気ままに

大船での気ままな生活日誌

ラリックとシーボルト展

2008-08-17 10:22:45 | Weblog
箱根湿生花園を散策した後、昼食をとり、近くのラリック美術館に寄ってきました。箱根湿生花園とのコラボレーションによる”ラリックに咲いたシーボルトの和の花”という特別展をみてみたいと思ったからです。

ボクは以前はガラス工芸品にはあまり関心がなかったのですが、去年、やはり箱根のポーラ美術館だったと思いますが、エミール・ガレの作品をみてからフムフムなかなか面白いなと思うようになったのです。それは、ガラス製品に描かれている文様に、ボクの好きな、植物や昆虫や鳥等の生き物がモチーフになっていたからです。そして、それらが、北斎漫画等の影響を受けている、いわゆる19世紀末のジャポニズムの流れの中にあることを知って、嬉しくなったのでした。

この美術館の常設展と特別展をみて、ルネ・ラリックもまた、植物や昆虫のモチーフを多用していること、そしてそれら植物の中にはシーボルトが日本から持ち込んだ”和の草花”が多く含まれていること等が分かりました。エミール・ガレの15年ほどあとの人ですが、モチーフの生物を克明に描く点もよく似ています。これは、ギフトショップで買った参考書で知ったことですが、湿生花園の学芸員の方がこの企画展に参加し、モチーフの植物の同定(種名を明らかにすること)をしたときに、専門家しか知り得ない微細な特徴をとらえていたり、その観察力のするどさに驚いたそうです。

この詳細な”和の花”文様は北斎漫画等の間接的観察ではなしえません。実際の”和の花”を身近で観察できたからなのです。そこでシーボルトが登場するというわけです。長崎出島の医師、シーボルトは当時の日本の優れた園芸にぞっこんとなり、帰国するときに多数の草花を持ち帰り、現地で馴化し、栽培し、販売まで手がけるようになったのです。それがきっかけで、ヨーロッパでも、百合をはじめとする”和の花”のブームになりました。園芸のジャポニズムですね。これらの花々を直接観察して、ルネ・ラリックがガラスの香水瓶、花瓶、装飾品等に文様として刻み込んでいたのでした。

とても楽しい企画展でした。以下にカタログからの写真をおみせします。
。。。

横浜開港当時の、園芸商社”横浜植木(株)”の百合のカタログ。

モチーフ:テッポウユリ ペンダント

モチーフ:キヅタ(蔦)櫛

モチーフ:ヤマハンノキ ブローチ

モチーフ:フジ ペンダント

モチーフ:シダレウメ 香水瓶と印章

。。。

これは庭園内に展示してあった当時の車。ここにもラリックの作品が。ボンネットの先に注目ください。

はい、この裸体像です。これをつけるのが、当時のステータスだったらしいです(笑)。


ラリックは、あのオリエント急行の車両内のデザインも行ったそうです。実物の車両もここにあるそうですが、今回は時間の関係でパスしました。

往きはよいよいでしたが、帰りは夕方の渋滞に巻き込まれてしまいました。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする