
今日はテンショナーのゴムが砕けてしまったGPX4バルブの修理をしていた。
いつものように全バラしてから洗浄したんだけど、
まだ傷は浅く砕けた直後にエンジンを止めてくれたらしくテンショナーアーム以外は無事。
ただベアリングはいくら洗っても鳴きが止まらないから潔く交換する。
ベアリングは普通無音で回るはずなんだけど、
少しでもシャーみたいな音が出たら交換して構わない。
開放型なら4つ買っても1500円くらいなもんだしケチケチするような物じゃないよ。
しかし、エンジンを開けてみると本当に色々な事が分かり、
使い方やメンテ状況なんかも分かってしまうから、
電話やメールで説明してくれてもそうでなくても機械は無言で語ってくれる。
このエンジンの場合距離を走るとクラッチの切れが悪くなるらしく、
ついでに確認したんだが、クラッチの中にオイルが浸った形跡が無く、
どうやらオイルが少なめで走っていて熱で切れが悪くなり、
あげく1年もしないうちにクラッチが減って交換時期。
ケースやクラッチカバーの中に凄い量のスラッジが溜まっていて不思議に思ったんだか、
クラッチプレートが減り遊びが多くなり凄い遊びの量。
たぶん最近ではクラッチがほとんど切れなかったんでないかな。
じゃあこのエンジンのオイルの量なんだが、
ゲージで測れば一目瞭然なんだけど、勘違いしてる人が凄く多く、
レベルゲージは締め込んだ状態でオイルの量を見るんではなく、
バイクを水平にして差し込むだけで量を確認する。
これはホンダのバイクや車は全てこうやって量を確認するんでないかな?
言い切れはしないがこのエンジンに限ってはゲージを締め込んで確認するとオイル不足気味になってしまう。

分かりやすいようにクラッチを裏側がら撮影してみたんだけど、
ゲージは締め込んでおらずに差し込んだだけがコレ。
ゲージの上まで入れればクラッチはオイルに浸るのが分かってもらえると思うし、
しかも下側が軽く浸るくらいだからクラッチがオイルを巻き上げて上の方まで潤滑出来るのが分かると思う。

これはゲージを締め込んだ状態。
クラッチのギアはなんとかオイルに浸るがクラッチプレートまでは潤滑出来ず、
オイルが巻き上げたとしても中までは潤滑出来ないから、
ほとんどドライの状態で使われていた事になる。
このエンジンの場合はゲージが無くブリーザーの蓋がされていたんだけど、
それでも流石にオイルの量はゲージで確認していたとは思うんだが、
結果としてクラッチプレートがもう寿命だからオイル不足だったんだろう。
じゃあ具体的にオイルの量はゲージで測らない場合どれくらい入れるかなんだけど、
私の場合かなり多めで900ccくらい入れてると思う。
ここまでだとクラッチは半分くらいオイルに浸る事になるが、
実はここまで入れても抵抗は増えすぎる事も無く、
もっと言えば別にレースしてる訳じゃないから多少多くても構わないし、
前に1リットル入れて走った事があるが別に何て事はなく普通だった。
ちなみにここまで入れると注油口から油面が見えるから、
やはりこれは入れ過ぎだよね(笑)
私はオイル交換の場合、エアーをエンジンの中に吹いているから出て来る量も多いからあまり参考にならないが、
まず700ccから800ccくらいいれておけばこれでも多いくらいだし、
1リットル入れてもちゃんと動きます。
それに私の所に依頼してくれた方々はこのエンジンを絶対に競技では使っていないはず。
競技用エンジンなんてレース毎にフルオーバーホールするに決まってるし、
もしレースに使うならレースに使うと必ず申告してくれるはずだから。
それとモンキーのオイルの量は600ccってネットで調べたら書いてあったけど、
これは1時側クラッチの場合でGPXみたいな2次側クラッチとは状況が違うし、
第一モンキーは排気量50ccに対してGPX125はその2.5倍。
同じメンテ方法で良い訳がないのだ。
まぁただ、私もオイルの量までは細かく説明した訳じゃなかったし、
まさか乾式クラッチみたいな使われ方されるとも思っていなかった。
もっと説明文を追加しなきゃならないかもしれないかなぁ…