まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

敦賀におります

2009年09月12日 | 旅行記D・東海北陸

今夜の記事は、福井県は敦賀駅前のホテルからの書き込み。

明日13日、敦賀で行われるプロ野球BCリーグ、福井ミラクルエレファンツ対富山サンダーバーズ線の観戦と、その前の敦賀の港町歩きが目的である。BCリーグの試合は16時開始のため、明日の昼前に尼崎を出発しても間に合うところであるが、ゆっくりしようということで、出張でいうところの「前泊」で敦賀にやってきた。

新快速なら大阪から2時間のところ、久しぶりにクルマを外に連れ出そうということと、敦賀の球場はクルマでなければ行けない場所ということで、今回はドライブとする。大阪から敦賀までは130kmほど。昼間に所用で大阪市内中心部におり、13時前に出たが、何も高速道路に乗らなくてもいいだろうということで、カーナビで「有料回避」を選択。

カーナビというのは頭がいいのか融通が利かないのか、大阪から敦賀に行くのに宇治や京都の伏見の狭いところを通らせる。おまけにそこが強雨の中での大渋滞と来ている。何で好き好んで「六地蔵」という駅前を通らなければならないのか。でもまあ、山科から大津に出て、湖西道路から国道161号線を走るころには、雨は強いもののクルマの量は少なくなり、結局4時間ほどで敦賀駅前に到着。

Dscn3192_3さて、港町の敦賀である。駅前通りに面した「まるさん屋」に入る。実は2週間前の総選挙前後での金沢遠征の帰りに途中下車で入ったところであるが、なかなかよいところだったため、今回はリピーターとして入店する。関西から近い北陸の港町。よろしいですな。

Dscn3193_2街の居酒屋と比べれば値段のほうは張るのでそう毎日入れる店ではないのだが、たまに出張って来る分には若狭の味を堪能できるということでお勧めである。甘エビ、鰆の炙り、「さんのじ」などの載った刺身の盛り合わせもいける。

Dscn3195また、若狭の名物といえば鯖のへしこ。少々塩味がきついのだが、足の速い魚を保存食として風味よく味わえる一品である。食べすぎはカラダに毒だが、鯖のへしこと地酒というのはよく合う組み合わせだ。注文した酒が永平寺近くで作られている銘柄というのも妙な感じだ。

Dscn3198このほかの若狭の味となれば、これからが旬の若狭ガレイ。煮付けにしてもらったが、なかなか身が厚く、食べ応えがあった。これだけのものをいただければ十分に満足である。

さて、食後は散歩を兼ねて街並みをぶらつく。まだ19時半を回ったばかりだが人通りはほとんどない。路地を入ればスナック街もあり、大陸の人と思われるホステスと同伴出勤の姿も見られるのだが、地方の港町の駅前はこんなもんだろう。

Dscn3199駅前から20分ほどで港に出る。目の前には「敦賀港駅」という木造駅舎。現在は北陸線と小浜線の要衝であるが、かつては大陸との連絡船も出航していたところ。鉄道の開通も早かったところで、交通に興味のある向きには結構うならされる街である。旧駅舎は観光案内所や鉄道資料館として開放されているようで、また明日の午前中に訪ねることになるだろう。

Dscn3201このあたりは金ヶ崎緑地として整備されており(かつては引込み線やらなにやらで殺風景だったのだろう)、ボードウォークの桟橋が延びていたり、レンガ造りの倉庫も保存されており、ムードあるところとしてデートコースには持ってこいだとは思うのだが、昼間に雨が降っていたからかどうか、カップルはおろか人の気配も感じられない。こんなものなのかな??

Dscn3203しばらく歩くとコンテナが積み重なる一角にやってくる。こちらはJR貨物の敦賀港駅だ。コンテナ駅を見ると、かつて通運部門としてJR貨物関係の業務に従事していたこともあり、やはり今でも血が騒ぐものを感じる。

残念なことに敦賀港駅は今年の春で貨物「列車」の運転を取りやめており、現在は「オフレールステーション」として、トラックによる代行運転が行われる基地となっている。本当はいけないのだろうが、ちょいと線路脇から身を乗り出して、少し前まで走っていた貨物列車の姿に思いをはせつつ、残された線路の感触を味わう。

敦賀港駅で思い出したこと。通運部門で働いていた時のことだからもう10年以上前の話になるが、「つるがーみなとーコンテナーです。ちゅーけーわくの件で電話しましたがー、○日の梶ヶ谷から竜王の××列車は空いてますかー」という、女性からの電話を受けることがたまにあった。「ちゅーけーわく」というのは「中継枠」のことで、要は貨物列車というのは「全国の列車の指定席をいかにつないで、コンテナ貨物を目的地の駅までレールに載せることができるか」というのが肝心で、各駅の担当者の発送担当者の多くはこの「輸送枠取り」に業務の半数以上のエネルギーを費やしていると言っていいだろう(これはJR貨物の予約システムのIT化が進んでも根本的に変わっていない)。

すべてが思い通りにルート選定ができればいいのだが、自駅からの「押し出し列車」ではなく、途中の乗り換え駅(ここで列車を乗り換えるのを「中継」という)から先の列車というのは、どこかの通運業者やJRが「指定枠」ということで「年間指定席」を持っていることが多く、「その日はその列車のルートに空きはありますか?どうですか?」ということを聞く必要がある。本数が少なく、連結する貨車の台数が少ない列車となれば全国の通運業者からその「指定席」を持っている通運業者あてに毎日のように照会の電話がかかってくる。敦賀港の場合はJR貨物が調整を行っていたようだが、その女性というのは独特のしゃべりのためか業界では「知る人ぞ知る」という方だった(とはいうものの、その人の名前が何で、どういうルックスなのかは謎なのだが)。今でも果たして現役でやっているのかな???

Dscn3215夜の潮風に吹かれながらしばし昔の思い出に浸り、駅前に戻る。今夜はゆっくりと大浴場につかり、明日もまた街歩きということになる・・・・。

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そんなにもいるのか

2009年09月11日 | ブログ

・・・というのは、日本の「100歳以上」の方たち。昨年から4000人ほど増えて、統計以来初めて4万人を突破したという。

これを多いと見るか、少ないとみるかは見解の分かれるところだろうが、4万人超えといえば地方の小さな市くらいの人口はあるし、甲子園球場で行われる西宮球団の1試合の観客動員、大正ドームでのオリックス・バファローズなら平日の3連戦の観客動員というくらいの規模か。

さらにいえば、100歳以上の人口は10年前と比べても3.6倍、今後はより速いペースで進むと言われている。少子化が問題視されている中で、改めて高齢化社会というものを実感させるデータである。

テレビのニュースでもこのことが流されていたが、有識者のコメントとして「日本食と食の欧米化がちょうどよいバランスで取り入れられていることも長生きの秘訣ではないか」とあったのに注目。

昔ながらの日本食というのは確かにヘルシー、健康食というイメージがあるのだが、一説では「動物タンパク質が足りない」と言われている。その中で、3食毎度毎度というわけではないが、食生活の欧米化の影響をほどよく受けたことで動物タンパク質も適度に取り入れることができ、栄養のバランスがちょうどよくなったために長寿につながっているのではないかということである。

さて、現在の日本人の食生活はどうか。

これはDM患者として入院した際の院内講義で聞いたことなのだが、昔の日本人と現代の日本人(100年くらいの時間差での比較なのだろうが)とでは、「摂取カロリー」そのものはさほど変わっていないというらしい。では何が違うのかといえば、食生活の変化によって同じ量のカロリーを摂取するにあたり「どの食物から、どれだけ摂取するか」というのが違っていること。これは、食べるもの、そして食べるスタイルの変化も含まれる。そして、日常での運動量(これはスポーツをする、ということではなく、交通の便が発達した、機械化が進んだために自分の体を自然に動かす機会)が格段に違うこと、精神的ストレスが確実に強く感じられる社会になっているということになる。

つまりそのことが内臓脂肪型の肥満を増やし、それがDM患者の増加の一因にもなっているということをはっきりと述べられた時はドキッとした。カロリーが似たようなものでも脂肪分や塩分、糖分が多い、自然食品よりも加工食品が圧倒的に増える・・・・考えるまでもないことかな。

一方では医療技術の進歩も大きなものがあり、昔は難病とされていたものでも治療によって悪化を遅らせたり、治癒に向かうことが増えている。だから今後も平均寿命が延びるということは十分考えられるのだが、一方では、ある世代を境目に平均寿命が縮まるのではないかと思っている。それは、上に述べたような理由から。人間の持つ基礎体力というのかな、自然に適合する力や抵抗力というのが逆に衰えるのではないかということで。まあ、私がそう思っているくらいなのだから、世の人はもっと心配して、今から対策を打とうととっくに乗り出していることだろう。

私なんぞ無茶なことばかりやっていたのでは、確実に平均寿命を下げる側に回ってしまうな・・・。それはいかん。量のこともあるがそれ以上にバランスというのかな、なるべく規則正しい食生活を心がけるようにしなければね・・・・(「左党の楽しみ」はどっちに持っていこうかな??)。

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サブマリン、新潟に上陸か

2009年09月09日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

9日の試合でも楽天に敗れたオリックス・バファローズ。これで今シーズンの負け越しが決定するとともに、最下位へのカウントダウンも始まった。

そんな中、スポーツ紙の記事にて、オリックスの来季監督に、阪急の大エース・山田久志氏の就任が濃厚という報道がなされた。その前日は元阪神の岡田彰布氏の名前が挙がっていたところでの急展開である。

ついに、というか、ようやく、あのサブマリンが関西に帰ってくる。

これまでほとんど毎年繰り返されているオリックスの監督交代劇。その中で、「誰か忘れてやせんか?」と思っていたのだが、ようやく実現しそうな雰囲気である。オリックスの投手コーチ、中日のコーチ・監督、WBC日本代表のコーチと、指導者としての実績もあるところで、どのようなチームづくりをするのか楽しみである。

さて、野球関連の話題でもう一つ気になったこと。今年「ハードオフ・スタジアム」が完成し、久しぶりに県内でNPBプロ野球の公式戦も行われた新潟県の泉田知事が「2012年を目標に、新潟にプロ野球球団を誘致する」ということを県議会で述べたという。

新スタジアムの完成、日本海側にNPBのチームがないこと、地域の活性化・・・・球場使用料を安くすることで球団を誘致し、「常打ち」のスタジアムとすることで資産の有効活用を狙ったものとされる。

で、現在12あるNPBプロ野球の球団の中から「誘致」ということになれば、地域性や人気度、その他の要素を見渡すに「横浜かロッテかオリックス」ということになる。中でも「地元での人気のなさ」という点ではダントツのオリックスがその対象ではないか、というのがネット上での大筋の意見という。

かつて札幌にドーム球場が出来たとき、「プロ野球を誘致する」ということで名前が挙がっていたのは、ヤクルトと日本ハム。いずれも「圧倒的に巨人の人気が高い(とされている)東京で埋没しかかっている球団」ということだったのだが、結局日本ハムが札幌に新天地を求め、それが現在の成功につながっている。楽天が仙台に本拠地を置いたのも成功例。その伝で、新たな地域にフランチャイズを求めるという選択肢も出てくるのかな・・・。まあ、オリックスと近鉄が合併したというのに、そのうえ関西からパ・リーグの球団がなくなるともなれば、今度はファンが容認しないだろうが・・・。

P7122085現在新潟ではBCリーグのアルビレックス新潟BCが「県民球団」として頑張っているが、知事の目から見れば「物足りない」のがあるのかな。いくら新潟の人たちが応援したところで、独立リーグということで1試合の入場者数は1,000~2,000人くらい。これはその程度のキャパしかないのか、NPBとなればもっと増えるという見通しがあるのか。

個人的には、知事にはまず「BCリーグをもっとアピールする」という発言をしてほしかった。NPBの市場は確かに魅力的だが、他の地域のものを持ってこなくても、自前で育成しようとしているリーグや球団があるのだから、まずはその魅力をアピールしたほうがよいのではないだろうか。オリックスと近鉄の合併騒ぎの折、「新球団を北陸に」ということで金沢の人たちが動きかけたことがあったが、「自分たちでリーグを作ったほうが面白いのではないか」ということでBCリーグの誕生につながったこともあったし。

「それでも」ということであれば、現在NPBの球団がない北信越と四国で1球団ずつ、「新球団がNPBに参入する」ことをもう一度働きかけることをすればどうだろうか。障壁はものすごく高いものがあるが・・・。

それはともかく、ハードオフ・スタジアム。私の楽しみの「球場めぐり」の今後のリストにぜひ加えたいところである。いつの日かこの球場で猛牛マークを見ることになるのかどうかは置いておくとして、観戦に訪れたいものだ。

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通院結果

2009年09月08日 | ブログ

8日は会社を早退させていただき、かかりつけの糖尿病専門医のもとへ。

こちらでは当番制を敷いており、主治医として担当してくれている先生がいるのだが、何と発熱のためにお休みとのこと。まさかインフルエンザではないでしょうな・・・。まあ、他の先生でもカルテを見ればきちんと診察はしてくれるから問題ないのだが、患者さんの中には先生との相性で主治医を「指名」する方もいらっしゃるとか。

これは入院生活中でも感じていたことなのだが、糖尿病専門医というのは直接手術などで手を下す、というよりは、生活習慣や時にはメンタルな面まで含めた「患者にとってのカウンセラー」という側面が強いと思う。だからか、その先生が休みということに対して受付嬢にえらく文句をいう患者もいたりする。

さて、採尿、採血を行った後しばらくして、代わりの先生の診察を受ける。この先生も入院中に顔を合わせたことがあるので特に不安というのはない。

本日の結果は、血糖値(空腹時)103は自己測定中でも2ケタはよくあることだから「まあ、こんなもんかいな」と思っていたが、HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)が6.7%だった。

思えば2ヶ月ほど前に初診で訪れたときはHbA1cは12%超え、そして退院後の先月中旬では9.1%だったのが、今回が6.7%。理想が5.8%未満で、6.5%以下なら「まあ良好でしょう」というレベルに一気に近づいたのは自分でもビックリ。ものの本ではこの値を1%下げるだけでもなかなか難しいと言われているが、これには先生も「こういうコントロールが可能ということで、院内講義でサンプルで使ってもいいくらい」と感心していた。

ただ、これでまだ安心というわけでもないだろう。とりあえず、これまで処方していたインシュリンの継続を申し出て(先生は「どっちにしようか?」と迷っていたようだが)、毎食前(朝4単位・昼2単位・夜4単位)打っていた超速効型の注射を、朝と夜のみ2単位ずつに減らし、昼食前については取りやめることになった。これで、職場での昼食前に別室にこもって注射をする負担が軽減された。そして持続型の注射を夜に6単位(現状維持)、それに飲み薬という布陣に変更となった。最初に8単位ずつ注射していたときのことを思えばかなり改善である。

自分で少しずつ取り組んでいる食事・運動療法はもちろん続ける必要があるし、一度下された糖尿病というものは今後治るものではなく「基礎疾患として一生ついてまわる」ものだ。ただ、長い治療期間だからこそ自分で「どうつきあっていくか」ということを考えることが必要で、入れ込むところは入れ込むが、抜くところは抜くこともマスターすることになる。女性とではなく病気と付き合うというのは、ちょっとアレだけど・・・。

この後は急激に数値がよくなるということはなく落ち着いていくとのことなので、後は悪くならないようなコントロールを心がけていこう・・・!

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残暑のスタジアム~オリックス対ロッテ観戦記

2009年09月07日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

半月ぶりのオリックス・バファローズの観戦記である。

Dscn31296日、このブログでもおなじみの大和人さんと、旅のサークル(今季限りでの退会を予定しています)でもご一緒の鈍な師匠さんとともに現れたのはスカイマークスタジアム。もう9月というのに残暑が厳しく、腕などが思いっきり日焼けしそうな晴天である。山間に位置する球場らしく自然の風も心地よいのだが、太陽の照りつけも厳しい。場内放送では熱中症への注意が何度も流されていた。

この組み合わせでは4月末に神戸での日本ハム戦を観戦したのだが、その日はローズが1試合3発の離れ業を披露して日本ハムに圧勝、この日はどんな展開となるだろうか。

対戦相手は現在熾烈な「最下位争い」をしているチーム同士である千葉ロッテマリーンズ。6日の試合でオリックスが勝てば再び5位浮上だが、もはやクライマックスシリーズに駒を進めることもほぼ絶望的となったチーム同士の対戦である。まあ、すばらしいプレーや、鈍な師匠さんがナマで初めて目にするというロッテファンの独特の応援風景を楽しむことにする。

Dscn3080今年限りで退任が決定しているロッテのバレンタイン監督。監督にとっては神戸でのラストゲームになる。ナインも、燃えるところがあるだろうか。

Dscn3096オリックスの先発は小松。防御率もよくないし、たまに少ない失点で粘投するかと思えば打線がつながらないと、どうも野手とのリズムが合わないのかなという気がする。メンバー発表時のアニメでは最後に「キター!!」で締めているのだが、内容が伴わない。

Dscn3101その小松、初回先頭の早坂にレフト前のヒットを許すと、続く井口に甘く入ったボールを軽々とレフトスタンドに運ばれる。これで2点先制。レフトスタンドに陣取ったロッテファンから大きな歓声があがる。その応援風景には師匠さんも感心のご様子。

Dscn31091回裏、オリックス打線も反撃。坂口、カブレラのヒットで1・3塁のチャンスをつくると、4番ローズが泳いだバッティングながらライトへ大きな当たり。犠牲フライとなって2対1と詰め寄る。しかしこの1点どまりで、ロッテ先発の小野を捕らえきれない。

2回は両チームとも簡単に凡退したが、暑さのせいで緊張が切れたのかと思われたのが3回表。塀内、早坂といったところが粘ってヒットで出塁。その後2死3・2塁となって迎えるは4番大松。前回「大坂夏の陣」でロッテ戦を観戦したおり、9回に逆転となる2ランを小松から放った大松(最後は「名前の大小の差」と分析した試合)であるが、その時の残像があったのか、2ボールとなったところで勝負を避け、満塁策。

Dscn3103ここで迎えるのはベニー。ジャンプしての応援風景を面白く思っていると強い打球音がした。打球はこちらがあきれ返るくらいの速さでレフとスタンドに飛び込み、グランドスラムとなった。6対1。この後、追加点にはならなかったがフェルナンデスと阿部が連続エラーをやらかし、どうも野手陣の緊張の糸が切れたかのように見えた。

Dscn3139ロッテ打線は大量失点の前日のお返しとばかりに攻撃の手をゆるめず、今度はベニーを敬遠した次の橋本がタイムリーを浴びせるなど、中盤までに合計11点を奪う。7回には井口にこの日2本目(自身5年ぶりという)の本塁打。オリックスも下山、ローズのソロ本塁打(野手陣で奮闘が目立ったのはこの2人)が飛び出るものの焼け石に水。攻撃もチグハグな印象だった。

Dscn3167結局12対4でロッテの圧勝。両チームの差は2となり、オリックスが結局最下位マジック点灯かというところまで来てしまった。

Dscn3177さて、先に触れたように、ロッテ・バレンタイン監督にとっては神戸でのラストゲーム。ベニーのインタビューが終わると、ランペンコーチとともに興奮さめやまないレフトスタンドに向かい、帽子を取ってこれまでの声援への感謝の気持ちを表していた。その采配面は疑問符のつく評価もあるようだが、ロッテファンが現在のように熱くなり、マリンスタジアムのスタンドが埋まるようになったのはこの指揮官のサービス精神も大きく貢献している。これにはまだ残っていたライトスタンドのオリックスファンからも拍手が起こる。

Dscn3181ロッテファンにとっても神戸でのゲームはこれで最終。最後は最下位争いが激しい両チームの応援団にそれぞれエールを送る形で、ライト側からは「L・O・T・T・E Oh~ロッテ!」のコール、レフト側からはタオルダンスの披露。こういう光景が見られるのもパ・リーグならではだと思うし、こういう侠気のあるところが「ロッテファンのファン」という人たちを呼ぶ。

Dscn3190残暑厳しい中、オリックス側からすれば寒い試合内容だったが、最後には温かさというものを感じることができた、そんあ試合である。私たちにとっても神戸は今季最終戦。神戸撤退の動きがある中、この後何回このスタジアムに来ることができるだろうか。しばし余韻にふけるのであった。

この後は三宮に出て焼き鳥店に入り、お互いの慰労と闘病生活の中の息抜きを行う。ブログで闘病記を綴る大和人さんもそうだが、師匠さんも実は病気持ちで今年入院していた時期もあり、それぞれの快気祝いでもある。その中で出たのは「病気と闘う」というよりは、この混沌とする現代社会の中で「いかに病気と上手く付き合うか」ということ。先も長いしね。

夏の終わりに、またスタジアムでの熱戦を観よう(あと、ストーブリーグもね)、そう約束したのであった・・・・。

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ブログとはそういうものではないですか?

2009年09月06日 | ブログ

DM患者としてどのように生活改善を行っていくか、血糖値をどうコントロールするか。症状や生活環境は人それぞれで、その方たちの体験談というのは「自分の状態に近いものがあるな」「こういうやり方があるんだな」といろいろと参考になるものがある。

糖尿病については多くの専門家がさまざまな書物を出版しているし、私も現在何冊かの本で研究中である。また、ネット社会ということで同じDM患者の方のブログなど拝見し、こちらは病気の実態を知るうえでの体験談に満ちあふれている。血糖コントロールについて自分できちんとした計画を立てて実践している人、合併症と闘っている人、ちょっと挫折しかかっている人・・・そういう「教科書にはない声」をブログで知ることになる。

例えば、糖尿病の「食事療法」では、私がお世話になっている専門医を含め、日本糖尿病学会の「正論」は「カロリー制限」に重きを置く。ただ、ネットで発信されている情報では圧倒的に「糖質制限」や「カーボカウント」が効果的という声が高い。食べ物をコントロールするにあたって、糖尿病的にはどちらが有効かという話である。

これについては「どちらが正しい」とは一概には言えないのではないだろうか。あまりに「糖質制限」だけを前面に出しすぎると「そしたら、肉や魚は食べ放題なんだ」と右から左に極端に解釈しすぎて高カロリーなものを摂ってしまう人も出るだろうし。私のように「減量」が懸案事項となっている場合は「カロリー制限」まずありき。その中で特に食べる量の多かった主食を「必要単位数」の範疇に抑えてカロリーを減らしていく(肥満している人って、たいていこの主食量が「必要単位数」を大きく上回っているから)ことを指導されている場合だと、・・・・何や、結局目指すところ、やることは同じとちゃうの???

この「どちらが有効か」ということについても多くの人がブログで体験談をつづっていることで、これからもいろいろと参考にしたいところである。

さて話は変わるが、ブログを書く者として疑問に思った出来事。

先の総選挙で新潟県の選挙区から当選した民主党の議員のブログに当選の「お礼」の記事があり、これが公職選挙法で禁止されている「自筆の手紙を除いて選挙後にあいさつ文書を配布・掲示すること」に触れる可能性があるというものだ。新聞社の指摘で明らかになり、選管もそのような解釈をしているとか。当該議員が問題とされた記事を削除することで「お咎め」はなかったようだが・・・。

今やブログにて何がしかの情報を発信したり、日記をつづって自分の姿を残すのが一般的な行為として行われる時代。その議員にしたところで、当選したのだからブログで当選を報告し、今後の抱負を述べるうえで、「お世話になりました」くらいのことは書くでしょう。それは活動報告と自分の意見を発信するブログの中で触れなければ、逆に不自然なものになる。

ブログとはそういうためにあるのではないかな???

私もこのブログにアクセスしてみたが、9月2日付の記事が「8月29日の選挙区での最後の訴えで言ったことの引用」になっている。時計の針が戻され、何とも不自然な感じになっている。法に触れる恐れのある行為はよろしくないにしても、こと公職選挙法とネットの関わりについては現在となっては法のほうが分が悪いだろう。

次の与党内では「ネット選挙是認派」が多いようだから、そのあたりの改善を期待したいものである・・・・。

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越美北線と日本海の幸

2009年09月04日 | 旅行記D・東海北陸

Dscn3029特急「雷鳥」号を福井で降り、昼食をということで改札を出る。ただし向かったのはどこかのレストランなり定食屋ではなく、コンコース内の立ち食いそばのコーナー。駅そばの中でも有名な「今庄そば」で昼食とする。

Dscn3031福井の駅そばは結構評判で、現在の高架駅ではなく地平の駅舎のスタンドで食べた時は結構味わい深かったように思うのだが、こういう高架駅舎になると化学的な成分は同じはずだがどこか味気なさを感じる。わざわざ特急の車内で超速効型のインシュリンを注射してまで食べるほどではなかったかな、と思う。

食事の後、すぐにホームに戻り、下りホームの半分を切り取った2番乗り場に陣取る。これから、福井を始発とする越美北線に乗ろうというつもり。かつて一度だけ乗車し、途中の一乗谷に向かったことがあるのだが、久しぶりの路線である。この前の週に、岐阜県は美濃太田を基点とする旧・越美南線(長良川鉄道)に乗車しており、途中で寸断されそのまま凍結されることになった「南北線」に顔出しをしようというものである。

おそらく小型の気動車1両がやってくるものと思われるが、「青春18」のシーズンでボックス席に座ろうと思えば遅くとも20分前に乗車口に並ぶ必要がある。始発で座れなければそのまま終点まで立ち詰めというのも覚悟しなければならない。本数の少ない路線の昼の便となればなおさらだ。それだけ、今やローカル線は賑わっているし、席取り合戦は厳しくなっている。そのうち、徹夜しなければローカル線に乗れない日が来るやもしれない(←さすがにそこまではないかな・・・・)。

Dscn3034やってきたのは果たして1両の気動車。ドアが開くと乗客が殺到し、ものの10秒と経たないうちに座席が埋まる。私も何とか辛うじてボックス席に座ったが、何の因果でこのような狂騒にならなければならないのかと思う(それが自分勝手な言い分ということは重々承知しておりますが・・・)。

立ち客も大勢出る盛況ぶりで出発。越前花堂で北陸線と分かれ、郊外の田園風景に入る。郊外型の大型店舗や住宅も目立つが、その内に黄金の稲穂が一面に広がるようになる。福井のコメといえばコシヒカリ。そろそろ収穫が待ち遠しいところである。

Dscn3044さて越美北線といえば「九頭竜線」の愛称があるように、時折近づいてくる九頭竜川も車窓を彩る。乗客の多くは青春18利用の「タダの客」のようで、右に左に展開する九頭竜川の流れに体を動かして眺めている。いかにも日本の里山の風景がそこに流れている。

Dscn3057福井から1時間ほどで、盆地に広がる城下町・越前大野に到着する。町の入口には小山に立つ越前大野城の天守閣も見える。ここで半数の客が下車する。散歩するにはちょうどよいサイズの町ということで、ウォーキングスタイルの客の姿も目立つ。以前に乗車した時は素通りだったので下車してもよいのだが、今回も終点・九頭竜湖駅を目指すということでそのまま乗車する。車内には「その筋」の客の割合が増えたように見える。

末端区間は山の向こうの越美南線と結ばれるために掘られたトンネルが続く。こういう近代的な区間もある一方で、大雨のために九頭竜川が氾濫し、長期間不通になったこともある。結構カネがかかっている路線の割には、「乗って残そう」と叫ばなければならないのも何だか矛盾した話だと思う。

Dscn3052終点の九頭竜湖着。線路はこの先少し伸びているが、頑丈な車止めで遮られており、もはやこの線路が美濃の国に至ることがないことを示している。

ただ、南線側の終着駅・北濃に比べれば、終着駅につきもののわびしさというのをさほど感じさせない。それは駅舎自体がログハウス風に造られていることもあるし(かつてはコンクリートむき出しの殺風景な建物だったらしいが)、観光案内所や道の駅と併設されていることで、クルマやバイクでの訪問者が多いことからだろう。実際、列車折り返しまでの時間で外に出たが、遅い昼食をとったり、地元の農作物の販売コーナーで買い物する客で賑わっていた。私も越前そばに山菜のパックなど買い求め、土産物とする。

Dscn3049ローカル線の終着駅に「越美北線でやってきた」客に進呈される「到達証明書」。やはりこういうのがあるとうれしいな。

20分足らずの時間だったが終着駅でのひと時を楽しみ、折り返しの列車に乗車。途中でハイカー風の人も乗せ、越前大野に戻る。当初のプランでは、ここで列車を1本落として城下町めぐりをしようかと思っていたのだが、結局そのまま乗車する。このところ朝極端に早い時間に起床する日が続いており、そろそろ疲れを感じるようになったこともある。もういいやと思うと後は眠気が襲ってきて、目が覚めると終着の福井が近かった。

Dscn3060これから北陸線を南下するが、福井から途中の武生までの列車は、寝台電車改造の車両。さすがに昼は座席特急、夜は寝台に変わるという座席のためにゆったりしている造りで、鈍行列車の旅の中では好きな車両の一つである。

Dscn3062今や全国的にも希少価値のある車両で、これに乗ると北陸線全体の旅の印象も良くなる。武生まで20分ほどの乗車だが、乗客も少なくゆったりとした気分を味わう。

武生で少し時間待ちをして、後続の敦賀行きに乗車。金沢始発のこの列車、敦賀で新快速に接続することもあり、往路ほどではなかったが青春18利用の客で座席もほどよく埋まっていた。

さて、このまま少しでも大阪まで戻り、総選挙の特番放送を見てもよいのだが、選挙前の世論調査で軒並み野党優勢の結果が出ていたことで(私が投票した兵庫8区は接戦が伝えられていたが)、焦って早く戻ることもないかなと思う。ということで、時間帯もよいこともあり、敦賀で夕食のために下車する。

Dscn3069敦賀駅から街の中心部に向けて伸びる道の途中に、1階が海産物の店、2階が魚料理の店という建物を見つけた。「まるさん屋」というところで、2階のドアを開けると多くの客で賑わっていた。DM患者といえども今夜は「解禁」してもいいだろう(というのは自己判断なのだが)。ということで、日本海の幸を盛り合わせた刺身を味わう。もちろん野菜もということで、これもたっぷりの海藻サラダを楽しむ。

Dscn3067Dscn3068若狭名物といえるのが2品。鯖のへしこ焼きに「にしんずし」。それぞれ「鯖街道」、「北前船」が絡む一品である。こういう料理にはビールよりは日本酒。北の味覚を楽しみつつ、次はこの若狭エリアを目的地にしたいものだと思うのであった。

いろいろと見所のあった2日間。北陸地方というのもさまざまな表情を見せてくれるところで面白いものである・・・・。

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北陸鉄道石川線 鶴来・加賀一の宮

2009年09月03日 | 旅行記D・東海北陸

Dscn2981私が持っているこの切符、何と金箔が張られているという。全国広しといえども、金箔入りの乗車券というのはなかなかお目にかかれるものではない。

Dscn2980やってきたのは、金沢の中心部から少し行ったところにある北陸鉄道石川線の野町駅。金沢の市街地にあって寺院の多い一角であるが、「こんなところに鉄道の起点があるなんて」と思わせるところである。

買い求めたのは、北陸鉄道の鉄道線の一日フリーきっぷ。この石川線と、金沢駅から内灘駅を結ぶ浅野川線の両方に乗れるというもの。ただし今回私が乗る予定にしているのはこちらの石川線(初乗車)であり、今年の11月1日をもって末端区間の鶴来~加賀一の宮間が廃止予定ということでやってきたのだ。

Dscn2822電車の発車まで時間があるので、ホテルのフロントで買い求めた地域紙の北國新聞を広げる。この日行われる総選挙の話題が目白押しで、石川県内各候補者の動向が伝えられていた。そしてスポーツ面。NPBプロ野球やJリーグの紙面と並んで、いやそれ以上に大きく伝えられているのが、BCリーグの話題。特に前日は地元・石川ミリオンスターズが平泉の代打逆転サヨナラ本塁打で勝利しており、紙面には平泉のスイングの写真が大きく飾られていた。

その下には「金沢経済同友会『企業市民宣言の会』の提供試合」ということで、その試合が同会の後援もあり、地元企業の社員などが数多く観戦に訪れた記事。スタンドの観客の写真がついていたのだが、その中に「どこかで見たことがあるような風貌の男性」がカメラを構えている後ろ姿が写っていた。・・・これはどう見ても私。ちょうどミリオンスターズの応援団が旗を振って気勢を上げているところに向けてカメラを構えており、まさか自分も撮られて地元新聞に載るとは思っていなかった。

それはさておき。

Dscn2983狭いホームギリギリのサイズで停まっているのは、次に出る途中の鶴来行き。とりあえずこちらに乗車してみよう。発車すると、民家が立ち並ぶそのすぐ裏を走る。よく「洗濯物に手が届きそうな距離」という表現があるが、下窓が開かないもののまさにそんな感じ。路地裏をガタゴト言いながら走る都市型の私鉄、悪くない雰囲気だ。車両が元京王電鉄のものということで、それなりに都会の雰囲気を持っている。

新西金沢でJR北陸線からの乗り換え客を拾い、進路を南東に向ける。少しずつ家のつくりもゆったりしてきたし、そのうちに広々とした加賀平野の田園地帯にさしかかる。今年の夏は日本海側・北日本を中心に冷夏と言われてきたが、素人が見た限りではそろそろ黄金色になりつつある稲が実っているように見える。コメの作柄はどうなのだろうか。こういう水田地帯を見ると「加賀百万石」という言葉が頭の中に浮かんでくる。先ほどの「ミリオンスターズ」のチーム名はこの「百万石」にも由来するという(ある人にこのことを話すと、「百万石なら『ミリオン・ストーンズ』やないの?」と言われたのだが・・・)。

Dscn2988広々とした田園風景だが、前方と進行左手に山並みが迫ってきた。急にローカル線らしい景色となる。野町を出てから28分で鶴来着。石川線で駅員のいる駅は野町とこの鶴来だけである。

Dscn2992ともかくこの電車の終点ということで、一度改札を出る。いかにも「汽車の駅」という感じの駅舎が乗客を出迎える。降り立った人の中には「その筋」と思われる客の姿も見られる。ここから先の加賀一の宮までが廃止予定区間である。かつては加賀エリアを広く走っていた北陸鉄道もだんだんと縮小傾向にあるようだ。

Dscn2991出迎えてくれたのは駅舎だけではなく、これらのポスター。鶴来駅は白山市というところに位置し、森元首相の選挙区に含まれているようだ(結構広いんやね)。ちょうどこの日行われた総選挙では、元首相が辛うじて議席を守ることになる。

さて次の電車まで時間があるのだが、実はこの日の予定ではそう北陸鉄道だけでゆっくりとはしておられず、約30分後に来る加賀一の宮行きの電車に乗り、終点で折り返して野町に戻り、金沢駅にとって返すということになっている。ただ、単に折り返すのももったいない。

駅前の案内図を見ると、鶴来から加賀一の宮間は約2キロあまり。ということであれば、ここで待つよりは歩いて加賀一の宮へ移動するのはどうだろうか。途中、鶴来の町の中心部を突き抜けることになるし、加賀一の宮駅から近い白山神社に参拝する時間もできるかもしれない。これも「運動療法」だ。

Dscn2997というわけで、鶴来の中心部に向かう。金沢に比べれば知名度はぐんと落ちる鶴来であるが、それでも山岳信仰で知られる白山神社の門前町、宿場町として栄えたところ。小ぶりな町並みの中にはところどころ昔ながらのつくりの家も見られる。今回は素通りとなるが、そうした家並みを目にするだけでも旅の楽しみは味わえる。

Dscn2998また、白山から流れる手取川の水を利用した酒造りもさかんで、現在は「萬歳楽」と「菊姫」が二大ブランドである。それらの蔵元も昔ながらの建物を残しており、見学もできるようだ。百万石のコメ、白山の水、冬の厳しい気候・・・酒造りにはもってこいだろう。

このところ「運動療法」で歩くようにしているからか、快調に歩を進めることができ、いつしか鶴来の町並みを過ぎたなと思うと、手取川の土手が現れ、「がんばれ石川線」の看板が見えるとそこが終点の加賀一の宮駅。

Dscn3002初め目にした時は、周りの民家に囲まれて駅とは気づかなかったくらい。神社の社殿風とも、民芸風ともいえる特徴的なつくりだ。神社の門前駅の雰囲気がよく出ている。

Dscn3008Dscn3004現在はここが終点だが、かつてはこの先さらに線路は伸びていたようだ。そういえば駅の雰囲気も「終着駅」という感じではなく「途中の駅」という感じを受けた。これまで神社参拝の足を考慮したのだろうが、現在では一日の平均利用者が100人にも満たないとかで(おそらく初詣の時くらいしか賑わうことがないのだろう)、町並みと車庫のある鶴来までの路線短縮ということになったのだろう。駅舎内には保存を求める有志の張り紙などしていたが、そういう状況であれば致し方ないところだろう。

さて、乗る予定の電車まで時間ができたので、白山神社に行くことにする。駅から少し歩いて鳥居をくぐり、石段を上っても10分とかからない距離にある。ちょうど神社の人が石段の落ち葉を掃いていたところで、すがすがしい感じの参道である。やはり、寺社参詣は朝の時間帯がよろしいですな。

Dscn3014白山信仰は少なくとも奈良時代にはあったといわれ、ここ白山比め神社は全国の白山神社の「総本宮」にあたるという。そして、加賀における一の宮の称号を得ている。現在の社殿は江戸時代から続くものだそうだ。

Dscn3016手を合わせていると、境内の一角から祝詞のようなものが聞こえてくる。そこには岩があり、一人の男性が祝詞のようなものを唱え、後ろには数人の参拝客。この方向にこの神社が祀る白山があり、要は「白山信仰」の一つの姿を見せてくれている。信仰とは何か。こうやって自然への畏敬からくる信仰もあれば、活動の一環として総選挙に何百人も立候補する信仰もある。ここでは「信仰にもいろいろあるもんやな」というにとどめておく。

Dscn3023参拝後、鳥居脇の茶屋をのぞく。ここで、鶴来の酒「萬歳楽」に「菊姫」があったので、DM患者のこととていつ口にするかはわからないがとりあえずということで、ワンカップを1本ずつ買い求める。そして、この後すぐに口にしたのが、「萬歳楽」の製造元が出している「白山新水」。歩いた後、電車に揺られながら美味い水を楽しむこととする。

Dscn3022往路は歩いたので、加賀一の宮からの復路が「初乗車」。とはいえ、ゆったりとしたカーブを曲がり、しばらく走るうちに鶴来の町並みが見えて通り抜けたかと思えば、もう鶴来到着である。廃止予定区間の乗車はあっさりしたもので、どうしても「このくらいなら、打ち切りになってもやむを得ないかな」との思いを重ねたものである。

このまま終点の野町まで行き、石川線の旅を終える。もちろん、金箔入りの乗車券は記念にお持ち帰りだ。

Dscn3030この後すぐ接続のバスで金沢に戻り、金沢からは息つく間もなく、特急「雷鳥」に乗車。青春18の旅にも関わらず特急にしたのは、「早晩、この国鉄特急型車両もなくなるから」というもの。日曜の昼前の列車ということで全体的にガラガラである。これで福井まで戻る。

さて昼食を福井で取るとして、ここは試みに食前のインシュリン注射を福井駅到着直前に行う。これまで「外出先でインシュリンを打つ場合」の場所として、食事する店の洗面所を拝借したり、駅やショッピングセンター等の公衆トイレを使ったことはあるのだが、ここは実験で「揺れる列車」を選択。幸い特急車両とあってカーテンで仕切られた洗面所があり、乗客が少ないのをいいことにこちらで「薬物療法」。揺れで注射針があさっての方向に刺さるということもなく、これで「こういう状況でもOK」ということになったが、何だかイケナイことをやっているような感じがして妙なものだ。

福井駅下車。これから昼の部の楽しみとなる・・・・。(まだ続く)

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金沢21世紀美術館と武家屋敷

2009年09月01日 | 旅行記D・東海北陸

プロ野球独立リーグ観戦紀行の続き。

Dscn2779金沢駅から「まちバス」に揺られてやってきたのは、金沢で注目を集めているスポット、「金沢21世紀美術館」。外側が全面ガラス張りの、明るい感じの美術館である。

 

 

 

美術館といえばどうも「敷居が高い」ようなイメージがあり、また現代アートとなると「何が言いたいのかようわからん」という分野である。それでも、この開放感あふれる建物と、市民参画型の美術館を目指したところから市民だけではなく観光客にも人気のスポットとなったという。

Dscn2782この時は「未完の横尾忠則~君のものは僕のもの、僕のものは僕のもの」という企画展(何だか、のび太に対するジャイアンの論法やな)が行われていた。ポスターやデザインなどで横尾作品を見たことはあったように思うが、こうして美術館で開かれている展覧会を見るのは初めて。

 

 

見物客はどちらかといえば若い層や女性のグループが多い。まあ、横尾忠則のファンというよりは、おしゃれな街・金沢めぐりのコースの一つとしてここを訪れているような感じである。

作品は1960年代のものから最新のものまでありとあらゆるジャンルのものが揃っており、この人の幅の広さというのをうかがうことができる。横尾の頭文字「Y」から「Y字路」をテーマとしたいくつかの作品群や、夢の中の想像の世界を奔放に描いた作品など。また、多くの著名人を肖像画風に描いた「奇縁まんだら」や、19世紀のフランスの画家、アンリ・ルソーの作品のパロディである「ルソー」シリーズ、世界各国の滝の写真や絵葉書を室内一面に貼り付けた「滝のインスタレーション」など、見るものをうならせたり、時には笑わせたりする。

独特の作風を写真に収めることはできなかったが、図録を買い求めて「横尾ワールド」への入門編とする。

さらにもう一つの企画展が「愛についての100の物語」とある。こちらはさまざまなオブジェを並べたり、映像や効果音を駆使したりという現代アートの作品が並んでいたが、先の横尾忠則と比べても「だからどうなんや」と言いたくなるものが多い。最近では現代アートの世界の解説書も出ているようだが、そういうのを読んでいない私にとってはやはりモヤっとしたものを感じることになった。

その中で、若い人たちは子ども連れにも人気だったのが、館内の中央部に位置している「スイミング・プール」。

Dscn2780こういう世界が演出されている。まずはプールの上から底をのぞき込んだところ。

 

 

 

 

 

 

 

Dscn2785続いてが、プールの底から上を見上げたところ。エルレッヒというアーチストのこの作品は、要は強化ガラスに水を張り、あたかも水上と水中の世界を創りだしたかのような出来上がりになっている。こうするとプールの上と下でお互いをのぞいて見たり、友達同士だと手を振り合ったりしている。作品の意図するところが人と人との出会いというが、なるほどと思う。

 

 

作品の世界への理解度はともかくとして、建築物としてのコンセプトは面白かった。「21世紀」の名前にも負けてはいないだろう。よく、こういう「ハコモノ」には批判が起こりがちであるが、その建築物が意図したところの役割をきちんと果たし、新たな街の一面を見せてくれるということが確証できるのなら、文化事業として大いにやればいいと思うのだが、どうだろうか。

さて、2時間あまりの鑑賞の後、金沢市民球場方面へ向かうバスの時間までまだ時間があるので、香林坊まで歩く。ちょうど総選挙前日の最後の選挙活動日、大通りには複数の立候補者の選挙カーが走り回り、大声で候補への指示を呼びかけていた。

Dscn2794しかしそこから数百m歩くと、その喧騒もどこかに去ってしまう。やって来たのは、長町の武家屋敷通り。屋敷群というよりは用水路に面した外塀の風情が楽しみである。21世紀の美術館と、江戸時代の屋敷群の対象の妙に感心する。いや、金沢の風情はよろしいな。

 

 

 

 

 

Dscn2802その一角にある野村家跡に昔の面影を残すというので訪ねてみる。武家屋敷というと豪華な、広い造りをイメージするが、金沢の市街地には大きな武家屋敷はほとんど残されていない。「加賀百万石」とはいうものの明治大正となれば武家制度の解体と、窮乏に苦しんだ結果土地は分割(売却)され、往時の風情を伝えるのが門と土塀くらいということになった。この野村家跡も、京の町屋風情の母屋、庭などが目に付く。

 

 

 

 

そろそろバスの時間も近づいてきたので、武家屋敷を後にしてまた喧騒の香林坊に戻る。その夜はナイター観戦で、夜の北陸一の繁華街の風情を楽しむことはできないが、こちらは季節を変えてもまた訪ねてみた街である。

この夜の試合は18時開始、21時10分に終了。ヒーローインタビューや選手の「お見送り」の後、臨時のバスで市街地に戻り、金沢駅に着いたのが22時。駅から3分の「マンテンホテル」に泊まり、半露天の大風呂で一日の疲れを落としたのだった・・・。(続く)

 

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