でがっかりしたが、第2話以降は悪くない。「法と秩序」が開拓時代のアメリカ西部に定着する過程が分かる(“ボナンザ”が史実を再現していると仮定してのことだが)。
 カートライト一家の親父さん(ロン・グリーン)がホームステッド法で手に入れた土地を自力で守ろうとするあたりは、アメリカの土地所有権の生成過程をうかがうことができる。

 まあ、いずれの話も所詮はアメリカ西部劇版「水戸黄門」である。違うのは、水戸黄門には“葵の御紋”があるのに対して、カートライト一家には自力救済か“法と秩序”しかないこと。すでに亡くなった祖父も晩年には「水戸黄門」がお気に入りだった。そんな年齢に近づいてきたのだろう。
 “ガンヒルの決闘”のことをキネマ旬報『アメリカ映画作品全集』は「浪曲調西部劇の水準作」などと評していたが、“ボナンザ”も「浪曲調テレビ西部劇の水準作」といえよう。

 3日も朝から英文を読み、昼前には庭の草刈り(といっても電動草刈機で)。昼食後も英文を読む。
 東京では、下の息子が朝9時から夕方6時近くまで7科目模擬試験に挑戦中のはず。息子の苦労を考えれば、親も頑張らなければ。

 夕方(といっても6時近く)になってから、近所を散歩する。この辺りは、もともとは国土計画が昭和30年代に区画整理をして1区画300坪ずつに小分けして分譲した所なので、1ブロック6000坪が短冊状に20軒分に分かれている。
 これを2ブロックまわったが、来ている家は3軒だけ。それよりも驚いたのは、会社の保養所がずい分なくなったり、取り壊されていたこと。

 かつて、東海林さだおが軽井沢を闊歩している女の子のことを(良家の子女ならぬ)「寮家の子女」などと揶揄していたこともあったのに・・・。
 関西の放送会社の保養所だった建物の看板がはずされて無人になっていたり、有名な業界団体の保養所が更地になっていた。健康保険組合の台所事情も厳しいのだろう。2、3年前に大手銀行の保養所跡地を買い取って豪華な建物を建てたばかりのIT企業の保養所がもう潰れていた。栄枯盛衰を感じさせる。

 わが家の近所に裕福な台湾出身者の別荘がある。何十年か前には、わが家の道先を掃除していた祖母と、上品そうなその台湾人の奥さんとが立ち話をしたりしていたが、その家も来ていなかった。
 わが家の祖母もすでに亡くなり、おそらくあの台湾出身の夫人も亡くなったのではないだろうか。
 最近では、軽井沢での近所付き合いもなくなってしまった。

 奇しくも、今年は、新渡戸稲造らが始めた軽井沢夏期大学の創設60年の記念の年ということで、8月4日には新渡戸稲造にちなんでか、若林正丈東大教授の台湾政治の現状についての講演が公民館であった。
 先住民、本省人(福老[人偏がつく]人+客家人)、外省人(蒋介石が大陸から連れてきた武装移民)という多族国家の来歴がよく分かった。
 
 * 8月4日は夕方から豪雨になった。その直前に、管理を依頼している千ヶ滝の“国土計画西区事務所”前。
 かつてはそう呼ばれていたが、その後度重なる組織変更があり、現在の正式名称は分からない。

 2008/8/3

“フロスト警部 交錯する疑念”

2008年08月02日 | テレビ&ポップス
 
“フロスト警部 交錯する疑念”(ミステリー・チャンネル)。

 原題は、“Benefit of the doubt”。
 「疑惑のご利益」くらいの意味だろうか。この作品では、フロストが亡妻の墓参りをするのを遠くで見つめている20歳前後の女性がいて、やがて彼女がフロストに近づいてきて、「自分はフロストの娘だと、亡き母から聞いている」と自己紹介する。

 結局、フロストは、彼女が自分の実の子ではないことを知るのだが、彼女がなかなか好ましい性格だったために、フロストはこの子が自分の娘かもしれないという疑念も悪くはなかったな、と思うのである。
 そんなニュアンスを表現したのが、“Benefit of the doubt”であろう。

 しかし、ストーリー全体の方は、まさしく「交錯する疑念」である。今回も前編、後編の2話連続で、登場する事件も医療過誤、擬装鉄道事故、賞味期限偽装(!)、職場不倫、チンピラの強盗事件、偽フロストによる寸借詐欺・・と、盛りだくさんである。
 フロストの「落胤」騒動などは隅のほうに追いやられた印象であった。

 最近のミステリー・チャンネルで放映されている“フロスト警部”は、大体かつてスカパーで見たものばかりで、最初のうちは見たことを忘れているのだが、どこか印象的なシーンに出会うと、かつて見たことを思い出し、ストーリー展開も思い出してしまうことが少なくない。

 “メグレ警視”のほうは、原作の翻訳を読んだのが、今から30年も前の1978年頃なので、ストーリーも犯人もまったく記憶にない。そんなわけなので、それなりに新たな気分で見られるのだが、フロストの方はせいぜい2、3年前なので、やや見あきてきた。
 
 前にも書いたように、団塊の世代の東京人というのは、何かにのめりこむということはしないものである。
 熱中しても、しばらくたつと飽きてしまう。

 * 写真は、ミステリー・チャンネル“フロスト警部 交錯する疑惑”から、デントン病院の冷たいエリート女医の駐めたベンツと、それを眺めるコソボだったかセルビア出身の医師。
 今回はクルマの記号論どころか、コソボ出身の医師は自転車通勤である。

“メグレと美術商オーエン氏”

2008年08月01日 | テレビ&ポップス
 
 “メグレ警視 メグレと美術商ミスター・オーエン”(FOX CRIME)。
 
 例によって、長島良三編『名探偵読本2 メグレ警視』(パシフィカ、1978年、187頁)によると、原作は、“L'Improbable Monsieur Owen”(1938年7月執筆)。
 
 舞台は、いつもと違ってどこか海辺の町。メグレは夏のバカンスで、旧知の老人が支配人を勤めるリゾートのホテルに滞在している。
 
 冒頭からいきなり、夏の海辺をビキニ姿の女がポーズを取りながら歩き回る。カメラマンたちがそれを取り巻く・・・。すでに始まりからして、なにやら違うのである。
 こんなシーンを見るために、メグレを見ているのではない! 字幕が読み取れるように2倍速にする。字幕がどうでもいいところは、3倍速、4倍速ですっ飛ばす。
 所どころ重要そうな場面だけ《再生》に戻して、1時間弱で見終わる。
 
 “a touch of Maigret”を楽しみたい人には、あまりおすすめできない。
 
 * 写真は、FOX CRIME“メグレと美術商オーエン氏”から。場所柄、いつもの黒塗りのシトロエンやルノーではなく、明るい色のクラシックなオープン・カーが何台も登場する。