豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

“大いなる西部”

2008年04月17日 | 映画
 
 春休みに買って、そのままになっていた“大いなる西部”を見た。

 そろそろ授業も本格的になるので、今のうちにと、やや義務的に観はじめた。
 例によって、ちょっと(かなり)楽天的すぎるのと、グレゴリー・ペックが格好よすぎるのだが、グレゴリー・ペックに免じて許してやろう。

 テキサスの大牧場に、牧場主の娘キャロル・ベーカーと結婚するために、東部からグレゴリー・ペックがやってくる。 
 戦いを好まず、常に丸腰の東部男を周囲は軽蔑するが、彼は意に介さない。

 「少佐」(Major)と呼ばれている牧場主は、隣接する牧場主のヘネシー一家と対立しており、水源地を買収して、ヘネシー牧場の水源を断とう目論んでいる。娘はそんな父から独立できないでいる。

 グレゴリー・ペックはそのような争いを嫌い、水源地を買い受ける契約を結び、両者の牧場に水を提供しようとする。
 婚約者だった少佐の娘は、そんな彼を弱腰だと非難して去っていく。

 やがて、グレゴリー・ペックに心を開いたヘネシー一家の主バール・アイブス(彼がこの映画の主役に近い、少なくとも脇役の中心人物として描かれている)は、むなしい抗争を終結させるべく、少佐に決闘を挑む。

 決闘の結末は映画では描かれていないが、最後には、グレゴリー・ペックが、水源地の所有者の孫娘であるジーン・シモンズと一緒に、新しい牧場経営に乗り出すところで、映画は終わっている。

 壮大な広野(まさに“Big Country”!)にぴったりのあのテーマ・ソングは、ちまちました日々を、しばし忘れさせてくれた。
 
 しかし、そこに点在する牧場主の邸宅や、駅馬車の中継所などは、いかにもオープン・セットといった感じ・・。

 わが子ども時代の英雄だったチャック・コナーズがなんとも情けない役(ヘネシー一家の馬鹿息子)で、これも辛いところだった。
 ♪どこからやって来たのやら、厳つい顔に 優しい眼・・・♪ だったのに。

 チャック・コナーズが丸腰のグレゴリー・ペックを撃とうとして、父親に撃ち殺されるシーンで、突然、この映画を以前に見たことを思い出した。逆に、このシーンまでは以前に見たことをまったく覚えていなかった。
 
 少佐の牧場の牧童頭を演ずるチャールトン・へストンは、いかにも時代遅れの西部男といった役柄で、しかも、最後は銃を持たない丸腰のグレゴリー・ペックに負けてしまう。
 「死ぬまで銃を離さない」と主張し続けた彼が、こんな役柄の映画への出演を何で引き受けたのだろうか。

 そして、キャロル・ベーカーも、どこか性格の曖昧な役回りのうえに、唐突に画面から消えていってしまった。
 
 --というような、不満もいくつかあったが、まあよくできた西部劇の部類だと思う。
 ウィリアム・ワイラー監督にとって、あのロイ・ビーンを描いた「西部の男」以来18年ぶりの西部劇だったらしい。

 2、3日前には、授業の空き時間に、バート・ランカスターの“アパッチ”も研究室のパソコンで見た。
 例によって、インディアンが英語で喋り、白人ふうの恋をするところを我慢すれば、ジェロニモが投降した1886年以後のアパッチの生き方(戦士からトウモロコシの耕作者へ)というテーマは面白かった。

 * 写真は、“MGMスーパーライオンキャンペーン 大いなる西部”のケース。