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【art】「コートールド美術館展 魅惑の印象派」@東京都美術館

2019-11-21 00:38:30 | art

【art】「コートールド美術館展 魅惑の印象派」@東京都美術館

 

 

東京都美術館で開催中の「コートールド美術館展」に行ってきた。レーヨン産業で成功したイギリスの実業家サミュエル・コートールドが、1932年にロンドン大学付属コートールド美術研究所を開設。後に自邸ホームハウスと自ら収集した美術品を寄贈し美術館とした。2019年秋から1年間続く「UK in Japan 2019-2020」の一環として開催された企画展。

 

いつものように感想Tweetしておいたので、それに追記する形で記事として残しておく😌

 

 

コレクションの成り立ちなどについて、得た知識を少し記載しておく。そもそもコートールド家は17世紀末に宗教的迫害を受け、フランスからイギリスに移住してきたのだそう。サミュエル・コートールドが印象派絵画に魅せられたのはそういう土壌があったからかもしれない。印象派の絵画が人々を幸せにすると考え収集を始めたそうで、国が美術品購入をするための基金も作ったのだそう。この基金で購入された中にはナショナルギャラリー所蔵フィンセント・ファン・ゴッホ(Wikipedia)の「ひまわり」もあるのだそう。それは良いことをされましたね😃

 

大きな作品が多いこともあるけれど、Tweetにもあるとおり作品自体は約60点と少な目。その分余裕をもって展示されていたし、「フォリー=ベルジュールのバー」などいくつかの作品は、大きなパネルに見どころなど画像を使って展示しており、とても分かりやすかった。そんなに混んでいなかったし、展示に余裕があることもあり、ストレスなく自分のペースで見ることができてよかった😌

 

 

ポール・セザンヌ「カード遊びをする人」

 

Tweetにもあるとおり、コートールドはポール・セザンヌ(Wikipeida)が好きだったようで、作品点数は一番多かったと思う。最初に買ったセザンヌ作品2点のうちの1点も展示されている。この「カード遊びをする人」は気に入った題材だったようで、5点ほど描いているのだそう。これはパネル解説があったので、その辺りを重点的に鑑賞。

 

ポール・セザンヌ「パイプをくわえた男」

 

「パイプをくわえた男」は素朴な感じで好きだった。セザンヌというと故郷の山を描いた作品など、風景画の印象が強いけれど、人物画の方が自分は好みかもしれない。この男性が「カード遊びをする人」の左側の人物なのだそう。この人物につていの説明はなかったように思うのだけど、友人とかなのかしら。

 

ピエール=オーギュスト・ルノワール「桟敷席」

 

ピエール=オーギュスト・ルノワール(Wikipeida)の「桟敷席」は今回のお目当ての1つだった。これだけ独立して展示してあり、やはり人が集まっていた。こちらもパネルで説明があったのでポイントをおさえて鑑賞。男性のモデルは弟のエドモンで、オペラグラスを使って客席を見ている。この辺りは当時を風刺しているのかな。女性のモデルはニニ・ロペスで、上流階級の女性もしくは高級娼婦を演じているのではないかとのこと。女性の腰のあたりにはアーミン(オコジョ)の毛皮が置かれている。ドレスは白と黒のストライプに見えるが良く見るといろいろな色が使われているとのこと。単眼鏡で見てみると確かに緑やピンクなどの色が使われている。それが全体的に見ると光沢のような印象を与えているのが興味深い。

 

 

エドガー・ドガ「舞台上の二人の踊り子」

 

エドガー・ドガ(Wikipedia)は好きな画家。バレエモチーフの絵が大好きで、ブログタイトルのetoileもドガの「エトワール」からもらった。この作品の特徴としては、高い位置から見下ろすように描かれており、余白を多く取った斬新な構図は日本美術の影響ではないかとのこと。左端に三人目の踊り子が見えることで、舞台の広がりと奥行きを感じさせる効果があるとのこと。確かに! 19世紀後半に人工照明が登場したそうで、それにより陰影が出たそうで、その辺りを表現しているのだそう。

 

この花をあしらったチュチュと首の黒いチョーカー、そして花冠は「エトワール」の踊り子と同じだけど、当時はこういういでたちで踊ることが多かったのかな? それとも同じ踊り子を描いているのかしら?🤔 いずれにしても、毎日のように通ってデッサンしていただけに、ダンサーの動きをよくとらえている。そして二人がとてもかわいらしい。

 

 

ポール・ゴーガン「ネヴァーモア」

 

ポール・ゴーガン(Wikipedia) はゴッホが精神を病んでしまったきっかけの一つとなってしまった人という印象で、タヒチを舞台とした作品もあまり好みではなかったこともあり苦手だった。でも、この「ネヴァーモア」で少し印象が変わった。左上にゴーガン自身が書いているようにNevermoreで二度とないというタイトル。エドガー・アラン・ポー(Wikipedia)の「大鴉」が主題だそうで、背景に描かれている鳥は悪魔の鳥なのだそう。横たわる裸婦は西洋美術の伝統的主題でだけれど、このタヒチの娘は装飾的であるとのこと。装飾的とは思わないけど、確かにマネの「オランピア」などとは違っているよね。

 

「オランピア」も娼婦であることを示唆したりと物議をかもした作品なので、比較として正しいチョイスなのか微妙だけど😅 でも、同じように女性がコチラを見つめてくるけど、どこか「ネヴァーモア」の女性の方が開放的というか、自由な印象がある。あくまで個人的に作品から受けた印象。

 

エドゥアール・マネ「オランピア」(参考 今回展示なし)

 

 

ウジェーヌ・ブーダン「ドーヴィル」

 

ウジェーヌ・ブーダン(Wikipedia)は"空の王者"と呼ばれていたのだそう。確かに空が美しい。これ実物はもっと空の色が美しくて、雲の表現も素晴らしい。油絵作品の多くは離れて見ると形になるように描かれているけれど、近くで見るとただの線だったりする。今作もまさにそんんな感じだけど、この画面の奥行とかスゴイなと思う。手前の馬たちと波打ち際にいる人々の距離感が感じられる。ドーヴィルの海岸を描こうと思ってこの構図っていうのは斬新で好き。

 

ジョルジュ・スーラ「クールブヴォワの橋」

 

ジョルジュ・スーラ(Wikipedia)といえば点描画だけど、今作はその点描技術を画面全体に使った最初の作品なのだそう。スーラは色彩が網膜上で混ざり合い知覚されることを目指していたそうで、かなり科学的な実験なども行っていたらしい。点描はスゴイと思うけれど、有名な「グランド・ジャット島の日曜日の午後」も特別好きな作品じゃない。でも、今作の素朴な感じはカワイイと思って好きだった。

 

ジョルジュ・スーラ「釣り人」

 

今作含めてスーラの作品が5点まとめて展示されていたけれど、その中の1つ「釣り人」は「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の習作なのだそう。

 

ジョルジュ・スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」(参考 展示なし)

 

中央左より木の向こう側に立ってる男性が「釣り人」かな? 釣りしているようには見えないけども・・・

 

 

 

アメデオ・モディリアーニ「裸婦」

 

アメデオ・モディリアーニ(Wikipedia)の「裸婦」で検索するとあまり画像が出てこなくて、どうやらこれ「座る裸婦」という名前だったのかな? 1917年に個展を開いた際、公序良俗に反するということで一部の作品が警察から撤去を求められてしまったのだそう。今作もその一部なのかな? たしかにかなり官能的。目元などは灰色の下塗りをしてから描いているそうで、それにより陰影が出ている。X線で見るとお腹のあたりは筆を押し付けたような丸いうろこ状になっているのだそう。それで下腹が少し出ているのが感じられるのかな。女性は痩せていても下腹がポッコリしがちだからね。美化しすぎていない裸体がとても好きだった。

 

 

エドゥアール・マネ「フォリー=ベルジェールのバー」

 

今回、この展覧会を見に行こうと思ったのは、エドゥアール・マネ(Wikipedia)「フォリー=ベルジェールのバー」を見たかったから。以前、何かの番組で今作が取り上げられていて、いろいろな矛盾点があることを指摘していて気になっていた。今展の開催にともないNHKの「日曜美術館」でも同様のことが指摘されていたので、記事(コチラ)にしてある。

 

パネルに書かれていた見どころは

①鏡のズレ

バーメイドの頭頂点と三角形の構図

鏡の中では男性と向かい合っている

 

②鏡の中の世界

バーメイド以外の背景部分は全て鏡に映った光景

 

③桟敷席の女性

マネのモデル・友人・恋人のメリー・ロランではないかと言われている

 

④ワインボトルのラベルに"manet1882"のサインがある

 

⑤人工照明を早い段階で描いている

柱に描かれた円形の物が人工照明

 

フォリー=ベルジェールは1885年発表のギ・ド・モーパッサン(Wikipedia)の小説「べラミ」にも登場する劇場で、今作の舞台になっているのはミュージックホールのバー。バーメイドのモデルはジュソン。亡くなる前年の1882年に描いている。

 

広めの壁には今作のみの展示。さすがに混んでいたけど、例えば「真珠の耳飾りの少女」のように最前列で見るには列に並ぶというようなことはなく、問題なく最前列で見れた。見どころポイントを参照にしつつ、ポイントをちょこちょこ変えて鑑賞してきた。

 

確かにいろいろ不思議。鏡の中に観客が映っているということは、観客は女性の方を向いているということで、となると鏡の中の男性とのやり取りも見ているということ。バーメイドは当時体を売るというようなことがあったそうなので、おそらくこの男性との会話はそういうことかと。それを観客が見ているというのはシニカル。

 

左上に描かれた足のみのブランコ乗りについても、すべてを描かないということで虚構であるというようなことを表しているのかな? うまく言えないけど、幻想的ということではなくて、すべてが嘘の世界だというか、俗物的というか。当時の一大アミューズメント施設であっただろうフォリー=ベルジェールに対して、マネは皮肉めいた思いを抱いていたのかなと勝手に思った。女性のどこかあきらめたような微笑みが印象的だった。

 

 

 

 

会場出ると物販コーナー。そこを出ると撮影コーナーがあった。コートールドのサロンを再現しているということなのかな。「桟敷席」の複製がかけてあったので接写してみた。 

 

 

 

 

 

 

入り口脇には大きなパネル。女性のアップと見どころとして説明された部分を接写しておいた。マネの恋人でもあったモデルのメリー・ロランと、マネのサイン。

 

 

 

音声ガイド借りないことが多いので今回も借りなかったのだけど、三浦春馬だったら借りればよかった😣 グノーとかドビュッシーがBGMというのも素敵だったかも🤔

 

 

お土産はポストカード3種。モディリアーニのはすごく迷ったのだけど、迷うなら後悔しないように買っとけ!と思い購入。今回はフランスとイギリスのお菓子や小物などのコーナーがあって、フランスのクッキーの方が少なめで食べやすそうだったのでこちらをチョイス。普通においしかった。

 

17:30頃から見始めて、メモ取りながらじっくり鑑賞。少し並んで物販購入して下りエスカレーターに乗ったのが19:30頃。全体的にそんなに混んでなかったのでストレスなく見れてよかった。

 

印象派は人気があるから毎年必ず展覧会があるので、少し食傷気味ということもあるけれど、でもやっぱり見てよかったと思う。お目当てがあったので絶対行く予定だったけど、お目当て以外にもゴーガンとか再認識した感があってとても良かった。

 

毎回書いているけど、見れる機会があるなら本物を見た方がいい。本物は絶対違う。

 

🎨コートールド美術館展 魅惑の印象派:2019年9月10日~12月15日 @東京都美術館

コートールド美術館展 魅惑の印象派|東京都美術館


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