気ままに

大船での気ままな生活日誌

虫の目の世界 栗林慧さん

2008-08-04 17:42:28 | Weblog
ボクは逗子図書館が気に入っていてよく訪れますが、たまたま、この日曜日、図書館横のさざなみホールで昆虫写真家、栗林慧(さとし)さんの映像&トークショーをやっていましたので覗いてきました。観客は、夏休み中の昆虫少年(少女も)が約半分、つきそいの父兄が約半分、その他の大人が少し(この中にボクも入る;汗)といった構成でした。もっとたくさんの大人にも観て、そして聴いてもらいたい、面白い内容でしたよ。

栗林さんは、市販のカメラレンズでは撮影困難な、昆虫の目線からの昆虫の生態を撮りたいと、まずカメラレンズの開発から始めました。医療現場で使われている内視鏡を利用したり、レンズの組み合わせを考えたりして、オリジナルなカメラレンズをつくりました。そのカメラ(ビデオカメラも)の写真も紹介されましたが、まるでマシンガンのような風体でした。実際、オーストラリアでそのカメラを使って撮影しているとき、警官が銃を向けながら近づいてきたそうです。近所の人から、ヘンな外人が銃をもってうろうろしているとの通報があったんだそうです(爆)。それほど、カメラらしくないカメラなんです。

望遠鏡の発明が天文学を発展させたように、顕微鏡の発明が微生物学を著しく促進したように、”栗林カメラ”は、昆虫の未知の生態を次々と明らかにしていきました。その、いくつか紹介しましょう。

女王蟻が産卵するとき、産卵孔から出てくる卵を自分の脚を使って、引っ張りだしている写真にはカンドーしました。ほとんど昆虫はただ産み落とすだけだそうです。そして、産んだあとも、献身的に(自分の食事もせず)卵のめんどうをよくみます(きれいにしてあげたり、向きをかえたり)。ちょうどこれを撮っているころ、ヒトの世界で児童虐待のニュースが相次いでいましたので、考えさせられたそうです。

壺つくりの名人の蜂(名前は忘れてしまいました)も面白かったです。まるで、縄文時代の人が土器をつくるように、柔らかい土を運び、練って輪にして、一段一段重ねるように壺(巣)をつくってゆきます。完成品もまるで縄文式土器のようでしたよ。栗林さんは、古代人は蜂から土器の作り方を教わったのではないか、と笑っていました。

古代人だけではなく、現代のNASAのロケット科学者まで驚かした虫もいます。栗林さんがある雑誌に、この写真を掲載しましたら、その科学者から、これはロケット発射のメカニズムと同じだ、人類が知る、ずっと大昔にこの虫はいとも簡単にこの”技術”を自分のものにしている、すごいことだ、ぜひ多くの人に紹介したいので、写真を送ってくれないか、と連絡がありました。のちに、この写真が国際的雑誌に掲載されたそうです。

その虫の名は、ミイデラゴミムシです。この虫は危険を感じると、体内の二、三の成分を混ぜ合わせ、100℃以上の高温ガスにして、お尻から激しく噴射して敵の生物にやけどをさせます。そのときプッとおならのような音も出しますので、ヘッピリムシ(屁放り虫)とも呼ばれています。栗林さんは、このおならの音が出たときに、(センサーを媒介として)シャッターが切れるように工夫したカメラを使って写真を撮りました。ガス状の物質をお尻から噴出している様子がものの見事に撮られていました。まるでロケットの発射直後のようでした。

ビデオでみる、昆虫目線のカマキリやカナブン、クワガタ、バッタ、ミノムシなどの食事をする姿、戦いの様子なども、とても迫力がありました。昆虫の間近でレンズが撮っていますので、カマキリたち昆虫が、まるで恐竜のようにみえます。昆虫少年たちも歓声をあげていました。

ボクも、すっかり昔の昆虫少年に戻ってしまった2時間でした。そうそう、栗林さんが少年たちに、こんな夏休みの宿題を出していました。みなさん、カブトムシがおしっこをする姿を是非、観てくださいね。わんちゃんみたいに、片足を上げて、おしっこするんですよ。

カブトムシにスイカ(これが大事)を食べさせ、15分すると、必ず、おしっこを我慢できなくなって、脚をあげて、シャーとするらしいです(笑)。小学生のお子さんがいる方、是非、子供さんに教えてあげてくださいね。昆虫と仲良くなれると思いますよ。

。。。。。

コンパクトデジカメは昆虫の写真を撮るのに適しているそうです。昆虫の間近に近づかずに(ファインダーを覗かなくていいので)、撮れるからだそうです。ボクは、昆虫の写真はめったに撮りませんが、いくつかありましたので、記念に(笑)、載せたいと思います。他日載せた、”つかいまわし”もいくつかあります(汗)。












これを機会に、もっと昆虫にも、カメラの目を向けたいと思います。

コメント
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