【art】「ゲルハルト・リヒター展」@東京国立近代美術館
生誕90年を迎えたゲルハルト・リヒターの東京では初となる個展。ご本人や財団が所蔵している作品110点を一挙展示。たしかご本人自ら選んだんじゃなかったかな?🤔
ゲルハルト・リヒター(Wikipedia)は名前は知っていたけど全く詳しくない。実は現代アートは苦手。理由はよく分からないから。見てみたいと思ったのは、別の企画展で展示されている作品が素敵だったことと、ポスターにもなっている少女の作品が見たかったから。
北斎展の記事(コチラ)にも書いたけど、とにかくブログ記事を書く時間と気力がない💦 でも、せっかく見て来たので感想Tweetに、最低限の追記で記事として残しておく。
#ゲルハルト・リヒター展 先週見てきた✨
— maru 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 (@maru_a_gogo) June 24, 2022
正直なところ前衛的な作品はよく分からないので苦手😅
でも見たい作品があったので行ってみた✨
この #4900の色彩 も面白かったし、いろんなパターンがあった #アブトラクトペインティング も好きな色彩のものが素敵だった✨ pic.twitter.com/6HmVm96OyR
「4900の色彩」
「4900の色彩」アップ
今回、基本的に撮影OK。最近では一部OKという企画展も増えているけど、基本OKってなかなかない。ご本人の許可が下りているからってことなのかな?🤔
一番最初にインパクトを受けたのがこの「4900の色彩」部屋の壁3面を使って展示されていた。まるでモザイク映像のようでポップで楽しい。
「アブストラクト・ペインティング」
前述どおりゲルハルト・リヒターについて詳しくないので、作品についても全く知識がないのだけど、一つ一つに作品名がついているわけでもないらしい? 今作は「アブストラクト・ペインティング」となっているけど、このタイトルの作品がたくさんある。これはそもそも画法なのかな?🤔
ただ、一応展示番号が附番されていて、冊子状の作品リストはその番号で製作年や画材などが掲載されている。それで行くと気に入ったピンク系の作品はNo.111ということになる。
これが一体何を表しているのかは分からないけど、この色彩は好きだなと思った。
#ゲルハルト・リヒター展
— maru 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 (@maru_a_gogo) June 24, 2022
収容者が隠し撮りした写真を書き写したイメージが隠れている #ビルケナウ
第2アウシュビッツと呼ばれる絶滅収容所。
迫ってくるものがあった。 pic.twitter.com/sKvyw00WZ9
「ビルケナウ」
「ビルケナウ」
こちらは「4900の色彩」の隣で、入口入って右の部屋に展示されている。正面が鏡張りとなっていて、作品を見ている自分たちも作品の一部となるような感覚。
ビルケナウというのはポーランドにある第二次世界大戦中のユダヤ人収容所。アウシュビッツ収容所から車で数十分の場所にある。以前ポーランドを旅行した時にどちらも訪ねた。最終的にはどちらも絶滅収容所となったけれど、当初は政治犯を収容していたアウシュビッツと違い、ビルケナウの方が人としての尊厳を奪われる場所だった。
監視塔から森に向かい一直線に単線の線路が伸びている。その両脇に家畜小屋のような建物が数棟ずつ並ぶ。その周りは何もない緑の平原。そこには何も救いがない。囚人とされた彼らの大量の鞄や展示されていたアウシュビッツよりも、彼らの存在すら抹殺したかのような何もないビルケナウの方が辛かった。
この作品の中には収容者が隠し撮りした写真を描き写したモチーフが隠れているのだそう。あまりの作品の迫力に見つけようとする気持ちになれなかった。その感情も間違った感想ではないのかもしれない。
#ゲルハルト・リヒター展
— maru 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 (@maru_a_gogo) June 24, 2022
ガラスのオブジェや鏡が他の作品と組み合わさることで別な作品になるのも面白かった😊 pic.twitter.com/PtdYeNHp3d
「ストリップ」
「ストリップ」アップ
これは横に長い作品で何メートルほどあるんだろう? これも何を表しているのか不明だけど、とっても色彩がキレイ。
「8枚のガラス」
タイトルどおり8枚のガラスを傾きを少しずつ変えて並べてある。これが見る角度によって作品や人が映り込んで楽しい。周囲が映り込んで作品ということなのであれば、今作が置かれた場所、そして時間によって常に変化するということ。これは楽しい。
「鏡」
これは「4900の色彩」の部屋に展示されていた。これも自分を入れて撮影していた人たちにとっては、背景の「4900の色彩」+自分+背後にいた人たちが「鏡」という作品であって、誰も入れず「4900の色彩」のみを写した自分の「鏡」とは別の作品ということになる。おもしろい!
#ゲルハルト・リヒター展
— maru 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 (@maru_a_gogo) June 24, 2022
お目当ては写真をもとに描いた作品で、見たかったのが #エラ 色合いも好き💕
一番好きだったのは写真に絵具を加えたシリーズの犬の🐕🦺
背景含め全部いい✨ pic.twitter.com/5AKUzVzMpH
「不法に占拠された家」
写真をもとにキャンバスに描き写すフォト・ペインティングというシリーズの作品の一つ。これは確かナチスに占拠されてしまった家だったんじゃないかな?
写真をもとに描いているので写実的ではあるのだけど、いわゆる細密画とは違いどこか現実的ではない感じもする。
「エラ」
こちらもフォト・ペインティング。この少女は誰だったっけ? 娘さんかな? 姪御さんかな? うつむいてはいるけれど悲壮感がないのは口角が上がっているからかな。あと、ピンクの服も幸福感がある。とてもかわいい💕
「2014年12月8日」
こちらはオイル・オン・フォトと呼ばれる、写真に絵具などを塗りつけたシリーズ。作品名は日付となっていて、写真の撮影日でも絵具を塗った日でもないらしい。難解😅
このシリーズは最後の細長い展示スペースにたくさん並んでいたけれど、中でも一番好きだったのがこの「2014年12月8日」 右端から奥に向かって道が伸びていて、その両脇に畑の緑が広がる。道の先画面中央奥には木がこんもり並び、その隣には小さな家が見える。道の真ん中に犬。
この何気ない田舎の風景にべったりと塗りつけられた絵具。その形に意味があるのかないのか? 全部が好き。
つらつらと自分が感じたことを書いてみたけど、それが正解というわけではないと思う。きっと別の人が見たら別の解釈があるのだと思うし、それも正解というわけでもないのだと思う。もちろん不正解でもない。
以前は現代アートのそいういう部分が苦手だった。見ている人にゆだねられる、もしくは作者の主張を一方的に押し付けられる感じ。でも、今回の「鏡」や「8枚のガラス」など、そこに含まれる風景や人々、そして自分も"作品"になり得る、そして常に変化するというのはとても面白かった。ちょっと見方が変わったかも☺
日時指定制で金曜日の夜間開館時に鑑賞。思ったより人がいたけれど、作品自体が大きいこともあるし、展示に順番はないので見たい作品から見ればいいのでストレスはない。前述どおり人も作品の一部になるので、周りに人がいるのもまたよし。
楽しい企画展だった。
ゲルハルト・リヒター展:2022年6月7日~10月2日 @東京国立近代美術館
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