気ままに

大船での気ままな生活日誌

春一番の日に

2008-02-25 10:07:17 | Weblog
春一番の日(23日)に、ボクらは茅ヶ崎、高砂緑地の”松籟庵”の前の松林の中で風の音を聴いていました。松籟とは松風のことです。ここの住人であった川上音次郎さんそして次代の方も、ここでこうして、この松風に耳を傾けていたのでしょう。耳を手でかざしてみると、風の音の密度が高まって聞こえます。さらに、その手を開いたりつぼめたりすると、風はまるで歌声のように、ボクになにかを聴かせてくれているようです。

ボクら世代の愛唱歌、”風”の歌声でしょうか。♪ちょっぴり寂しくて 振り返っても そこにはただ風が 吹いているだけ♪ いいフレーズですね。哲学的でもあります(笑)。松風を聞いてロマンチックになっていると、うしろから突如声が。振り返ってみると、ワイフが、”ベランダに干しておいた洗濯物が吹き飛ばされそうで、心配だから私、先に帰るわ”。現実の世界に引き戻されました。

その少し前まで、ボクらは駅前の”シェフヒャクタケ”というフレンチのお店でランチをいただいていました。ワイフが一度行ってみたいと言っていたお店だったのです。おいしかったです。グルメにうるさいワイフもほめていました。ボクは味よりも出されてくるお料理のうつくしさにカンドーしました。一流シェフは美的センスももたなければいけないのでしょう。カウンター席の我々に、金髪(染め)のシェフは気さくに話しかけてくれました。湘南新宿ラインで池袋、新宿方面から出向いてくるお客もいるらしいです。ボクは、あの三つ星シェフ、数寄屋橋次郎にあやかって、彼に金髪茅ヶ崎次郎というあだなをつけてあげました。

ワイフが先に帰ってしまったので、ボクはひとりで、ところどころにある紅梅、白梅を見学しながら松林を抜けて、市立美術館の前に立ちました。”岡本太郎のまなざし&湘南の原始美術”展を開催していました。ボクは、結構、考古学フアンなので、うしろの”原始美術”(埴輪や土器)の方に惹かれて入館しました。

岡本太郎さんについては、”芸術は爆発だ”の言葉や、大阪万博の太陽の塔(たしかつくば科学万博でも似たような塔がありましたね)ぐらいは知っていましたが、ほとんど無知と言っていいくらいでした。今回、岡本さんが大の考古学フアンであることを知り、そして、それが彼の作品に強く影響していることを知りました。そういえば、”太陽の塔”も、巨大な埴輪といえなくもないですね。そして、優れた写真家であることも初めて知りました。縄文土器の模様をアップで撮った写真なんか、とても素敵でしたよ。この土器をつくった縄文人の息づかいが聞こえてくるような迫力でした。今までちょっと敬遠していた、岡本画伯が好きになりそうです。

二階の展示場では、湘南地区で発掘された縄文、弥生時代の土器や埴輪がずらりと展示されていました。今日はいつもと違って、岡本画伯のような、美術家のまなざしで、土器類を鑑賞してみました。そういう眼でみると、たしかに、文様や形がうつくしく、これらはまさしく”原始美術”だと思いました。縄文時代にも、織部や乾山がいたのですね。居心地がよくて、つい、ゆっくりしてしまいました。

春一番の日は、ボクにとっても”春一番”の収穫があった日でもありました。












  
コメント
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