おはようございます。
日本橋高島屋で加山又造展が開催されている。加山又造(1927-2004)は、ぼくには馴染みのある画家で、成川美術館や山種美術館でよく作品を見ている。とくに猫や夜桜の作品が好き。また、彼の原図が元の、祇園祭の南観音山の見送り等の図も覚えている。でも、今回のような、大規模な回顧展ははじめてで、彼の生涯を見渡すことができ、とても面白かった。
京都の西陣織の図案家の子として生まれたそうで、東京美術学校を卒業後は山本丘人に師事した。それでは、彼の人生を辿ってみましょう。以下のような章立てになっている。
第1章 動物/西欧との対峙
第2章 伝統の発見
第3章 生命賛歌
第4章 伝統への回帰
第5章 工芸
第1章:動物が好きで、上野動物園にもよく通い、スケッチしていたようだ。また、”ラスゴーの洞窟壁画”にも興味をもっていた。キュピニズムなどの近代美術手法を導入して、実験的動物画を制作した。
月と縞馬 一頭の馬の動きを表している
紅鶴
第2章:1781年東博でのマティス展と宗達展を比べ見て、日本の伝統絵画の可能性を再発見する。
紅白梅 光琳のオマージュ
第3章;猫好きで、多数の作品がある。また70年代に裸婦に挑戦。裸体のシルエットで線のうつくしさをねらったとのこと。
猫 蟷螂との対峙が面白い
はなびら
第4章:1970年代後半から水墨画への志向。北宋画に倣った作品なども。また、独自の日本画表現で夜桜シリーズなども。
倣北宋水墨山水雪景
夜桜
淡月
また、祇園祭の南観音山の挌天井”四季草花図”も展示されていたのはうれしかった。下図はぼくが京都で撮ったもの。
楽しい展覧会だった。
それでは、みなさん、今日も一日、はなびらのように(?)、お元気で!