追悼・渡瀬恒彦③
テレビ朝日の2夜連続スペシャルドラマ「そして誰もいなくなった」を観ました~。
アガサ・クリスティのあまりにも有名な原作は、過去に何度も映像化されてますが、日本では初なんだそうです。豪華キャストをそろえて大々的に宣伝してたので、つい過大な期待をしてしまいました。観終わって、いや、かなり早い段階でトホホなドラマでした
ちょっと前の「オリエント急行殺人事件」日本版もだけど、アガサ・クリスティの推理小説を日本で映像化するのは、ちょっと無理があります。やっぱアガサ・クリスティは英国、そして20・30年代が舞台だからこそ魅力的なんですよね~。現代の日本、しかも孤島を舞台にした連続殺人、かなり強引な設定でした。携帯電話やインターネットが使えなくなるようにするのが、そんな理由で!?ありえん!でしたし。そもそも、会ったこともない人物からの招待に応じて、絶海の孤島になんかフツーの現代日本人、ましてや著名人ならノコノコ行ったりしないですよね~。いっそのこと、原作に合わせて戦前とかにすればよかったのに。そうすると、衣装とかセットに金がかかるので、無理やり現代の話にするしかなかったのでしょうけど。そういう点もですが、キャスト以外はスゴい安~く仕上げた感がアリアリなのが、最大のトホホかもしれません。海上シーンとか殺人の舞台となる館の外観とか、明らかにCGで予算ケチったな~と苦笑。
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設定にはまだ目をつぶるとして、登場人物の絡みとか謎の解明とか、まるで名探偵コナンか金田一少年みたいなノリ、雰囲気には、正直ガッカリ。とても大人が楽しめる内容ではなかったです。原作もそうなのかもしれないけど、映画やドラマとなると戦前の英国上流社会の人々のやりとりとかファッションが、それを補って余りある見所になるんですよね~。横溝正史の金田一耕介が日本だからこそ成り立ち、独特の魅力を放つのと同じですね。
2夜連続で計4時間以上割いたせいで、無駄に冗漫で緩慢な、カルピス原液に水を入れ過ぎたような薄い軽いドラマになってしまってたけど、最大の(唯一の?)売りである豪華キャストの顔合わせは、なかなか興味深かったです。豪華といっても、今をときめくスターとか、滅多にTVドラマには出ない映画スターが、というレア感は皆無。2時間ドラマやテレ朝の連ドラでお馴染みの面々が集まった、といった感じです。その中では何といっても、大好きな向井理&渡瀬恒彦の共演!二人が出てなかったら、たぶん私、このドラマ観なかったかも
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元ボクサーの人気小説家役のムカイリー、やっぱカッコいいですね
メタボ無縁なスラっとした長身が、相変わらず素敵。若手が次々と台頭し、今では結構な芸歴もあり、もう中堅俳優にカテゴライズされてもいい年頃となってるムカイリーですが、老化劣化がほとんどなく今でも若々しく爽やか。見た目同様、演技にも変化があまりないけど
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でも、ムカイリーはそれでいいんです!もう無茶な無謀な挑戦はせず、カッコカワイイおじさん路線でいいよ!役者として成長するため、彼なりにいろいろチャレンジしてるみたいだけど、方向性が誤ってる。舌でいろんなものナメて推理するフンドシ探偵役とか、見事にスベってキャリアの汚点になってしまったし。同じリスクを犯すなら、もっと他に方法はあったはず。
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今回のムカイリーは、すぐに殺される脇役なので、演技的な欠点などは目立たない上に、主役級俳優になってからは遠ざかっていた、頭がいいことをひけらかすヤな感じのイケメン、という彼に最も似合ってる役だったので、まるで地でやってるような自然さでした
ムカイリーの、人をバカにした冷たい嘲笑が好き!
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ムカイリーファンにとって嬉しかったのは、ほとんど2時間ドラマの被害者な役、演技が何だか新鮮だったこと。真っ先に殺されちゃうんですよ。毒入りドリンクを飲んでウゲゲゲ~!と苦しみ、バタリ倒れて死亡するムカイリーの死に顔、死体っぷりは、連ドラや映画では決して見ることができない貴重な姿です。
2時間ドラマやテレ朝の連ドラでは、事件を解決してる側の人たちが、容疑者、無残な死体になるのが面白かったです。みんな楽しそうに殺され、屍と化してます。チャラチャラしいCMタレントではなく、せっかく良い俳優たちを配してたので、もっと濃ゆい演技合戦が見たかったかも。被害者たちが犯した罪の描写不足が、ドラマを名探偵コナン、金田一少年にしていた要因かも。
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渡瀬恒彦は、このドラマが遺作となってしまいました
つねぴー、病身になってからは声も不明瞭になってたけど、このドラマでも痛ましかった…鬼気迫るというより、無理して頑張ってる感じがして。ネタバレになるけど、最も美味しい役は当然のように彼に与えられてました。脇役に回れば、やはり大物感があるつねぴーでした。本当に素晴らしい、不世出の役者さんでした。あらためて、ご冥福をお祈りいたします…
みんな好演してた被害者役の俳優陣と違って、刑事役の沢村一樹は酷かった!彼だけバラエティ番組のコントでした。彼がすべてをブチ壊しにしてました。演技もだけど、あんなキャラ設定にした脚本が凶悪です。
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↑あまり仕事を選ばず、ガンガン働いてるムカイリーは、wowwowのドラマで斎藤工とW主演。この二人の顔合わせ、あんまりスゴいとは思えない、ビミョーな今さら感がなきにしもあらず。ドラマの内容も、つまらなそう…だけど、観ます♪
テレビ朝日の2夜連続スペシャルドラマ「そして誰もいなくなった」を観ました~。
アガサ・クリスティのあまりにも有名な原作は、過去に何度も映像化されてますが、日本では初なんだそうです。豪華キャストをそろえて大々的に宣伝してたので、つい過大な期待をしてしまいました。観終わって、いや、かなり早い段階でトホホなドラマでした
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ちょっと前の「オリエント急行殺人事件」日本版もだけど、アガサ・クリスティの推理小説を日本で映像化するのは、ちょっと無理があります。やっぱアガサ・クリスティは英国、そして20・30年代が舞台だからこそ魅力的なんですよね~。現代の日本、しかも孤島を舞台にした連続殺人、かなり強引な設定でした。携帯電話やインターネットが使えなくなるようにするのが、そんな理由で!?ありえん!でしたし。そもそも、会ったこともない人物からの招待に応じて、絶海の孤島になんかフツーの現代日本人、ましてや著名人ならノコノコ行ったりしないですよね~。いっそのこと、原作に合わせて戦前とかにすればよかったのに。そうすると、衣装とかセットに金がかかるので、無理やり現代の話にするしかなかったのでしょうけど。そういう点もですが、キャスト以外はスゴい安~く仕上げた感がアリアリなのが、最大のトホホかもしれません。海上シーンとか殺人の舞台となる館の外観とか、明らかにCGで予算ケチったな~と苦笑。
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設定にはまだ目をつぶるとして、登場人物の絡みとか謎の解明とか、まるで名探偵コナンか金田一少年みたいなノリ、雰囲気には、正直ガッカリ。とても大人が楽しめる内容ではなかったです。原作もそうなのかもしれないけど、映画やドラマとなると戦前の英国上流社会の人々のやりとりとかファッションが、それを補って余りある見所になるんですよね~。横溝正史の金田一耕介が日本だからこそ成り立ち、独特の魅力を放つのと同じですね。
2夜連続で計4時間以上割いたせいで、無駄に冗漫で緩慢な、カルピス原液に水を入れ過ぎたような薄い軽いドラマになってしまってたけど、最大の(唯一の?)売りである豪華キャストの顔合わせは、なかなか興味深かったです。豪華といっても、今をときめくスターとか、滅多にTVドラマには出ない映画スターが、というレア感は皆無。2時間ドラマやテレ朝の連ドラでお馴染みの面々が集まった、といった感じです。その中では何といっても、大好きな向井理&渡瀬恒彦の共演!二人が出てなかったら、たぶん私、このドラマ観なかったかも
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元ボクサーの人気小説家役のムカイリー、やっぱカッコいいですね
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でも、ムカイリーはそれでいいんです!もう無茶な無謀な挑戦はせず、カッコカワイイおじさん路線でいいよ!役者として成長するため、彼なりにいろいろチャレンジしてるみたいだけど、方向性が誤ってる。舌でいろんなものナメて推理するフンドシ探偵役とか、見事にスベってキャリアの汚点になってしまったし。同じリスクを犯すなら、もっと他に方法はあったはず。
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今回のムカイリーは、すぐに殺される脇役なので、演技的な欠点などは目立たない上に、主役級俳優になってからは遠ざかっていた、頭がいいことをひけらかすヤな感じのイケメン、という彼に最も似合ってる役だったので、まるで地でやってるような自然さでした
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ムカイリーファンにとって嬉しかったのは、ほとんど2時間ドラマの被害者な役、演技が何だか新鮮だったこと。真っ先に殺されちゃうんですよ。毒入りドリンクを飲んでウゲゲゲ~!と苦しみ、バタリ倒れて死亡するムカイリーの死に顔、死体っぷりは、連ドラや映画では決して見ることができない貴重な姿です。
2時間ドラマやテレ朝の連ドラでは、事件を解決してる側の人たちが、容疑者、無残な死体になるのが面白かったです。みんな楽しそうに殺され、屍と化してます。チャラチャラしいCMタレントではなく、せっかく良い俳優たちを配してたので、もっと濃ゆい演技合戦が見たかったかも。被害者たちが犯した罪の描写不足が、ドラマを名探偵コナン、金田一少年にしていた要因かも。
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渡瀬恒彦は、このドラマが遺作となってしまいました
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みんな好演してた被害者役の俳優陣と違って、刑事役の沢村一樹は酷かった!彼だけバラエティ番組のコントでした。彼がすべてをブチ壊しにしてました。演技もだけど、あんなキャラ設定にした脚本が凶悪です。
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↑あまり仕事を選ばず、ガンガン働いてるムカイリーは、wowwowのドラマで斎藤工とW主演。この二人の顔合わせ、あんまりスゴいとは思えない、ビミョーな今さら感がなきにしもあらず。ドラマの内容も、つまらなそう…だけど、観ます♪
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