こちらもDVDで鑑賞。「以前夫婦だった男女。男の妹の結婚式で10年ぶりに再会する。久しぶりに会話を楽しんだ2人は・・・」という話。
デュアル・フレームということで、画面は常に2分割されていて、男側と女側を同時に映す。時には回想シーンと現在を同時に映したり、彼らの願望なども映し出されたりする。それぞれがリンクしたりしてよく考えられている。慣れるまではちょっと見にくかったりするけど、慣れるとなかなか面白い。でも、映画館の大画面だとどんな感じなんだろう?
なかなかシャレている。ほとんど2人芝居で見せる。会話もすんなり2人の過去を話すわけでもなく、大人同士の駆け引きがあったりして、見ているこちら側もすこし頭を使わないといけなかったりして楽しい。結婚パーティー会場の世間話から始まって、少しずつ核心に触れていく感じはいい。会話だけで2人の気持ちが高まっていくのが分かる。
2人が最初に出会ったのは19歳の時。後に2人は結婚して別れてしまう。そして10年後再会。38歳になっていた。若く初々しい2人の姿と、中年になった2人の姿が同時に映し出される。中年ではあるけど十分魅力的な2人。でも、裸になってみればお腹が出ていたりする。でも、若い2人が愛し合うのと、今の2人が愛し合うのとは違う。その対比もいい。
たった数時間2人は過去・現在・未来について語り、思いをはせる。そこに男と女の違いがはっきりと描けていていい。男はロマンチストといえるけれども、甘い。自由であるがゆえの傲慢さがある。その年でも独身でいれることの甘さや傲慢さ。女は現実的。ここが面白い。男と女の違い。分かり合えない部分。この年代を選んでいるところも上手い。20代なら女も違った選択をしたかもしれない。でも、30代後半で安定した生活を手に入れているなら、冒険はできない気持ちは分かる。20代なら男はこんなに自分がバカになってまで、気持ちを言えただろうか?
男はアーロン・エッカート。なかなか良かった。独身の弁護士でイケメン。23歳の美人ダンサーの彼女持ちと、嫌味なくらい恵まれた境遇(笑)初めはただの遊びなのかと思ったけど、意外に揺れている。彼女の方が常に一枚上手で滑稽な感じもする。かわされているから自分のものにしたがっている感じもするし・・・。その辺りを上手く演じていると思う。
女のヘレナ・ボナム・カーターが良かった。演技派なのは知っていたけど、こんなに美しくかわいらしい彼女を見たことがないかも。二の腕だって太いし、下腹だって出ている、目じりにはしわもある。でも美しい。それは彼女が生きてきた証だから。彼女は現実を見ている。でも、少し夢見たいとも思っている。それは束の間でいい。彼女のそれが「諦め」なのか「悟り」なのか・・・。その辺りも上手い。素晴らしかった。
30代・・・。微妙な年齢かも。もう若くはない。ある程度の経験はしたし、社会的にもある程度のポジションを得ている。気持ちのままに突っ走ることは難しいことは分かっているけど、でもそれが出来るギリギリの年齢なんじゃないかとも思っていたりする。その気持ちが2人の間で高まる。女に比べて身軽な男は踏み込もうとする。でも、女には分かっている。やり直しても上手くいかない。これが出会いなら大人になった2人は上手くいくかもしれない。でも、以前傷つけあった2人は上手く行かない・・・。
男に未練が残っているのは女に去られたから。そして「あの頃の自分」にも未練がある。女にも未練はある。でも、それは「あの選択が正しかったのか?」という答えが知りたいということ。とにかくそういう心理描写が上手い。それがサラリと描かれていていい。
30代以上で、辛い別れを経験したことがある人ならこの感じ絶対分かると思う。
『カンバセーションズ』Official site
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なかなかシャレている。ほとんど2人芝居で見せる。会話もすんなり2人の過去を話すわけでもなく、大人同士の駆け引きがあったりして、見ているこちら側もすこし頭を使わないといけなかったりして楽しい。結婚パーティー会場の世間話から始まって、少しずつ核心に触れていく感じはいい。会話だけで2人の気持ちが高まっていくのが分かる。
2人が最初に出会ったのは19歳の時。後に2人は結婚して別れてしまう。そして10年後再会。38歳になっていた。若く初々しい2人の姿と、中年になった2人の姿が同時に映し出される。中年ではあるけど十分魅力的な2人。でも、裸になってみればお腹が出ていたりする。でも、若い2人が愛し合うのと、今の2人が愛し合うのとは違う。その対比もいい。
たった数時間2人は過去・現在・未来について語り、思いをはせる。そこに男と女の違いがはっきりと描けていていい。男はロマンチストといえるけれども、甘い。自由であるがゆえの傲慢さがある。その年でも独身でいれることの甘さや傲慢さ。女は現実的。ここが面白い。男と女の違い。分かり合えない部分。この年代を選んでいるところも上手い。20代なら女も違った選択をしたかもしれない。でも、30代後半で安定した生活を手に入れているなら、冒険はできない気持ちは分かる。20代なら男はこんなに自分がバカになってまで、気持ちを言えただろうか?
男はアーロン・エッカート。なかなか良かった。独身の弁護士でイケメン。23歳の美人ダンサーの彼女持ちと、嫌味なくらい恵まれた境遇(笑)初めはただの遊びなのかと思ったけど、意外に揺れている。彼女の方が常に一枚上手で滑稽な感じもする。かわされているから自分のものにしたがっている感じもするし・・・。その辺りを上手く演じていると思う。
女のヘレナ・ボナム・カーターが良かった。演技派なのは知っていたけど、こんなに美しくかわいらしい彼女を見たことがないかも。二の腕だって太いし、下腹だって出ている、目じりにはしわもある。でも美しい。それは彼女が生きてきた証だから。彼女は現実を見ている。でも、少し夢見たいとも思っている。それは束の間でいい。彼女のそれが「諦め」なのか「悟り」なのか・・・。その辺りも上手い。素晴らしかった。
30代・・・。微妙な年齢かも。もう若くはない。ある程度の経験はしたし、社会的にもある程度のポジションを得ている。気持ちのままに突っ走ることは難しいことは分かっているけど、でもそれが出来るギリギリの年齢なんじゃないかとも思っていたりする。その気持ちが2人の間で高まる。女に比べて身軽な男は踏み込もうとする。でも、女には分かっている。やり直しても上手くいかない。これが出会いなら大人になった2人は上手くいくかもしれない。でも、以前傷つけあった2人は上手く行かない・・・。
男に未練が残っているのは女に去られたから。そして「あの頃の自分」にも未練がある。女にも未練はある。でも、それは「あの選択が正しかったのか?」という答えが知りたいということ。とにかくそういう心理描写が上手い。それがサラリと描かれていていい。
30代以上で、辛い別れを経験したことがある人ならこの感じ絶対分かると思う。
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