中日新聞に下記の記事が載っていました。
中日春秋
2023年7月26日 分
辞書によると「文弱」とは文事ばかりにふけって弱々しいことをいう。
戦時中は体力自慢が威張り、自分のような本好きの子は「文弱」といじめられたと作家森村誠一さんは振り返る
▼登校時の手荷物検査で、愛と金銭の話をかいた尾崎紅葉の『金色夜叉』が見つかり「国家非常時に、このような軟弱な小説を読むとは」と没収された。
書店に本はなく、何とか入手しても言論統制下で伏せ字だらけ。
終戦を迎え大人の多くは泣いていたが、自分は「自由に本が読める」と喜んだという
▼訃報に接した。社会派ミステリー『人間の証明』などで知られる人気作家は、戦争と向き合い続けた人でもあった
▼旧日本軍「七三一部隊」の細菌兵器開発のための人体実験を告発したノンフィクション『悪魔の飽食』で無関係な写真を誤って掲載。
「国賊」と街宣車に怒鳴られ「写真がインチキであるから、内容も噓(うそ)にちがいない」と筆を折るよう唱える識者もいた。
それでも、写真は誤ったが書いたことは真実だとして引き下がらず続編を書いた。
文弱とは到底言えぬ腹のくくり方である
▼こんな文が残る。「これからの未来に、好きな本を好きなだけ読み、書きたいことを書いても、『文弱』と称(よ)ばれるようなことはないであろう。もしそのような事態が再来したとすれば、戦争によってなにも学ばなかったことを意味する」
▼箴言(しんげん)と思える。
以上です。
私は以前 森村誠一さんの小説をよく読みました。
「人間の証明」や題名は忘れましたが、各種ミステリー物を。
「悪魔の飽食」は、残念ながら読んでいません。
戦争の悲惨さをよくご存知の方がまた亡くなりました。
最近の日本の右翼化にブレーキをかけて下さる人物がなくなってしまった事が残念です。
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