花見に行く前に、もう散ってしまいそうな桜。
ひと気のない小公園を横切る帰宅途中、ざわわと強い風にさわぐ夜桜のように、そぞろ妖しい胸騒が...有名な小説ではないけど、桜の樹の下には、何か怖いものが埋められているような気がして...
バカバカしい。わざと陽気に歌など歌いながら、歩を早める私。桜 桜 いつまで経っても来ぬ人と 死んだ人とは同じこと~♪って、は!?誰か、いや、何かいる!?一瞬、すごい悪寒を背に感じ、はっと振り返る私。無人の暗闇が広がるばかりなのに、誰かに見られているような感覚。あ、あわわ。幽霊とか妖怪ならいい。痴漢や通り魔はイヤー!!と、怖くなり急いで公園を出たのだった。その不審な様子は、私のほうこそ公園に死体でも埋めたんじゃないか、と疑われそうな形相だったことでしょう。まこと、春の夜は、あやしかりけり...
「素晴らしき休日」
キャサリン・ヘプバーン&ケーリー・グラント主演のコメディ。
陽気で無欲な主人公が、結婚を承諾してもらうため、恋人の実家を訪ねる。想定外の大邸宅に、初めて恋人が大金持ちの令嬢だと知り、驚く主人公。彼の天衣無縫な人柄に、上流社会の偽善や体裁にウンザリし窮屈していた恋人の姉は、心惹かれてゆくが...
殺伐した気分の時に、優雅で楽しい往年のハリウッド・クラッシック喜劇を観ると、何だか心がほぐれます。
恋人の実家は、まさに華麗なる一族って感じ。広々と迷子になりそうな大邸宅。ピパピカの大理石。長い典雅な装飾の階段。エレベーターまであるし。家族の人数より多い、恭しい使用人。食事のたびに、正装に着替えたり。メンドいなあ、掃除が大変だろうなあ、なんてことが気になる私、悲しき庶民...
とにかく、邸宅のセットが美事だった!オスカーの美術賞を受賞したとか。納得。
金に執着せず、自由な人生を何よりも求める主人公が、目の前にブラ下げられた富や地位にも屈せず、自分を貫くところが、爽快でカッコいい。あんな風に生きられたらと憧れるけど、無理だよなあ。妥協しまくってでも、安定した人生を歩みたい、と思うのは、私だけではないはず。
父親になびかない主人公に、恋人は呆れて怒って、気持ちも冷めてしまう。所詮その程度の愛だった、と主人公は悟るのですが。確かに彼女はスノッブだけど、余程のことがないかぎり、贅沢な生活は捨てられないと思う。捨てさせるほどメロメロにできなかった主人公も、もともと彼女への愛は大したことがなかったのでは。
なのでラストの、主人公のホっとした、サバサバした嬉しそうな様子に苦笑!愛する女と別れた男の顔じゃないよ。まるで便秘が解消したかのようで、笑えます。ああ~もったいない~!せっかくの逆玉が~!と、やっぱ庶民な私は思うが...
ケーリー・グラントの、おチャメで元気いっぱいの演技が、微笑ましいです。バック転まで見せてくれます。主人公のキャラ、ノーテンキというか、明るい不思議くん?友達にいたら、楽しいだろうなあ。
恋人の姉役キャサリン・ヘプバーンも、反骨娘を快演。気が強くてキツいけど、ドライなユーモアが素敵。でも今回のヒロインは、ちょっと内面が子供っぽい?死んだママとの思い出が残る、子供の遊戯室にプチ引きこもってるし。映画に出てくる、オトナになるのを拒否ってるピーターパン症候群の、サキガケ的キャラかも?
飲んだくれな末弟も、なかなか良い味を出しています。
主人公は、今までガツガツ働いてきたので、稼いだら仕事を休んで、働くことの意義を模索したい、という願いを抱いてましたが。私は、まとまった金ができたら仕事を休むんじゃなくて、辞めたい!できたら一生!働くことの意義なんか忘れて、死ぬまで怠け者したい~!夢のまた夢ですが...
ひと気のない小公園を横切る帰宅途中、ざわわと強い風にさわぐ夜桜のように、そぞろ妖しい胸騒が...有名な小説ではないけど、桜の樹の下には、何か怖いものが埋められているような気がして...
バカバカしい。わざと陽気に歌など歌いながら、歩を早める私。桜 桜 いつまで経っても来ぬ人と 死んだ人とは同じこと~♪って、は!?誰か、いや、何かいる!?一瞬、すごい悪寒を背に感じ、はっと振り返る私。無人の暗闇が広がるばかりなのに、誰かに見られているような感覚。あ、あわわ。幽霊とか妖怪ならいい。痴漢や通り魔はイヤー!!と、怖くなり急いで公園を出たのだった。その不審な様子は、私のほうこそ公園に死体でも埋めたんじゃないか、と疑われそうな形相だったことでしょう。まこと、春の夜は、あやしかりけり...
「素晴らしき休日」
キャサリン・ヘプバーン&ケーリー・グラント主演のコメディ。
陽気で無欲な主人公が、結婚を承諾してもらうため、恋人の実家を訪ねる。想定外の大邸宅に、初めて恋人が大金持ちの令嬢だと知り、驚く主人公。彼の天衣無縫な人柄に、上流社会の偽善や体裁にウンザリし窮屈していた恋人の姉は、心惹かれてゆくが...
殺伐した気分の時に、優雅で楽しい往年のハリウッド・クラッシック喜劇を観ると、何だか心がほぐれます。
恋人の実家は、まさに華麗なる一族って感じ。広々と迷子になりそうな大邸宅。ピパピカの大理石。長い典雅な装飾の階段。エレベーターまであるし。家族の人数より多い、恭しい使用人。食事のたびに、正装に着替えたり。メンドいなあ、掃除が大変だろうなあ、なんてことが気になる私、悲しき庶民...
とにかく、邸宅のセットが美事だった!オスカーの美術賞を受賞したとか。納得。
金に執着せず、自由な人生を何よりも求める主人公が、目の前にブラ下げられた富や地位にも屈せず、自分を貫くところが、爽快でカッコいい。あんな風に生きられたらと憧れるけど、無理だよなあ。妥協しまくってでも、安定した人生を歩みたい、と思うのは、私だけではないはず。
父親になびかない主人公に、恋人は呆れて怒って、気持ちも冷めてしまう。所詮その程度の愛だった、と主人公は悟るのですが。確かに彼女はスノッブだけど、余程のことがないかぎり、贅沢な生活は捨てられないと思う。捨てさせるほどメロメロにできなかった主人公も、もともと彼女への愛は大したことがなかったのでは。
なのでラストの、主人公のホっとした、サバサバした嬉しそうな様子に苦笑!愛する女と別れた男の顔じゃないよ。まるで便秘が解消したかのようで、笑えます。ああ~もったいない~!せっかくの逆玉が~!と、やっぱ庶民な私は思うが...
ケーリー・グラントの、おチャメで元気いっぱいの演技が、微笑ましいです。バック転まで見せてくれます。主人公のキャラ、ノーテンキというか、明るい不思議くん?友達にいたら、楽しいだろうなあ。
恋人の姉役キャサリン・ヘプバーンも、反骨娘を快演。気が強くてキツいけど、ドライなユーモアが素敵。でも今回のヒロインは、ちょっと内面が子供っぽい?死んだママとの思い出が残る、子供の遊戯室にプチ引きこもってるし。映画に出てくる、オトナになるのを拒否ってるピーターパン症候群の、サキガケ的キャラかも?
飲んだくれな末弟も、なかなか良い味を出しています。
主人公は、今までガツガツ働いてきたので、稼いだら仕事を休んで、働くことの意義を模索したい、という願いを抱いてましたが。私は、まとまった金ができたら仕事を休むんじゃなくて、辞めたい!できたら一生!働くことの意義なんか忘れて、死ぬまで怠け者したい~!夢のまた夢ですが...