まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

どチンピラ

2017-03-16 | 日本映画
 渡瀬恒彦が、とうとう逝ってしまいました…
 つねぴー、大好きでした…覚悟はしていましたが、こんなに早くお亡くなりになるとは…今は安らかにお眠りくださいと、悲しみをこらえて祈るしかないです

 追悼・渡瀬恒彦①
 「鉄砲玉の美学」
 露店でウサギを売るしがないチンピラの清は、組から鉄砲玉に抜擢される。拳銃と100万円を与えられ、意気揚々と敵地に向かう清だったが、なかなか役目を果たせないまま時が過ぎて…
 任侠映画で名を馳せていた中島貞夫監督が、自由な発想と手法を求めてATGで撮った、1973年の異色のやくざ映画。今ではカルト的な人気がある作品だそうです。確かに、ちょっと他にないような粗削りで斬新な内容、演出でした。ぶっとんだ狂いっぷりが、何だか岡田あーみんの漫画みたいで笑えた。今の邦画では不可能な台詞、描写のオンパレードで、唖然となりつつも怒涛の勢いに楽しく最後まで流されてしまいました。

 清役の渡瀬恒彦、超カッコよかった!当時29歳のつねぴー、当たり前ですが、わ、若い!晩年は2時間ドラマなどで優しそうな好々爺になってたつねぴーですが、70年代ヤクザ映画で大暴れしてた頃の彼は、晩年の彼とは別人のような激烈さ、そして色気が濃密な男前!
 若きつねぴー、めっちゃハイテンション!イカレポンチすぎて怖いです。イカレてるんだけど、すごく可愛い!大物になるんじゃー!と大はしゃぎ、浮かれまくってタガが外れて大暴走。張り切ってはみたものの、カッコいい極道になれず、滑稽でみじめな野良犬のまま自滅してしまうつねぴーが、悲しくも愛しい映画です。

 つねぴーの狂気的おバカ演技が、とにかく強烈。喋りかた、わめきかたが、何だか吉本新喜劇の吉田裕みたいで笑えます。ギャーギャー大騒ぎ、大暴れしてるつねぴーは怖くて笑えましたが、天真爛漫すぎる笑顔や無邪気な言動は愛嬌いっぱいでキュンキュンします。清みたいに、ピュアすぎて社会の常識や規範に従えず、ヤクザになってしまう人って多いのかもしれません。

 関わったらひどい目に合うとは判っていても、ついほっとけず心ほだされてしまう清の、クズだけどゲスではない不思議な優しさ、哀しさ。こういう男を演じて魅力発揮するつねぴーは、やはり稀有な俳優と言えましょう。
 インパクト強烈な演技、シーンてんこもりですが、特に私が好きなのは、やくざになる前の調理師だった頃の清が、便所の個室で卑猥な落書きしながらシコシコし始めるシーン。つねぴーの表情と手の動きときたら!ヤバ、思い出し笑い!

 若いけど男の色気がハンパないつねぴー。女たちとの情交シーンは、どれもエロかったです。スーツ姿とかだとスラっとして見えるけど、脱いだらムチムチがっちりした裸、浅黒い肌がセクシー。鬼の形相で朝まで女をガンガン攻め立てるつねぴー、裸のまま女にハイハイさせて馬乗りになるつねぴー、風呂場で女に全身をすらせるつねぴーetc.女と同じ目に遭いたい♪と思ってしまいました。
 あと、音楽も耳に残ります。頭脳警察というロックバンドの『ふざけんじゃねえよ~!!♪』というフレーズが、観終わった後しばらく脳内をグルグルとリピートしてしまいます。サントラ、欲しいかも♪
 
コメント (8)
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