'11.09.05 『女と銃と荒野の麺屋』(試写会)@一ツ橋ホール
yaplogで当選。いつもありがとうございます! 試写状届いたのがギリギリだったので、1人で見るつもりだった。偶然、お友達のmigちゃんが、共通のお友達まだ~むと行く予定だと知り、3人で見ることに。
ネタバレありです! ちょっと辛口?
「中国、荒野にある麺屋の女主人は、商人から銃を購入。その調査を任じられた警官チャンは、麺屋主人の金庫の中の大金を狙っていた・・・」という話。これは・・・。好き嫌いが分かれるかもしれない・・・。ちょっとドタバタしててコメディ・タッチなので、その部分に乗れるかにかかっている気がする。個人的には乗り切れず。途中ちょっと寝てしまったし・・・。どうも個人的にドタバタ、特に日本人を含むアジア人のドタバタが苦手らしい・・・。
見てみたいと思ったのは、チャン・イーモウ監督作品だから。といっても、『初恋のきた道』『単騎、千里を走る』しか見ていない。この2本がわりと好きだった。『初恋のきた道』はチャン・ツィイーがホントかわいかった。チャン・イーモウ監督というだけで、応募してしまったので、全然知らなかったのだけど、これはコーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』のリメイク。『モールス』の記事にも書いたけど、リメイクする意味がイマヒトツ分からない。どうやらチラシによると、20年以上前に見て以来、幾度となく脳裏に甦り続けた"心の1本"だったのだそう。オリジナルは未見。コーエン兄弟の作品自体も、そんなに見ているわけではないので、よく分からないけれど、こんな感じの作品ではないような・・・。確かに、コメディ要素はあると思うけど、こんなドタバタじゃなくて、もう少し淡々としているんじゃないかと思う。そういう意味では舞台も中国だし、時代も銃や大砲が登場して間もない頃、日本で言えば戦国時代くらいに置き換えているので、”リメイク”とは言えるのかなと思うけど、ただ何故その時代なのかは不明。でも、荒野の中のたった1件の麺屋が舞台という設定はおもしろかったかも。捜査に来た警官達に振舞った以外、全くお客さん来ないけど(笑)
妻はお金で買われ、虐待する夫を殺害しようと銃を買ったわけだし、妻の従業員のリーとの浮気を知った夫は、警官チャンに2人の殺害を依頼、そのチャンは夫の大金を狙うが、男女の従業員も大金を狙っているってことで、6人が麺屋と荒野を舞台に入れ代わり立ち代りするおもしろさは、オリジナルのプロットどおりなんだろうと思うけれど、この辺りコーエン兄弟版はわりと淡々としていることが、おかしいみたいな感じになっているんじゃないかと思われる。それを、そのまま中国に置き換えてもってことで、濃いキャラにしたのだと思うけれど、この人達のドタバタ感をおもしろいと思えるか、思えないかで、この映画に対する感想が全然違うかも・・・。個人的にはこのキャラの濃さが苦手だった・・・。無口で無表情な悪徳警官のキャラは良かったけど。役者さんがちょっと江口のりこ似なのがツボだったし(笑) 妻と愛人リーの大袈裟ぶりはまだ大丈夫だったのだけど、夫と従業員2人の完全にウケ狙いの見た目・・・。もう、その時点であざといと思ってしまって・・・。
思えば、冒頭からドタバタ。シルクロードをやって来たと思われる商人が、剣を振り回し、濃いキャラ達がオーバーリアクション。この時点であざとさを感じてしまい、続く大砲シーンでどうしようかと思っている中、真っ青な空、赤土の荒野を、紺で統一した衣装の騎馬警官達がやって来る。この色合いの美しさと、警官達が持つ杖のようなものの、頭の飾り部分が、風でクルクル回って、不思議な音を立てる感じがおもしろくて、しばし見入っていたのに、警官の隊長は何故かわざとらしいより目・・・。この人、結局このシーンしか登場しないし、より目であることに全く意味もなかったので、笑わせ要素だと思うけど、笑えず・・・。多分、緩急という意味で、例えば悪徳警官が淡々と見事な手際で悪事を働くシーンと、ドタバタ・コメディーのシーンを入れてるんだと思うけど、個人的にこのドタバタ部分があざとくて笑えず・・・。澤穂希似の愛人リーの気弱キャラの感じは、笑えはしなかったけどギリギリOK、あとは個人的には合わず・・・ でも、会場では笑い声も起きていたので、好きな人はいると思う。大砲撃って顔真っ黒とか、ベタなギャグが好きな方は楽しめると思うし、こういう緩急が好きな人もいると思う。個人的には、悪徳警官のシーンだけでも、淡々とした中にクスッとなれるシーンがあったので、その感じで見たかったかなと思うってだけ。あくまで好みの問題。
何となく舞台劇みたいな事をしたいのかなと思ったのだけど違うかな・・・。冒頭こそ商人や警官達が出てくるけど、ほとんどの場面は前述の6人のみ。そのうち1人はほとんど死体だし(笑) 舞台となる場所も数箇所に限られてるし。この辺りはオリジナルがそうなのかとも思うのだけど、ドタバタ部分といい、役者達の大袈裟演技といい、そういう演出なのかなぁと・・・。なので、これは演劇好きな人は好きかも。お芝居は嫌いじゃないけど、あまり見に行ったりするほうではないし、劇場中継みたいな番組で、お芝居を見た時には、大袈裟に感じてしまって入り込めないタイプ・・・。なので、ちょっとドタバタや大芝居が気になって入り込めなかった。最初の方はホント入り込めず眠くなってしまい、妻がいびきをグーグーかいて爆睡しているシーンでは、つられて寝てしまった。ガクッとなって目が覚めた。気づいたら斜め前のおじさんも寝てた(笑)
なんだかものすごくダメ出ししちゃってるみたいだけど、全くダメなわけではなくて、例えば前述した騎馬警官登場シーンとか、荒野というか、赤土の岩の感じと、真っ青な空とか、夜空の月の光とかの色合いや画の美しさは好き。古い中国家具の並ぶ金庫のある部屋とか、最後に闘いの場となる麺屋の建物全体の感じとか、原色というか蛍光色って感じの衣装も赤土に映える。特に妻の黄緑色の地にピンクの花が刺繍された衣装は良かった。同じく花モチーフの靴もカワイイ。悪徳警官は青。変な兜を被ってて、中で顔がいっぱいいっぱい。その姿で淡々と悪事を働くシーンは、ちょっとコミカルで好き。ラストの緊迫感も良かった。ドアに鋏のシーンは、痛かったけど、この映画初という感じで笑えた。水の入った壷が割れて、水がこぼれるシーンをスローで映したりするのも好き。そこにこだわる? みたいな(笑) ほめてます!
役者さんたちは1人も知らなかった・・・。妻役のヤン・ニーはキレイに見える時と、・・・な時あり(笑) 悪徳警官チャン役のスン・ホンレイが良かった。ご本人が意識していたかは不明だけど、無表情で淡々としている姿がちょっとコミカル。夫役のニー・ダーホンは俗物で嫌な人物を存在感たっぷりに演じていたとは思う。あとは・・・。下手というわけではなくて、大芝居なので・・・。
90分と短めなので見やすいし、映像はキレイ。リー達従業員3人がお互い投げたりしながらクルクル回して、麺の生地を伸ばすシーンは好き。だいぶ広げたわりに切ったら厚いし、すごい太いし(笑) とうがらしパウダーたっぷりかけて、熱した油注いでたけど、油そばなのかな? すすごい辛そうだけどおいしそう。警官の人達は極太ぶ厚麺を器用に食べてた。このシーンは好き。ラストの迫力も良かったし。前述したけど映像と色彩がキレイ。麺の器とか小道具など細部にまでこだわったセットや美術も見もの!
舞台劇やドタバタ・コメディー好きの方はオススメ!
『女と銃と荒野の麺屋』Official site
yaplogで当選。いつもありがとうございます! 試写状届いたのがギリギリだったので、1人で見るつもりだった。偶然、お友達のmigちゃんが、共通のお友達まだ~むと行く予定だと知り、3人で見ることに。


見てみたいと思ったのは、チャン・イーモウ監督作品だから。といっても、『初恋のきた道』『単騎、千里を走る』しか見ていない。この2本がわりと好きだった。『初恋のきた道』はチャン・ツィイーがホントかわいかった。チャン・イーモウ監督というだけで、応募してしまったので、全然知らなかったのだけど、これはコーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』のリメイク。『モールス』の記事にも書いたけど、リメイクする意味がイマヒトツ分からない。どうやらチラシによると、20年以上前に見て以来、幾度となく脳裏に甦り続けた"心の1本"だったのだそう。オリジナルは未見。コーエン兄弟の作品自体も、そんなに見ているわけではないので、よく分からないけれど、こんな感じの作品ではないような・・・。確かに、コメディ要素はあると思うけど、こんなドタバタじゃなくて、もう少し淡々としているんじゃないかと思う。そういう意味では舞台も中国だし、時代も銃や大砲が登場して間もない頃、日本で言えば戦国時代くらいに置き換えているので、”リメイク”とは言えるのかなと思うけど、ただ何故その時代なのかは不明。でも、荒野の中のたった1件の麺屋が舞台という設定はおもしろかったかも。捜査に来た警官達に振舞った以外、全くお客さん来ないけど(笑)
妻はお金で買われ、虐待する夫を殺害しようと銃を買ったわけだし、妻の従業員のリーとの浮気を知った夫は、警官チャンに2人の殺害を依頼、そのチャンは夫の大金を狙うが、男女の従業員も大金を狙っているってことで、6人が麺屋と荒野を舞台に入れ代わり立ち代りするおもしろさは、オリジナルのプロットどおりなんだろうと思うけれど、この辺りコーエン兄弟版はわりと淡々としていることが、おかしいみたいな感じになっているんじゃないかと思われる。それを、そのまま中国に置き換えてもってことで、濃いキャラにしたのだと思うけれど、この人達のドタバタ感をおもしろいと思えるか、思えないかで、この映画に対する感想が全然違うかも・・・。個人的にはこのキャラの濃さが苦手だった・・・。無口で無表情な悪徳警官のキャラは良かったけど。役者さんがちょっと江口のりこ似なのがツボだったし(笑) 妻と愛人リーの大袈裟ぶりはまだ大丈夫だったのだけど、夫と従業員2人の完全にウケ狙いの見た目・・・。もう、その時点であざといと思ってしまって・・・。
思えば、冒頭からドタバタ。シルクロードをやって来たと思われる商人が、剣を振り回し、濃いキャラ達がオーバーリアクション。この時点であざとさを感じてしまい、続く大砲シーンでどうしようかと思っている中、真っ青な空、赤土の荒野を、紺で統一した衣装の騎馬警官達がやって来る。この色合いの美しさと、警官達が持つ杖のようなものの、頭の飾り部分が、風でクルクル回って、不思議な音を立てる感じがおもしろくて、しばし見入っていたのに、警官の隊長は何故かわざとらしいより目・・・。この人、結局このシーンしか登場しないし、より目であることに全く意味もなかったので、笑わせ要素だと思うけど、笑えず・・・。多分、緩急という意味で、例えば悪徳警官が淡々と見事な手際で悪事を働くシーンと、ドタバタ・コメディーのシーンを入れてるんだと思うけど、個人的にこのドタバタ部分があざとくて笑えず・・・。澤穂希似の愛人リーの気弱キャラの感じは、笑えはしなかったけどギリギリOK、あとは個人的には合わず・・・ でも、会場では笑い声も起きていたので、好きな人はいると思う。大砲撃って顔真っ黒とか、ベタなギャグが好きな方は楽しめると思うし、こういう緩急が好きな人もいると思う。個人的には、悪徳警官のシーンだけでも、淡々とした中にクスッとなれるシーンがあったので、その感じで見たかったかなと思うってだけ。あくまで好みの問題。
何となく舞台劇みたいな事をしたいのかなと思ったのだけど違うかな・・・。冒頭こそ商人や警官達が出てくるけど、ほとんどの場面は前述の6人のみ。そのうち1人はほとんど死体だし(笑) 舞台となる場所も数箇所に限られてるし。この辺りはオリジナルがそうなのかとも思うのだけど、ドタバタ部分といい、役者達の大袈裟演技といい、そういう演出なのかなぁと・・・。なので、これは演劇好きな人は好きかも。お芝居は嫌いじゃないけど、あまり見に行ったりするほうではないし、劇場中継みたいな番組で、お芝居を見た時には、大袈裟に感じてしまって入り込めないタイプ・・・。なので、ちょっとドタバタや大芝居が気になって入り込めなかった。最初の方はホント入り込めず眠くなってしまい、妻がいびきをグーグーかいて爆睡しているシーンでは、つられて寝てしまった。ガクッとなって目が覚めた。気づいたら斜め前のおじさんも寝てた(笑)
なんだかものすごくダメ出ししちゃってるみたいだけど、全くダメなわけではなくて、例えば前述した騎馬警官登場シーンとか、荒野というか、赤土の岩の感じと、真っ青な空とか、夜空の月の光とかの色合いや画の美しさは好き。古い中国家具の並ぶ金庫のある部屋とか、最後に闘いの場となる麺屋の建物全体の感じとか、原色というか蛍光色って感じの衣装も赤土に映える。特に妻の黄緑色の地にピンクの花が刺繍された衣装は良かった。同じく花モチーフの靴もカワイイ。悪徳警官は青。変な兜を被ってて、中で顔がいっぱいいっぱい。その姿で淡々と悪事を働くシーンは、ちょっとコミカルで好き。ラストの緊迫感も良かった。ドアに鋏のシーンは、痛かったけど、この映画初という感じで笑えた。水の入った壷が割れて、水がこぼれるシーンをスローで映したりするのも好き。そこにこだわる? みたいな(笑) ほめてます!
役者さんたちは1人も知らなかった・・・。妻役のヤン・ニーはキレイに見える時と、・・・な時あり(笑) 悪徳警官チャン役のスン・ホンレイが良かった。ご本人が意識していたかは不明だけど、無表情で淡々としている姿がちょっとコミカル。夫役のニー・ダーホンは俗物で嫌な人物を存在感たっぷりに演じていたとは思う。あとは・・・。下手というわけではなくて、大芝居なので・・・。
90分と短めなので見やすいし、映像はキレイ。リー達従業員3人がお互い投げたりしながらクルクル回して、麺の生地を伸ばすシーンは好き。だいぶ広げたわりに切ったら厚いし、すごい太いし(笑) とうがらしパウダーたっぷりかけて、熱した油注いでたけど、油そばなのかな? すすごい辛そうだけどおいしそう。警官の人達は極太ぶ厚麺を器用に食べてた。このシーンは好き。ラストの迫力も良かったし。前述したけど映像と色彩がキレイ。麺の器とか小道具など細部にまでこだわったセットや美術も見もの!
舞台劇やドタバタ・コメディー好きの方はオススメ!
