まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

鈴ヶ森奇譚

2007-04-11 | 日本映画
 気づかぬ間に、すっかり桜は散ってしまい、季節を先取って私は、早くも五月病に罹患♪流行に疎いくせに、こんなのに限っては誰よりもトレンディ(死語)な自分が嫌...越えてはいけない柵、飛んではいけない絶壁からホップ・ステップ・ジャンプ、ふわり身を踊りだしそうになる、dangerous seasonです。
 帰宅すると家の前で、近所のオバはんたちの井戸端会議に出くわしてしまいました。
 険しい表情で、ひそひそ話してるので、何かあったのかしらん?と、こっちまで緊張。聞くところによると...今朝早く隣のオバさんが、裏口に干してあったタマネギを盗もうとしてた老人を、現行犯で捕まえたとか。私んとこも、タマネギ盗られたんよ~!同じ人に決まっとるわ!と、向かいの未亡人もプンプン。タマネギ泥棒か~何だか春らしい、ほのぼのした話題だよなあと、ちょっとだけ気持ちが軽くなったのだった。

 お松の独り邦画男前映画祭①
 「泪橋」
 ちょっと古い、70~80年代の邦画が好きです。なぜって、私好みの男前が、いっぱい出てるから
 今の人気俳優って、見た目はカッコいい可愛いけど、何だろう?ファッション感覚の雰囲気だけ、というか、軽い薄い?演技にもソツがなくて、冒険や破綻がないというか。つまり、面白くないんだな。見ていて、ハっとしてグー(古っ)じゃないんです。
 その点、ひと昔前の邦画は、ずっしり重く、こってり濃い男優の宝庫!中でもmy favorite双璧は、緒形拳と渡瀬恒彦。今回は、つね彦にメロリンキュ~
 東京下町にある、泪橋。その界隈にある家に昔、警察に追われていて匿ってもらったことがある主人公が、フラリと寄ってみると、自分と同じように、一人の女が身を潜めていて...
 話は、???ちょっと、いや、かなり不思議系映画。難解というより、奇怪?原作&脚色は、村松友視&唐十郎。
 主人公たちが匿われてた家や、その周辺が、独特の雰囲気。まるで異次元空間みたい。そこで展開される話や人間模様が、隠微な夢想世界って感じ。
 渡瀬恒彦は、やっぱ素敵~
 兄貴の渡団長もイカすけど、ひたすらカッコいいだけの団長と違って、弟つね彦は、いい感じに崩れた男の色気と魅力があって、萌えます。最近は、おみやさんとか十津川警部とか、人の善さそうな温厚おぢさん風になってるけど、昔は今で言うチョイ悪風で、い・け・な・いフェロモンぷんぷん放ってるのです。
 つね彦、この映画では、謎の女に魅了されて、不思議世界の住人になってしまう男を演じています。
 しがないセールスマンになってるけど、実は昔は親分の情婦とネンゴロになって組に追われてる間に、当時激化してた学生運動の過激派と間違えられ、今度は警察に追われるハメに陥った元ヤーさんという、何か可笑しいけどフツーじゃないところが、つね彦らしい。
 男の色気を醸す、くたびれたスーツ。背が高くてカッコいい。髪の毛は、当時から危険信号だが。そして、ヒロインとのエロいベッドシーン。昔は何てことない程度だったんだろうけど、今こんなベッドシーンする俳優、いないですよねえ。つね彦のガッチリした浅黒い裸が、セクシイブリーフ一丁姿も見せてくれます。
 ヒロイン役の佳村萠が、見た目も演技も雰囲気も、ほんと不思議ちゃん。脱ぎっぷりがスゴかった。
 あと、二人を匿ってくれる爺さんコンビが、いい味+キモい。二人の江戸っ子調会話が、面白い。てやんでい!とか、べらぼうめ!とか、~だぜ!とか、今でも東京下町で聞けるのかな。
 泪橋って、あしたのジョーの舞台になった場所だとか。近くにある鈴ヶ森刑場跡地と橋との由来話が、興味深かったです。
 あと、当時世間を騒がせていたイエスの方舟が、ちょっとだけ話に絡んできたりします。
 
コメント (5)
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