豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

メグレ警視 “運河の秘密”

2015年10月04日 | テレビ&ポップス

 AMAZONのポイントがたまっていたので、メグレ警視シリーズの“運河の秘密”を買った。

 2000年、フランスのテレビドラマで、日本でもBSで何度か放映されたことがある。
 ツタヤでもレンタルされているので、あえて買う必要もないのだが、メグレのパリを舞台にしたもの、郊外もの、もっと郊外の国境もの(?)、クリスマスもの、その他いくつかは手元に置いておいてもいいかな、と思った。

 殺人事件が解決し、運河の水門が再び開かれて、足止めを喰らった船が一斉に出発するラスト・シーンは、以前にこのコラムにも書き込んだと記憶する。

 はじめのほうで、馬丁が登場するところで、突然犯人を思い出してしまった。
 その後にケースの左上のスチールを見て、さらに驚いた! 見てない人には意味は分からいだろうけど・・・。 

 しかし、シムノンの作品は犯人探しが目的ではないから、残り90分も、ブリューノ・クレメルのメグレを十分に堪能した。
 メグレを謎解きもの(本格推理?)と思ったら、この作品だって破たんはいくつもある。

 ちなみに、長島良三編『名探偵読本2 メグレ警視』(パシフィカ、1978年)の「メグレ警視事件簿」(101ページ~)を見ると、「運河の秘密」は1931年に発表されたメグレシリーズの第4作で、この本が出た当時は内容が不明だったらしく、何の解説も付されていない。

 最近は、BSでも“メグレ警視”は再放送されないようだが、またメグレの雰囲気に浸りたくなった。

 2015/10/5 記


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“ドクトル・ジバゴ” オマー・シャリフ追悼

2015年10月03日 | 映画

 旧聞ながら・・・。

 夏の軽井沢では、テレビなしの生活を送っているため、時折、映像が懐かしくなって、DVDを見ることがある。
 ある夏は、ミスター・ビーン(豆豆先生!)をせっせと見たし、ある夏は小津安二郎をせっせと見た。

 この夏は原稿を抱えていたので、あまりDVDは持参しなかったが、夏前にオマー・シャリフの死亡の報に接したので、デビッド・リーン監督“ドクトル・ジバゴ”を持って行って、見た。

 勉強の後で、風呂が沸くまでの時間に見たので、8月19日夜に60分、20日夜にDisk1の最後まで、そして21日夜にDisk2の最後まで見た。

 
 この映画を最初に見たのは1970年代だと思うが、30年以上たって久しぶりに見ると、覚えているシーンはごく僅かで、はじめて見るに近かった。

 とくに、オマー・シャリフが凍てついた窓越しにララを見送ったところで、エンディングかと思っていたが、なんとその後に、ジバゴがモスクワかどこかの街角で路面電車の窓からララと思しき女性を見つけるシーンや、ジバゴの兄が、ジバゴの忘れ形見と思われる娘を呼びつけるシーンまであった。
 まったく記憶になかった。ぼくにとっては不要のシーンだった。

 2、3年前に近所のホームセンターで、キーラ・ナイトレイがララを演じる“ドクトル・ジバゴ”(2003年、イギリス)を500円で買って、見た。
 デビッド・リーンのものと誤解して買ったのだが、悪くはなかった。こちらの方が原作に忠実そうだった。
 ぼくはパステルナークの原作(ぼくの学生時代には原子林二郎訳のペーパーバックだけだったが、今では何種類か翻訳があるらしい)を読んでいないので、本当はどちらがより原作に忠実かどうかわからないのだが、デビッド・リーンのほうがいかにも「作ってる」感じがした。

 ただし、飽きさせないという点ではデビッド・リーンがいい。
 ロッド・スタイガーが演じる悪徳弁護士コマロフスキーなどはなかなかいい。


 Disk2についているメイキング・ビデオも面白い。YouTubeにも“ドクトル・ジバゴ”の舞台裏をオマー・シャリフらが語っているのを見つけた。これも面白い。

 製作者のカルロ・ポンティは女房のソフィア・ローレンにララ役をやらせたかったのだが、デビッド・リーンは、「ララは映画の冒頭では絶対に“処女”に見えなければならない、お前の女房が処女に見えるか」と言って断ったという。
 笑ってしまった。どう考えても、ジュリー・クリスティーだろう。
 でも確かに“ひまわり”のようなシーンは時折見られた。

 最後に、オマー・シャリフという役者を、ぼくは死亡記事を見るまで、ロシア人と思っていたが、なんと彼はエジプト人だった。
 しかも、エジプトで俳優をやっているときにデビッド・リーンに見い出されて、この映画に抜擢されたという。
 “ドクトル・ジバゴ”で色がつきすぎて、その後はいい役に恵まれなかったが、この1作だけでも十分だろう。
 少なくともぼくには、オマー・シャリフはあの窓越しにララを見送るジバゴが永遠である。


 2015/10/3 記

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