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【cinema / DVD】『ある殺人に関するテーゼ』

2014-01-12 00:00:00 | cinema / DVD
『ある殺人に関するテーゼ』鑑賞
録画しといた『ある殺人に関するテーゼ』見た。殺人事件ものとして見ると、ここで終わり?!ってなって消化不良だけど、心理サスペンスとして見ると余韻を残した終わりってことで、いいかも。個人的には主人公が正しいと思うんだけど、どうかな?『瞳の奥の秘密』のリカルド・ダリンが良かった!#映画 Posted at 05:12 PM



ネタバレありです!

「元弁護士でロースクール教師のロベルト。彼のクラスに旧友の息子ゴンサロがスペインから留学してくる。授業中、女性の惨殺死体が発見される。ロベルトはゴンサロが犯人ではないかと疑い始めるが・・・」という話。うん。まぁ、おもしろかった。tweetにもあるとおり、ここで終わり?ってとこで終るので、犯人探しの話として見ると肩透かしかも。心理サスペンスとして見たら、まぁこんな感じもありかも?

原題は『Tesis sobre un homicidio』(殺人に関する論文)で、ディエゴ・パコウスキによる同名小説が原作。日本劇場未公開作品を放送するWOWOWの番組枠ジャパン・プレミアで放送。見てみたいと思ったのは『瞳の奥の秘密』のリカルド・ダリン主演だったことと、プログラムガイドによるあらすじから。上記のあらすじは自分で考えて書いたけれど、プログラムガイドの紹介文もほぼ同じ。ただ、ロースクールという部分を見落としていたので、ゴンサロが高校生くらいなのかと思っていた。ロースクールのことがあまりよく分かっていないので、学生たちの平均年齢がよく分からないのだけど、ゴンサロは28歳。個人的にこの時点でちょっと魅力半減してしまった。自分が勝手に高校生くらいだと思い込んで、違っていたからガッカリされても迷惑な話だと思うけれど、ガッカリしちゃったものは仕方ない・・・(;´・ω・`)ゞごめんなさい

何故そんなに容疑者=高校生にこだわっているのかというと、結局犯人が誰なのか結論が出ずに終るから。あくまでロベルトの目線で描かれているので、見ている側としては犯人はゴンサロなんだろうなとは思う。確かに、ロベルトの主張はあくまで状況証拠だし、ゴンサロには前科もない。だけど、ゴンサロが怪しい行動を取っていることは間違いない。こういう場合の常として、何故か周囲の人間は全てロベルトの説を否定する。その際、見ている側にイヤどう見てもゴンサロが犯人だろう!と思わせないと面白くない。で、その際に容疑者となる人物は憎らしいくらい魅力的であった方がおもしろい。あらすじ読んだ時点で自分の中では『少年は残酷な弓を射る』(感想はコチラ)のエズラ・ミラーみたいな美少年を想像しちゃったから(笑) まぁ、ゴンサロ役のアルベルト・アンマンも頑張ってはいたけれど、残念ながらカリスマ性はないかも・・・

ロベルトは元弁護士だけれど、何故弁護士を辞めたのかは不明。説明してたかな? ただ、思い込みで判断を誤ったことがあったらしいので、それが関係している? 今回も、その件があるので、事件の予審判事に信じてもらえないという部分もある。ちみにこの予審判事は、ロベルトの元妻の現在の夫。ロベルトは今でもモニカに未練たっぷりで、留守番電話も2人でメッセージを吹き込んだままとなっている。このことから、ロベルトが思い込みが激しく、執着心の強い性格であることが分かる。授業にしてもユーモアを交えて人気があるようだけれど、結構上から目線で気取った印象。まぁ、講師なのだし生徒に対して上からなのはありなのかもしれないし、本の出版パーティに多くの人が集まる著名人らしいので、やや傲慢な部分はあるのかも? パーティに来ていた昔の教え子(?)をお持ち帰りしてしまうなど女性関係も派手な様子。と、ちょっと嫌なヤツではあるのだけど、不思議とムカつかないのはリカルド・ダリンの魅力かな?

どうやらロベルトはゴンサロの母親とも関係があったそうで、ゴンサロがロベルトが自分の父親ではないかとほのめかすシーンがある。そしてこの母親が重要となってくる。ロベルトは生徒達と距離を置きたいと思っているようで、講義終了の打ち上げに誘われても断ったりしている。ゴンサロは旧友の息子とはいえ、そういう彼の距離感を無視して彼の領域に入ってくる。その辺りに違和感を感じていたところに、犯罪に関する持論を展開するなど、自信家で挑戦的な性格を見せる。元弁護士という観点から、ゴンサロに普通でない感じを抱いたのかもしれない。その後もちょろちょろとゴンサロは怪しい言動を見せる。

よく分からないのだけど、授業シーンに夜が多い。ロースクールって昼間働いている人とかが通うことが多いのかな? 殺人事件が起きたのも夜間の授業中。校内の駐車スペース。女性の遺体が発見される。ロースクールの向かいのカフェの従業員でヴァレリ・ディナターレ。ホルマリンを注射され、レイプされた挙句惨殺された。この時のゴンサロがやけに落ち着いた様子であったことと、被害者が身に着けていた蝶のネックレス、現場に残されていた「彼女に似ている女は殺す」というメモから、ゴンサロが犯人なのではないかと疑いを持つ。蝶のネックレスについては、蝶を例に出して犯罪論を披露したからというのと、このネックレスが別の人物に譲られることになるから。あと、絞殺されたにも関わらず、首に鎖の痕がないため、後からつけられたのではないかということで、警察が考えている通り魔による犯行ではなく、計画的な殺人だと考えたから。

警察署でロベルトは偶然、被害者の妹ラウラと知り合う。彼女の顔を見た時、ある考えが浮かぶ。ロベルトは昔のスライド写真を探し出す。そこに写っていたのは被害者ヴァレリー、そして妹ラウラに良く似た女性。彼女はゴンサロの母親だった。自分が母親とロベルトとの不倫によって生まれたのではないかと疑ったゴンサロが、母親に良く似た女性を殺しロベルトに警告しているのではないか?と考えたというわけ。まぁ、猟奇殺人者にはありそうな話だし、ロベルトがそう考えるということは、ゴンサロがロベルトの息子であることも含めて、可能性が0ではないということなのでしょう。

ロベルトの家には通いの家政婦がおり、彼女はゴンサロの家にも通っていた。この後、留守の間にゴンサロの家に行くという彼女に、料理を作って欲しいと指示し引き留めておいて、彼女の合鍵を使ってゴンサロの家に侵入する。彼の家からドラッグストアのレシートを見つけたゴンサロは、同じドラッグストアへ行き。犯行に使われたゴム手袋、ホルマリン、注射器を購入。67ペソには足りないので、レジ脇にあったゴンサロがいつも舐めているミントタブレットを追加すると、ピッタリ67ペソになる。怪しい・・・

一方、ゴンサロは講義終了時に提出するレポートについて、ロベルトにポルトガルの事件を題材にしようかと思ったが、今回のディナターレ事件にしようと考えていると話す。現在進行形の事件だからと難色を示すロベルト。その夜、彼はネットで検索し、ポルトガルでディナターレ事件に酷似した事件があったことを発見する。この事件の犯人もゴンサロでなないのか? ロベルトは元妻で精神分析医のモニカに打ち明ける。精神分析医からの意見を聞きたいという。モニカには疑わしいところはあるけれど、ロベルトの妄想だと言われてしまう。モニカに未練があるロベルトは午前3時に彼女に電話をかけてしまったり、ここでも嫌味を言ってしまったりと、彼の執念深い一面を強調している。

姉が勤めていたロースクール向かいのカフェで働き出したラウラ。姉の事を聞き出す目的で会ううちに、彼女に惹かれていく。しかし、彼女にはそのつもりはない。ラウラのカフェでゴンサロと食事をしていた際、接客したラウラがゴンサロに興味を持つ。そして2人は急接近する。彼女の身を案ずると同時に、嫉妬心を抱くロベルト。ある日、ロベルトの家を訪ねたラウラは、長かった黒髪をバッサリ切り、事件の被害者だった姉ヴァレリーそっくりの髪型に変えていた。ゴンサロの指示に違いないと確信したロベルトは、彼女を問い詰めてしまう。怯えた彼女は洗面所を使いたいと言い、ドラッグストアで購入したゴム手袋、ホルマリンン、注射器を発見してしまう。これさ・・・ 何でわざわざ洗面所の棚に入れてるかな? レシート検証のために購入しただけなんだから、捨てちゃえばいいのに。ラウラがロベルトに疑いを抱き、自身の身に危険が迫っているにも関わらず、ロベルトの意見を聞く耳を持たなくなってしまうという流れにしたいのは分かるのだけど、ちょっとお粗末な気が・・・

自身がゴンサロの家に侵入したのとは逆に、ゴンサロが同じ手口で自宅に侵入した痕跡を発見したロベルト。本棚においてあった剣モチーフのペーパーナイフが無くなっていることに気づく。ゴンサロが持って行ったに違いない。ゴンサロへの疑いで頭がいっぱいになったロベルトは、熱に浮かされたような状態で、ラウラが通っているというポールダンス(だったかな?)の店へ。熱狂的に騒ぐ若者たちの間にラウラを発見。声をかけるも聞こえず。その時、彼女の背後にゴンサロ。何か尖った物を手にしている?! ロベルトのペーパーナイフ! 我を忘れてゴンサロに飛びかかるロベルト。彼をボコボコに殴ってしまう。

暴行罪で捕まったロベルトのもとに予審判事アルフレードが現れる。ゴンサロは無事だったこと、彼は告訴しないと話したことを告げる。ゴンサロが犯人だと言い張るロベルトに、ポルトガルの件は犯人が逮捕されているというインタポールからの報告書を見せる。それでも納得しないロベルトに呆れ顔の判事。自分としてはここまで庇ったのが精一杯であり、ロベルトが失ったものは大きいと言い残して去っていく。自宅に戻ったロベルトは焼却炉の中で、あのペーパーナイフが燃えている幻想を見て目が覚める。映画はここで終了。

うーん・・・ 多分、映画としてはゴンサロが本当に犯人なのか?全てロベルトの思い込みからくるミスリードなのか、そもそも全て彼の妄想なのかって形にしたいのだろうけれど、正直あまり上手く行っているようには思えないかなぁ・・・ 事件を追っている部分で、ロベルトの妄想であると思わせるような部分があまりなくて、ただ周りの人に「あなたの妄想だ」といわれているだけなんだもの・・・ 前述したけど確かに状況証拠だけで、これだけで犯人だと断定するのは難しいけど、頭からロベルトの説を否定するのも理解できない。ラストにしても全て妄想だったのかー!ガ━━━( ゚д゚ ;)━━━ンって感じのオチではないし・・・ 全て妄想なのであれば、彼が妄想しやすい人物であること、過去にもそういう事例があることを匂わせないと・・・ 確かに、判断ミスがあったと言っているけど、それは妄想によるものなのか、単純にミスなのか見ている側には分からないわけで・・・ 上手く言えないけど見ている側に対する提示が少ない気がする。

個人的にはゴンサロが犯人だったのだと思うけれど、ポルトガルの事件も彼による犯行なのか?それとも模倣犯なのか? 彼が犯人だとしたら、母親と実の父に対する復讐なのか? それとも、犯罪学の権威であるロベルトへの挑戦なのか? その辺りが曖昧・・・ ディナターレ事件自体は通り魔の犯行で、それを利用してロベルトに自分が犯人だと思わせ、全てを失って破滅させることが復讐とも考えられる。でも、それだと犯行が偶然過ぎるし・・・ まぁ、tweetにもあるとおり、犯人探しの話というより、ロベルトが全てを失う心理サスペンスなのだと思うので、そういう面では見ている間は楽しめた。ラストも余韻を残す終り方とも言えるけれど・・・ モヤモヤしちゃったからなぁ・・・ イヤ、そういう映画があっていいと思うのだけど、だったら徹底的に後味悪くしないとねぇ・・・

もう少しサラリと書こうと思っていたのに、思いのほか長文に(笑) 集中力が続かなくて、たびたび動画見たり四川省やったりしてたので、時間もたっぷりかかっちゃった(o´ェ`o)ゞ ということで、キャストについては文中に書いたので割愛!

長々書いた割にはオススメ!!って感じではないけれど、アルゼンチン映画ってなかなか見る機会ないし、見ている間は面白かった。前述したけどロベルト役のリカルド・ダリンが良かった!ロベルトの部屋の家具とかがミッドセンリュリーモダンな感じで好き! 壁一面の本棚憧れる

劇場未公開作品だけど、2014年3月5日にDVD発売が決定したそうなので、興味のある方は是非!

ある殺人に関するテーゼ|映画|WOWOWオンライン


http://twitter.com/maru_a_gogo


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