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【art】「パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂」鑑賞 @ アーティゾン美術館

2023-02-13 01:13:53 | art

【art】「パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂」鑑賞 @ アーティゾン美術館

 

 

アーティゾン美術館で開催された「パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂」展を見てきた! 開催を知ってから絶対見たいと思っていた企画展。期待大で行ってきた

 

いつものように感想ツイートに追記する形で感想記事として残しておく。

 

 

 

 

今展は、パリ・オペラ座に特化し、ガルニエ宮を中心をとして、その起源となるルイ14世の時代から近代まで、バレエとオペラを中心に、絵画、彫刻、衣装、ポスター、楽譜など、フランス国立図書館をはじめとして約250点の作品を展示! まさかのボリュームで時間が足りない💦

 

若かりしルイ14世(Wikipedia)は自身も衣装をつけて踊るほどのバレエ好き。たしかバレエって"イタリアで生まれて、フランスが整えて、ロシアで花開いた"と言われているんじゃなかったかな?

 

その"フランスが整えて"の部分を担ったのがルイ14世で、たしかバレエの基本中の基本である足のポジションを考えたのがルイ14世だったと思う。衛兵を各ポジションで立たせたことが始まりだったような🤔

 

そんなルイ14世が1661年に創設した「王立舞踊アカデミー」を起源として、1669年にパリ・オペラ座が設立された。いくつか劇場を経て、1861年ナポレオンⅢ世(Wikipedia)によるパリ大改造の際、無名の建築家シャルル・ガルニエ(Wikipedia)の設計で、現在のパリ・オペラ座が建築された。1989年、バスティーユにオペラ座が設立され、パリ・オペラ座はオペラ・ガルニエもしくはガルニエ宮と呼ばれる。

 

ルイ14世の時代から現代までのパリ・オペラ座の歴史を見せるということは、要するにオペラとバレエの歴史を見せるということで、その中にはヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wikipedia)も含まれるわけで、やっぱりこれは本当にすごいなと。

 

 

「バレエの授業」エドガー・ドガ

 

パリ・オペラ座のバレエといえば、絶対外せないのがエドガー・ドガ(Wikipedia)。オペラ座の稽古場に通い詰めてダンサーたちを描いたことで有名。そんな作品の中でも「バレエの授業」は人気。

 

中央で杖をついて話しているのが有名なジュール・ペロー先生(Wikipedia)で、先生の話をまじめに聞く子、おしゃべりする子、手前の子はなんとピアノの上に座って背中をかいている😅

 

その感じがリアルでちょっとほほえましい。当時の彼女たちの状況を考えると複雑ではあるけれど、少なくともここに描かれている女性たちには悲壮感はない。意外とたくましく生きていたのかもしれない。

 

とはいえ、それはドガが富裕層で、その視点だったこともあるかも。

 

 

「舞台袖の3人の踊り子」エドガー・ドガ

 

「踊りの稽古場にて」エドガー・ドガ

 

「右手で左手を持つ踊り子」エドガー・ドガ

 

撮影可能コーナーがあるわけではなく、ところどころに撮影OKな作品が展示されている感じなのだけど、ドガの作品コーナーは特に多かった印象。ドガ好きとしてはうれしい✨

 

ブロンズ作品はドガの死後アトリエに残された150点の蝋彫刻のうち、73点を鋳造工エブラールによってブロンズ鋳造されたものなのだそう。

 

手前の「右手で左手を持つ踊り子」は、あまりバレエで足を持って踊ることはないので、これはストレッチ的なことかな? 後ろに小さく写っているのは「右足で立ち、右手を地面にのばしたアラベスク」となっているけど、ここまで前傾しているとパンシェかも。

 

ブロンズ鋳造したのはドガではないとなると、これはドガ作品ということになるのかしらね?🤔

 

 

 

 

「オペラ座の仮面舞踏会」エドゥアール・マネ

 

今作はエドゥアール・マネ(Wikipedia)の代表作と言われているのだそう。舞台となっているのは1821年以来ル・ペルティエ通りにあった旧オペラ座(ル・ペルティエ劇場)で、そこで開かれた仮面舞踏会を描いている。

 

当時の仮面舞踏会はお金を払えば誰でも入れたそうで、裕福な男性と女優、踊り子、高級娼婦の出会いの場となっていたのだそう。おそらくそれは暗黙の了解だったのでしょうけれど、それを赤裸々に描いていしまった今作は物議をかもし、1874年のサロンに出品し落選となってしまったとのこと。

 

たしかに中央付近に描かれた青いブーツの女性と紳士の雰囲気は、"この後"を感じさせるし、画面上部に描かれた2階のバルコニー部分から除く女性の足も象徴的ではある。

 

現在の感覚では、そういう意図があると分かって見ても、特段スキャンダルとは思わないけれど、当時としては大変に物議をかもす作品だったのでしょうかね🤔

 

 

「オペラ座の仮装舞踏会」エドゥアール・マネ

 

仮装舞踏会が題材のこちらもル・ペルティエ劇場が舞台。正面玄関からロビーを見ているという構図だそうなのだけど、人物の配置は「オペラ座の仮面舞踏会」と似ている。

 

でもタッチがずいぶん抽象的。描かれたのは同じ1873年のようだけれど、どちらが先に描かれたのかな? 何となく仮面舞踏会が最初で、サロンに落選してこちらが描かれた気がするのだけど・・・

 

こちらの仮装舞踏会はアーティゾン美術館が所蔵しており、仮面舞踏会の方はワシントン、ナショナル・ギャラリー所有。この二作品が並んで展示されるのは大変貴重な機会ということだけど、二作を並べてみるとタッチの違いが想像を掻き立てられてとても興味深い。

 

これは見れて本当に良かった!

 

「ハムレット役のフォールの肖像」エドゥアール・マネ

 

今回、マネの「ハムレット役のフォールの肖像」という作品も展示されており、そこに描かれているジャン・バティスト・フォール(Wikipedia)というバリトン歌手はマネ作品のコレクターで、「オペラ座の仮面舞踏会」を持っていたことがあったのだそう。

 

ちなみに、この「ハムレット役のフォールの肖像」は、サロンに出品したものの落選。フォール本人も気に入らず受け取らなかったのだそう。多分、リアルに描きすぎたからではないかとのこと😅

 

 

 

 

「『パ・ド・カトル』を踊るカルロッタ・グリジ、マリー・タリオーニ、ルシル・グラーン、ファニー・チェリート」

アルフレッド・エドワード・シャロン

 

個人的に作品を描いたアルフレッド・エドワード・シャロン(Wikipedia)よりも、描かれた人物たちの方に興味がある。「パ・ド・カトル」というのは4人の踊りで、当時の4大バレエダンサーが「バレエの授業」に登場したジュール・ペロー先生の台本・振付の作品。

 

昨年、NHKで放送された「バレエの饗宴」で、中村祥子、菅井円加、水谷実喜、永久メイの4人が踊るのを見た。とても優雅でありながら、それぞれがテクニックを披露して、とっても良かった。これは当時の人たちも感動したと思う!

 

ちなみに、この絵の中央に描かれているのがマリー・タリオーニ(Wikipedia)で、「ラ・シルフィード」で主役を演じるため初めてポワントで立った人物。そして、ポワントで立つために必要なトウシューズが展示されていて大興奮!

 

今はやめてしまったけど数年前まで大人バレエを習っていて、一応自分もトウシューズを履いていたのだけど、現在のトウシューズとは全然違っていてビックリ!

 

生地はサテンなのでそこは変わっていないと思うし、リボンがついているのも同じ。ただしリボンが細くてついてる位置もかなり前なので、どこで結んでいたんだろう? 

 

最大の違いはつま先部分がフラットになっていないこと。バレエダンサーは自分でつま先で立ってはいるのだけど、それを補助するようにつま先の先端がフラットになっており、その周辺が固められていて、イメージとしては筒状の中に足を入れている感じ。

 

さらに足の裏に靴底のような部分があって、つま先で立つとそこが添え木のような役割をしてくれるので、初心者でもバーなどにつかまれば立てるようになっている。立つだけならば😅 プロのダンサーは底部分をカットしたりして、自分でカスタマイズするらしい。

 

靴底部分を見ることはできなかったのだけど、一応固めてはあるっぽかった。でも、あの先細りでフラットになっていないつま先でどうやって立ってたんだろう?🤔

 

 

「バレエ・リュス公式プログラム(『シェヘラザード』のスルタン役の衣装デザイン)

レオン・バクスト

 

レオン・バクスト(Wikipedia)は、セルゲイ・ディアギレフ(Wikipedia)が主宰したバレエ・リュス(Wikipedia)で舞台美術などを担当した芸術家。

 

このバレエ・リュスというのは「ロシア・バレエ団」という意味なのだけど、アンナ・パブロワ(Wikipedia)やヴァーツラフ・ニジンスキー(Wikipedia)などの伝説的ダンサーだけでなく、クロード・ドビュッシー(Wikipedia)などの作曲家、アンリ・マティス(Wikipedia)やパブロ・ピカソ(Wikipedia)などの芸術家も巻き込んだ、一大芸術家集団だったわけです!

 

それがもうこの公式プログラムだけでも分かるくらい、衣装、装飾品、舞台美術、それらを描いた絵画など、もうすべてがドキドキするくらい美しい✨

 

浅田真央ちゃんの「BEYOND」(記事はコチラコチラ)で感動した「シェヘラザード」(Wikipedia)も、このバレエ・リュスで活躍したミハイル・フォーキン(Wikipedia)が、ニコライ・アンドレイェヴチ・リムスキー=コルサコフ(Wikipedia)の曲をもとに振り付けた作品がベースとなっている。

 

会場内では「シェエラザード」がかかっていて、それもとても良かった。

 

 

金曜日は20時まで開館しているということで、会社帰りに18時入場の日時指定でチケットを購入。会社から徒歩で10分あれば行けるので余裕だなと思ったら、全く仕事が終わらず💦 入場できたのが19時近くになってしまった💦💦

 

混んでいなかったので人気の作品でも待ち時間などなく見れたのだけど、200点を超える作品展示のどれもが素晴らしく、一つ一つじっくり見たいものばかり。

 

最後は駆け足状態になってしまって、近代のものは流し見になってしまったのが残念。これは2時間でも足りなかったと思う。よくぞここまで集めましたというくらい素晴らしすぎる企画展だった!

 

ギリギリまでの鑑賞を優先したため、ミュージアムショップが閉まってしまい、お土産は買えず😢

 

「勝利の女神」クリスチャン・ダニエル・ラウホ

 

会場を出て出口に向かう途中に展示されていた大理石の彫刻。作者のクリスチャン・ダニエル・ラウホ(Wikipedia)のことは全く知らなかったのだけど、とても美しい作品で閉館時間が迫っていたけど思わず撮影✨

 

 

日本橋高島屋の近くのビル内にあるアーティゾン美術館。立地もいいしビル自体が新しいのか全体的にきれい。内装もスタイリッシュモダンな感じでめちゃめちゃ素敵✨ 

 

感想書くの遅くて終わってしまったの残念💦 オペラやバレエに詳しくない人が見ても楽しめる素晴らしい企画展だったので、超絶オススメしたかったのに😢

 

パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂:2022年11月5日~2023年2月5日 @アーティゾン美術館

パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂 ー アーティゾン美術館

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