中日新聞の「くらしの作文」に「木の戸」というタイトルで、83歳の女性が投稿されていました。
居間の建具に、風も日の光も通さない木の戸があります。
六十年前、私がこの家に嫁いだ時にはありました。
義母が固く絞った雑巾で拭くことを教えてくれ、その仕事をバトンタッチされたことは言うまでもありません。
木の温もりが好きで、楽しんで拭きました。
夫は三代目で、初代のご先祖様が本家を出る時に建ててもらった家でした。
三人の義弟もいて「姉さん、姉さん」と慕ってくれて、とても嬉しかったです。
時代の流れで、土間にあった竃(かまど)が消え、フローリングの床に流し台、ガス台、炊飯器が並びました。
大きなテーブルで楽しい食事もできました。
家のリフォームもしましたが、居間の木の戸は貫禄十分で、デンと立っていました。
義弟たちが家を離れていく寂しさがあり、義父母を見送る悲しさが続きました。
子どもたちも成人して、それぞれの道を歩み始めてくれると、夫と二人の生活になりました。
時々帰ってくる子や孫の顔を見るのが一番の楽しみでした。
十年前、夫が旅立ってからは、子どもたちに支えられての一人暮らしになりました。
優しいご近所さんには毎日感謝しています。
この家と私の人生を見守ってくれた木の戸を前に、これからも見守ってくれることを願い、固く絞った布で丁寧に、丁寧に拭こうと思っています。
以上です。
まさに理想のお嫁さんですね。
世の中には、こんなお嫁さんがいるんだ。
>義母が固く絞った雑巾で拭くことを教えてくれ、その仕事をバトンタッチされたことは言うまでもありません。
義母さんは、やっとこの仕事を譲ることが出来て助かったと思われたのでは?
木の戸って、どんな戸なのかな?

こんな戸なのかな?
よく分かりませんが、固く絞った雑巾で、毎日拭かれたなんて。
大変な作業だと思うのですが。
>三人の義弟もいて「姉さん、姉さん」と慕ってくれて、とても嬉しかったです。
普通なら小姑なんかと一緒に住むのは、嫌がられると思いますが。
>義弟たちが家を離れていく寂しさがあり、義父母を見送る悲しさが続きました。
そうなんだ。
小姑はいなくなるし、義父母はいなくなるしで、やっとのノンビリ出来るのに。
寂しがったり、悲しんだりしていらっしやるなんて。
私には信じられないです。
この投稿者さんは、私の想像外の女性でした。
片想い 森山良子 1973