【art】「ルーブル美術館展 愛を描く」鑑賞 @ 国立新美術館
2023年6月8日鑑賞。
ルーブル美術館所蔵の"愛"をテーマにした作品を集めた企画展。情報を知ってから見たいと思って心待ちにしてた。とはいえ、閉幕ギリギリの鑑賞となってしまった💦
いろいろ書きたいことはあるのだけど、見てから4ヶ月経ってしまったし、他にも書きたい記事が溜まっているので、感想ポストに追記する形で記事として残しておく。
#ルーブル美術館展 2023.06.08㊍
— maru 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 (@maru_a_gogo) June 24, 2023
行かなきゃと思いつつ結局終幕ギリギリに💦
最終週は20時まで開館しているというとで、予定を1日前倒しで見に行ってきた!
ほぼ定時上がりで行ったので18時前に入れたけど、けっこう混んでた😵💫 pic.twitter.com/L9jF3AnEFD
美術館は平日は17時か18時までで、企画展がある際は金曜日や土曜日に20時まで開館しているところも多い。今展も後者だったけれど、人気だったのか最終週は毎日20時まで開館となった。
翌日の金曜日に行く予定だったけれど、1日早めて定時上がりして見てきた! 職員の方はご負担だと思うけれど、とてもありがたい。
#ルーブル美術館展 ルーブル美術館のコレクションから「愛」がテーマの作品を展示する企画展。
— maru 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 (@maru_a_gogo) June 24, 2023
神話の世界ではアモルと呼ばれる天使かの矢が刺さると恋に落ちると考えられていたそうで、アモルを描いた作品が多い。
ブーシェの「アモルの標的」もその一つ。これはとてもロマンティック。 pic.twitter.com/UwnYZbnfhC
フランソワ・ブーシェ「アモルの標的」
前述したとおり愛を描いた作品を集めた企画展。ポスターイメージにもなっているフランソワ・ブーシェ(Wikipedia)の「アモルの標的」は、ポスト内にもあるとおり、アモルの矢が刺さると恋に落ちるという神話をもとに描かれている。
柔らかい色使いとふっくらとした天使たちの姿がとてもロマンティックな作品。
#ルーブル美術館展 男女の愛を描いた作品は、今回の目玉の1つであるフラゴナールの「かんぬき」の官能的なものから「ロミオとジュリエット」までさまざま。
— maru 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 (@maru_a_gogo) June 24, 2023
そしてデュビュッフの「アポロンとキュパリッソス」のように同性愛も。アポロンは神だから同性愛ではないのか?🤔
「かんぬき」良かった! pic.twitter.com/lRpf2l6v8g
ジャン=オノレ・フラゴナール 「かんぬき」
今回の目玉の1つ。ジャン=オノレ・フラゴナール(Wikipedia) の「かんぬき」 これはとても官能的! 男性の服装からすると身分違いなのかな? 閂を開けようとしているのか、閉めようとしているのか? これはドキドキする作品💓
ぶらぶら美術博物館で今展が取り上げられた時に、解説された内容を少し記載しておく。
(ぶらぶら美術博物館終わってしまって残念😢)
ぶらぶら美術博物館より --------------------------------------------
フラゴナールの「かんぬき」はロココ絵画の代表で、ルーブルの至宝。"曖昧さ"がフラゴナールの特徴で、女性は嫌がっているのか、喜んでいるのか曖昧。
かんぬきは男性器のメタファーで、倒れた壺やバラの花束は女性器と純潔の喪失のメタファー。さらに、りんごは原罪のメタファー。
枕が乳房的でベッドが脚を開いているように描かれているのではないか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ぶらぶら美術博物館より
番組を見てから行ったので、この辺りのことに注目して鑑賞。たしかに最後の枕が乳房的というのは、そのように意図して描かれているように思った。
ベッドの右手前の脚は、不自然に突き出ているように見えるし、ちょうど股の奥あたりに天蓋のカーテンがかかっていて、それが赤なのも象徴的に感じる。
クロード=マリー・デュビュッフの「アポロンとキュパリッソス」
クロード=マリー・デュビュッフの作品は初めて見たかも。会場内の説明書きによると、ブルジョワ階級趣味の肖像画で人気の画家だったそう。
これは、フランス新古典主義でしばしば取り上げられた題材だそうで、かわいがっていた牡鹿を誤って殺してしまい、糸杉に変身する姿を描いており、キュパリッソスを両性具有的に描き、思春期の若者の理想的な身体を表現しているとのこと。
たしかに脚の表現は柔らかくて女性的でもあるかも🤔
テオドール・シャセリオー「ロミオとジュリエット」
テオドール・シャセリオー(Wikipedia)も知らない画家だった。説明書きはなかったけれど、ロミオとジュリエットが亡くなる場面でしょう。ピンボケな部分もあるけれど、もともとそんなにハッキリと描かれている作品ではなかった。
#ルーブル美術館展 今回のお目当てはジェラール「アモルとプシュケ」
— maru 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 (@maru_a_gogo) June 24, 2023
天使アモルは人間の娘プシュケと結婚するけど、プシュケが様々な経験を経て真の夫婦となる話らしい。
この作品はプシュケを思春期の少女のように描いていることが特徴だそうで、今だと問題になりそう💦
とにかく美しかったー pic.twitter.com/ZZqzzcioeE
フランソワ・ジェラール「アモルとプシュケ」
フランソワ・ジェラール「アモルとプシュケ」
フランソワ・ジェラール「アモルとプシュケ」
フランソワ・ジェラール「アモルとプシュケ」
個人的にお目当てだったのが今作、フランソワ・ジェラール(Wikipedia)「アモルとプシュケ」! 正式名称は「アモルとプシュケ」、または「アモルの最初のキスを受けるプシュケ」となるのかな?
アモルは天使。前述したとおり、その矢で射られると恋に落ちる言われている。プシュケはその妻。この題材はとても好まれたのか、今展でも少しずつ場面を変えて数点描かれている。
それぞれの説明書きを総合すると、2人の物語は以下のような感じ
プシュケは人間の王女で、ヴィーナスの嫉妬で醜い生き物と結婚させられそうになる。アモルがそれを救い自分の宮殿へ連れて帰る。アモルは自分の寝姿を見ることを禁じるが、プシュケは覗き見てしまう。このことからプシュケは追放され、様々な場所をさまよい経験を積み、紆余曲折あって展開でアモルと結婚する。
プラトン主義の解釈で、神の愛に触れた人間が、試練の果てに幸福を知る物語とのことで、18世紀末に流行した題材らしい。
今作も、ぶらぶら美術博物館の解説を記載しておく。
ぶらぶら美術博物館より --------------------------------------------
アモルの母はヴィーナス。
ギリシャ神話では、プシュケには求婚者が現れず、父親が岩の上に置いておくと現れるというアポロンの神託を得る。岩の上にいると西風のゼフロスがプシュケをさらってアモルの宮殿へ連れて行く。
ただし、今作は一場面を描いたものではなく、無垢なプシュケが初めての愛を知る場面。アモルはプシュケに触れていない。思春期から大人になりかけの体つき。
プシュケの目は何も見ていない?
人工的な手が入らない自然の中で、思春期の無垢な若者たちが愛をはぐくむ物語が流行した。
Psycheはギリシャ語で「息」 転じて、魂・蝶。蝶は人の魂。Psychologyの起源。人間の魂が神様の愛に触れる。プシュケ=精神、アモル=肉体。精神と肉体の融合。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ぶらぶら美術博物館より
番組内では、プシュケとアモルを思春期の身体で描いたことに物議をかもしたとも話していたような?🤔
でも、個人的には透明感のあるプシュケの肌の色や、無表情とも言える表情がとても好きで、是非本物を見たいと思っていた!
別作品の説明書きと、番組内で紹介された内容と、二人の出会いが違うのだけど、ヴィーナスの嫉妬でということなのであれば、無垢な美少女という表現はピッタリ。
個人的にアモルがもう少し大人っぽい方がいい気がするけれど、とにかくプシュケの無垢な美しさとエロティックさにウットリ。
#ルーブル美術館展 神話の世界での男女の愛の描き方とか、とても興味深かった!
— maru 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 (@maru_a_gogo) June 24, 2023
おもしろかった✨
お土産はポストカード2種と天使モチーフのマグネット👼 pic.twitter.com/arC3n1KJ7i
展示室内
神話の世界での男女の愛の描き方について補足しておくと、男女とも"相手を自分のものにしたい"という気持ちは同じだけれど、それが男性だと相手を強奪したりと暴力的に描かれ、女性は誘惑するなど性的魅力を描くことが多いのだそう。
今だといろいろ問題視されそうな感じではあるけれど、実はそういう固定観念は神話の世界から存在していたものなのかと、なかなか感慨深いものがあった。
お土産は天使モチーフのマグネットとポストカード2種。「アモルとプシュケ」が欲しかったけど、ポストカードはなかった😢
ルーブル美術館展はこれまで何度も開催されてきたと思うけれど、こういう風に1つのテーマに絞って、題材や表現の仕方の変遷などを見て行くのは、とてもおもしろいと思ったし、楽しかった!
ルーブル美術館展 愛を描く:2023年3月1日ー6月12日 @国立新美術館
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