まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

おとこまえ中毒な私!

2009-11-11 | 北米映画 08~14
 指名手配犯・市橋容疑者が、ついに逮捕されましたね。男版福田和子にならずにすみました。それにしても、捜査網をくぐり抜けての整形逃亡といい、肉体労働しながらの潜伏生活といい、最近の無気力な若者らしからぬタフさに、悪い意味で感心しちゃいます。その知恵や精力、いい方向に使えよなあ。
 圧巻だったのは、護送される市橋容疑者に群がるマスコミ。エキサイトしてましたねえ。来日したペとかジョニー、オバマ大統領さえも、あそこまで熱狂的に囲まれませんよ。私は市橋容疑者よりも、護送する刑事さんの中に男前がいたことが気になって最近、ナニゲにTVに映る犯人護送の刑事さんと政治家のSPさんに、わし好みのイケメンが多くて要チェキ☆
 一日も早い事件解決のために、市橋容疑者には真実を素直にゲロってほしいものです。でも、一筋縄ではいきそうにない男なので心配。
 
 「お買いもの中毒な私!」
 my 英国愛人、ヒュー・ダンシー出演のラブコメ。
 雑誌記者のレベッカは、買い物依存症。カード借金に頭を抱えている彼女は、憧れだったファッション誌で働くことを熱望していた。そんな中、ファイナンシャル誌の編集長ルークと出会い、ひょんなことで彼の下で働くことになるが...
 うう~ん。ぶっちゃけ、ふざけててバカみたいな映画でした。ヒロインのレベッカに、まったく共感ができなかった。中毒にならざるを得ない事情とか悲壮感が、微塵もないもん。ただ物欲が強いだけじゃん。まだアル中やヤク中、セックス依存症のほうが理解できる。くだらない服や靴やアクセサリーばっか買いまくるレベッカ、何てノーテンキで贅沢な女だろうと不快になりました。世の中、ごはんも食られない人がいるのに。この女が買ったスカーフ一枚で、どれだけの人が助かるのだろうと思うと、あ~また買っちゃった♪と大して反省もしてないレベッカがムカついて仕方なかったです。
 しかもこのレベッカ、とんでもない嘘つき女。口も八丁、というより、場当たり的なハッタリで周囲を煙に巻いて、自分のいいようにもっていく。ある意味すごい才能。記者より詐欺師のほうが向いてると思った。嘘もハッタリも、ぜんぶステップアップにつながるなんて、ありえねー!都合の良すぎる展開も、ひどすぎて笑えなかった。ルークの会社にイタズラの手紙を送ったり、借金取りをストーカーに仕立てたり(あの借金取りさん、可哀相!彼は全然悪くないのに、あんな目に遭って)。まともな社会人がすることじゃない非常識言動も、かなり不愉快だった。
 野心だけは人一倍、でも大した努力もしないレベッカ、運が良いだけで仕事も恋もアゲアゲ♪なんて。そんなバカな!です。イケメンで優しくて名門出身の上司に恋されるとか、ほんとどこまで人をバカにした内容なのかなあと呆れた。あんな女、フツーは自己破産か風俗行きだよ。買い物き○がい女に、世の中あんなに甘いわけない!リアルなんか映画に求めてないけど、ファンタジーでドリーミーなラブコメにも、あるある!とか、そうそう!と思える部分があってほしい。こんなご都合主義すぎる内容より、買い物依存症で破滅する女の悲劇のほうが、警鐘的で面白いかも。中毒を克服したい女性にとって、まったく参考になってないところもダメダメな映画。
 ロマコメ大好きなmy motherさえ、くだらん!と途中リタイアしたほどの映画ですが...ワタシ的には、ヒュー・ダンシーに会えただけで鑑賞価値はあった♪ので、ひとつオマケ!
  
 ああ~ヒュ~男子、やっぱブチ可愛いわこんな上司いたら、パラダイスオフィスだよ。バリバリ働いてる仕事人間ってガツガツ感ではなく、元は名門出の坊っちゃんらしい上品さと優しさで、ルークを素敵男子にしていたヒュ~男子。そこんとこは、さすが英国男優。ヤンキーなアメリカ男優にはない魅力。スーツもタキシードも、可愛く品よく着こなしてます。可愛いけど、ほどよく濃いところも好き。

 笑顔が超可愛いヒュ~男子。性格いいんだろうな、と思わせるスマイルです。それと、彼っていつ見ても何もかもが潤ってるって感じがするんですよねえ。彼との新婚生活で潤ってる妻クレア・デーンズが羨ましい~!脱ぎ男なヒュ~が脱ぎなし!なのも、この映画の大減点ポイント!
 「プラダを着た悪魔」とかでも思ったけど...私にセンスがないせいかもしれませんが、この映画のファッションも、全然おしゃれに思えなかった。フランス映画での、着飾ってない普段着っぽいシャルロット・ゲンズブールとかバレリア・ブルーニ・テデスキとかのほうが、マネしたい~!あの服欲しい~!と思わせてくれます。
 
 ヒュー、とうとうアメリカ女と年貢を納めちゃったね(涙)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

万俵さんちの鉄平くん、この頃すこし

2009-11-10 | 日本映画
 臥竜山の女子大生バラバラ殺人事件、ほんと非道い陰惨な事件ですよね。報道を見聞きするたびに、心が重くなります。
 大事な娘さんをこんな形で奪われるなんて。ご両親の心痛、いかばかりか。察するに余りあります。
 こんな残酷で異常なことをした犯人、いったいどんな獣なのでしょう。人間じゃない!未解決だなんて、ぜったいあってはならないことですよね。まさかの迷宮入りとなってる凶悪殺人事件、少なくないので不安です。とにかく、一日も早い逮捕を願わずにはいられません。

 山崎豊子祭⑤
 「華麗なる一族」
 キムタコさん主演の連ドラも記憶に新しいですね。
 阪神銀行の頭取・万俵大介は、子供たちを次々と閨閥結婚させ、政財界と強く結びついていた。彼はある野望のため陰謀をめぐらせる。それは一族を翻弄し、運命の歯車を狂わせることに...
 途中にインターミッション(休憩)があるほど長時間の大作ですが、だれることなく一気に観ることができました。ドロドロの昼ドラをゴージャス&重厚にした感じです。妻妾同衾3P、舅が嫁をレイプなど爛れた退廃ブルジョアライフが、平凡な庶民を非現実的な夢世界へといざなってくれます。山崎豊子先生作品ならではの、男たちの熾烈で熱い詐術陰謀も、スリリングで楽しい。
 キム・タクの連ドラと比較しながら観るのも一興な映画かも。連ドラは、主役が長男の鉄平に改変され、鉄平が夢に向かって頑張る!な中学生向けっぽい内容になってましたが、映画は原作通り大介が主役で、彼の陰謀暗躍がメインの大人向けな内容。雰囲気も随分と違います。どっちのバージョンも、財閥一家の華麗感はあまりない。特にキムタク版は、みんな庶民臭プンプンでした。映画版は、高貴さも優雅さもないかわりに、とにかくディープ&ヘヴィ。一般人じゃないよな、という異様な特殊感を、みんなヌオオオ~とまとってます。連ドラではチープに思えた屋敷内の様子や阪神特殊鋼の大爆発シーンも、安普請なセットっぽさもCG処理もなく、本物のセレブムードや迫力緊迫感が出ていて良かったです。
 キャストが強烈です。これはもう、好き嫌いはおいといて、連ドラでは勝ち目がない濃厚さです。
 
 万俵大介役の佐分利信が、とにかく圧倒的な存在感!何もかもが怖い!特にガラガラした怒声、こっちまでビクっとなる凄気がある。誰をも威圧する貫禄と冷厳さ。こんな恐ろしいお爺さん俳優、いまいないですよねえ。連ドラの北大路欣也は、ダンディで端正で上品で濁より清が強く、ひたすらカッコいいおぢさまでしたが、野望という不治の病に侵されたみたいな、清より濁が勝った万俵大介の怖さとか悲しみに圧倒される、という点ではサブリン御大のほうに軍配が。北大路キンキンは立派な殿様って感じだったけど、サブリン御大は豪傑な魔王って感じ?
 連ドラでは主役になっていた長男・鉄平。キム・タクは可愛かった!けど、財閥の御曹司というよりアパレル会社の平社員にしか見えない貧相さがトホホだった。映画版の仲代達矢は、ルックス的には原作通り?でも、ちょっと雰囲気が暗いんだよなあ。基本的には鉄平って、坊っちゃんらしい朗らかさがあるはずなんだけど。ワタシ的に理想的な鉄平は、小澤征悦かなあ。でも、ラストの悲劇に向かう中では、仲代さん独特の暗さと狂気はよく活きていたように思えました。でもホント、鉄平って可哀相な男
 万俵家を差配する大介の愛人・相子役は京マチ子。ねっとり濃密で崩れた熟女の色香ムンムン。連ドラの鈴木京香は、観音さまみたいに優しそうだったけど、京マチ子はまさに魔女の迫力。甲高い声も怖い。 
 大介の妻・寧子役は月丘夢路。ゆったり豊麗で、公家出身らしい鷹揚さと無知・無防備さをよく出してました。連ドラの原田美枝子は、貴族出の姫さまには全然見えなかったよなあ。どう見ても玉の輿にのった元女中だった。
 
 長女の婿の美馬中役は、田宮二郎。スマートで胡散臭い、まさにTHE 田宮二郎、な適役(田宮さんは、鉄平役がやりたかったとか)。スーツとメガネが超似合ってて、ほんとカッコいい!連ドラの仲村トオルも素敵でしたが、田宮二郎のほうがダークで悪賢い曲者って感じ。
 大蔵大臣役の小沢栄太郎が、またまたズルくて欲深い爺役でいい味を。大同銀行の叩き上げ重役・綿貫役を、水戸黄門こと西村晃が好演。品性下劣なおっさんだけど、天下り憎し!な庶民根性キャラは、今のご時世ではヒーロー的でもあって憎めません。お下品な言動もご愛嬌で、今回の助演男優賞は彼に!な西村氏、そのまんま東を美男にしたようなお顔?それにしても。いちばん善い人キャラな大同銀行頭取・三雲さん(上品で誠実そうな二谷英明が素敵)、可哀相だよなあ。世の中、善人よりも悪人のほうが強いということを、またまた痛感。
 鈴木瑞穂は、いつもナレーションと弁護士役担当?美声ですよね。神山繁、美男ではないけどスーツがすごく似合ってて、いつもカッコよく見える。
 次男の銀平役は目黒祐樹。濃ゆいお坊ちゃまだなあ。連ドラの山本耕史くん同様、あの名台詞『しばし呆然の態でしたよ』もちゃんと言ってくれました。鉄平の妻役、山本陽子が美しい。次女役の酒井和歌子、可愛い!彼女の恋人役は、何と連ドラの万俵大介こと北大路欣也。わ、若い!
 ちなみに。連ドラで話題をさらった化け物鯉・将軍は、残念ながら映画には出てきません♪

 山崎豊子祭(ていうか、田宮二郎祭って感じだったけど)、これにて終了♪おつきあい、ありがとうございました
 次は、イケメン邦画祭を予定
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野望の総回診!

2009-11-08 | 日本映画
 山崎豊子祭④
 「白い巨塔」
 これも唐沢寿明主演で連ドラ化されましたね。往年の田宮二郎バージョンは今も名作の誉れが高いので、私もぜひ観たいと思っています。田宮二郎がTVドラマよりも前に主人公の財前五郎を熱演した映画版を、先に観ることができました。
 名門の浪速大学医学部。敏腕外科医の財前五郎助教授は、近々引退する東教授の後釜を狙っていた。自信家で傲慢不遜な財前を嫌う東教授は、外部の大学から自分の後任を呼ぼうと画策するが...
 面白かったです。大名のお家騒動ものみたいで。どこの世界でも、権力って人間を浅ましく熱くしちゃうんですね。教授の座をめぐって病院は魑魅魍魎&百鬼夜行の館と化し、上も下もみんな必死になって右往左往、権謀術数に明け暮れる姿が、エキサイティングかつ滑稽でした。
 それにしても。お医者さんって、高潔なイメージがあるけど...こんなドクター嫌だ~!な連中ばかりで呆れた。すごい権力志向、私利私欲の塊!選挙運動や裁判対策への時間と労力の十分の一でも、患者さんのために割いてあげてよ~と悲しくなりました。
 財前五郎のギラギラぶりが圧巻。それにしても。彼があそこまでアクの強い男でなかったら、案外スムーズに教授になれたんだろうなあ。あんまり実力も魅力もありすぎると、生きるのが返って難しくなるんだろうなあ、と財前を見てて思いました。いちおう東教授の前では殊勝に腰を低くしてるけど、俺のほうが医者としても男としても勝ってるぜ!オーラ全開な財前は、確かに同性の反感や嫉妬を買うタイプ。東教授や他の教授が財前を嫌うのも道理。でも、他人に警戒され恐れられるほどの実力と魅力、備えてみたいものです。
 でもホント財前さん、実は善いところも人間的弱さもある、なんて甘っちょろさなどカケラもない男。権力欲に憑かれた悪鬼のようだった。あのバイタリティと貪婪さ、今の世の中に必要かも。財前五郎を一世一代の当たり役にした田宮二郎が、まさに入魂の演技でした。ダークでブラックでニヒルで、ねっとりとした男の脂でギトギトしてて、とにかく濃ゆい!最近の薄い草食男子を見慣れてる目には、疲労感をもたらすほど素敵すぎる肉食男ぶりでした。教授になって口髭を生やした財前教授も、シブさと胡散臭さを増してチョベリグ(死語)♪田宮二郎の関西弁も好き。
 ちょこっと調べてみたら、田宮二郎は当時31歳!?ええ~!?アダルティすぎる~!今の近畿キッズとかと同じ年頃だなんて、ありえねー!近畿キッズなんて、子供のまま腐乱しちゃった感じだもんね。やっぱ、年とっても成熟した色気がない男って、キツいですよねえ。
 
 脇役も、濃い存在感と好演。
 東教授役は、水戸黄門さまこと東野英治郎。悪人、というより、ひねくれてて頑固で意固地な爺さんって感じでした。財前のやることなすこと全てが癇にさわる様子や、財前への刺々しいイヤミ攻撃が笑えた。またまた助演男優賞ものだったのが、鵜飼教授役の小沢栄太郎。自分の利益になることしか考えてないズルいセコい狸爺ぶりで、いい味だしてました。東も鵜飼もヘコヘコ畏れる大物教授役、滝沢修のクールな貫禄も素晴らしい。ラストの法廷では、まさにゴッド降臨って感じの威厳でカッコよかった。
 唯一まともなドクター、里見助教授役の男優って誰かな?どっかで見たことある人だけど、優しそうで可愛い人だなあと思ってたら、田村高廣だった!マサカズよりお兄ちゃんのほうが好き。
 あと、財前の舅さんが強烈なキャラだった。このひとホントに医者!?ほとんどコテコテ大阪商人。銭で勝負やー!と、娘婿を教授にするために金をばらまきまくる俗悪な拝金主義ぶりも、何か微笑ましいほどオチャメなハゲ親父でした。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Greedy People!ナニワ強欲道

2009-11-04 | 日本映画
 最近の私、若い俳優やタレントより、若い野球選手に萌えるんですよねえ。カープのマエケンこと前田健太くんとか、いい感じにチョイブサな顔&明るい飾らないキャラで、わし好みじゃ~!
 ドラフト会議、今年も美味しそうな男子をミーハー青田買い。話題の菊池雄星くん、いいですね。純朴そうで礼儀正しくて、ガタイもよくて。ひとむかし前の新人野球選手なんて、実力はあっても風貌といいキャラといい、若いスポーツマンらしい爽やかさなど微塵もなく、頭もガラも悪そうでファッションセンス最悪な子ばかりだったよなあ。M坂とかU原とか、犯罪者じゃん!だったし。それにひきかえ、雄星くんとか最近の子は、しっかりしてる感じ。そうそう、雄星くんといえば。こないだ彼のこと知らなかったM子に、ダルビッシュより可愛い子が出現したよ~と教えてあげたら後日、うそつき!どこがじゃ!と怒られました(汗)。ワタシ的には、ダルより雄星くんのほうがイケメンに見えるんだけどなあ。私の目、異常なのかなあ。
 われらがカープが指名した男子の中では、一位の今村猛くんと四位の庄司隼人くんがイケてますね。
  
 今村くん、指名発表の瞬間、青ざめて固まってましたねえ。記者会見でも何だか悲愴な感じだったし。カープ、実はイヤなのかな(悲)。庄司くんは、なかなか男前。若鯉たちが、カープを盛り上げてくれることをI wish!わしの目が黒いうちに、優勝の胴上げを見せてや~!それと。女子アナやグラビアタレントと朝帰りはまあいいとして、免停中に駐車違反して他人に身代わり出頭させたり、人を車で撥ねて怪我させたり、みたいなことは絶対しないでね♪
追伸:元カープ監督、三村敏之さんが急死。61歳。若すぎる(涙)。ご冥福をお祈りします...
 
 山崎豊子映画祭③
 「女系家族」
 大阪・船場。老舗商家の主人が他界し、3人の実娘と親戚、番頭らが醜い遺産争いを。そこへ、亡き主人の愛人だった若い女が登場。彼女は妊娠していた...
 米倉涼子主演で連ドラにもなりましたね。とにかく、遺産をめぐっての壮絶で浅ましく滑稽なバトルが楽しいです。人間、ここまで欲の皮を突っ張らせることができるのか。そして、その欲のためにここまで必死になれるのか。欲望って生きる活力になるんだなあと、登場人物たちのテンパリぶりを見てて感心することしきりでした。
 みんなガメツくて腹にイチモツある連中ばかりですが、とりわけ人間離れ?してるパワーを発していたのが、出戻りの長女。わては総領娘だす!と、女王さまのように威張り散らし、異常なまでにタカビーで上から目線。商家の娘がそんなに偉いの?!と呆れるほど。長女やのにわてが一番損してる!と大激怒&大不満、ゴーツクバリな八面六臂の行動力?を駆使するなど、その凄絶な欲深さに圧倒されます。あてのもんに触らんといて!と、妹に私物を触らせない誓約書まで書かせるエゲツなさ。父の子を身ごもった女の家に押しかけ(犬神家の一族みたいだった)、暴力的に医者に診察させようとしたり、興奮させたら流産して母子ともども死ぬと期待してたのに~と冷笑したり、ほんと非道い!鬼!
 
 フツーの世間一般の感覚とかけ離れた、老舗商家のいとさん(お嬢さん)のエグい金銭感覚や家族観が異様です。でも、ちょっとでも損はできない!と、遺産相続について素人とは思えないほどの知識を習得してたり、取り分である険しい山林の実地検分に出かけたり、そのバイタリティには敬服。おっとり上品な世間知らずの令嬢やお姫様よりも、人間的な魅力があります。
 鬼のように強欲な長女、ほんと怖いけど、イヤらしい女だなあとは思えなかった。ほんとに求めているのはカネやモノではなく、常に家族の間ではナンバーワンでなければならない総領娘の矜持を守ること、みたいだったからでしょうか。
 老番頭も、めちゃくちゃエゲツない狸じじい。アノ手コノ手で主一族を出し抜き、甘い汁を吸おうとする狡さも、自分を散々コキ使って人間扱いしない傲慢な主一族への復讐みたいで、何だか応援したくなりました。
 キャストも、エゲツなくも笑えるストーリーにピッタリな、今の日本の映画やドラマでは味わえない特濃さ。
 長女役の京マチ子が、とにかく強烈。妖艶お多福顔が美しくも怖い。熟女の色気も濃密。
 番頭役の中村鴈治郎、いい味だしてます。ほんと狡猾な爺なんだけど、何か飄々とトボけてて憎めません。
 亡き主の愛人役は、若尾文子。強欲いとさんの侮辱と暴力に耐える、しおらしい日陰の女?それとも...若尾アヤパンなので、もちろんただの可哀相な女ではありません。
 長女の愛人で踊りの師匠役、田宮二郎の胡散臭い男前ぶりも素敵。年上の熟女への口吸い(キスとか接吻とかいった表現はそぐわない)がエロい。いま、あんな口吸いシーンができる男優、いないよなあ。
 いったい誰が、エゲツない遺産相続ゲームを制するのか?ラストの鮮やかなドンデン返し、勝者の爽快感と敗者の虚無感が余韻を残します。
 
 
 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビジネスも戦争だ!

2009-11-03 | 日本映画
 山崎豊子映画祭②
 「不毛地帯」
 唐沢寿明主演の連ドラ、いまやってますね。豪華なのかそうでないのかビミョーなキャストには食指がソソられず、結局観ないことに。映画版は、なかなか興味深いメンツですが、果たして?
 シベリアでの過酷な捕虜生活から解放され日本に戻ってきた壱岐正は、親友・川又のいる防衛庁ではなく商社に入社する。アメリカの戦闘機購入をめぐる商社と政治家の熾烈な競争と駆け引きに巻き込まれた壱岐は、元陸軍の作戦参謀としての手腕をビジネスでも発揮し始めるが...
 面白かったです。商社と政治家の虚虚実実で冷徹な暗闘が、なかなかスリリングでした。戦場からビジネスへ、ところを変えた壱岐の戦争に引き込まれました。
 軍人から商社マンへとトラバーユした壱岐さんですが...フツーには生きられない、猫になれない虎の悲しみ。いつの間にか水を得た魚のように陰謀策動、暗躍する壱岐の封印できない戦う男の熱い血潮が、逃れられないカルマのようで怖かったです。
 ストーリー以上に、豪華、というよりシブい出演者の顔ぶれが楽しかったです。今は亡き往年の名優や、現在のベテラン俳優の若き日の姿など、かなり見ごたえありました。
 壱岐役は、仲代達矢。背後からゴゴゴゴと音が聞こえてきそうな気迫に圧倒されます。大熱演!ではなく、ほとんど無表情で動きも静かなのですが、暗い狂気みたいなものが怪気炎のように漂っていて、怖い...虚空を見てるような大きな目も不気味です。シベリアでの屈辱の肛門検査のシーン、ふんどしまで取られて四つんばい、穴の中に指を突っ込まれてヴッ!な仲代さんの表情が、ホントに挿入されたのか?みたいに真に迫りすぎてて笑えた。
 
 親友の川又役は、丹波哲郎。硬骨漢な武人って感じで、カッコよかったです。いちばん悲劇的な役で涙。彼の最期に、清く正しい人間よりズルく汚い人間のほうが強い、という社会の歪みを思い知って暗澹となりました。
 ライバル会社の商社マン田宮二郎は、あまり見せ場はなかったけどスマートで男前でした。NY駐在員役の北大路欣也、チョイ役でしたが若くてカッコ良かった。LA駐在員役の山本圭も、若くて可愛かった。声がきれい。
 名優系では、社長役の山形勲の磊落な貫禄がインパクトあり。壱岐の上司役の神山繁と、新聞記者役の井川比佐志も好演。いちばん存在感強烈で助演男優賞ものの名演だったのは、官房長役の小沢栄太郎。時代劇でも現代劇でも、悪いズルい権力者をやらせれば世界一?な小沢先生。今回も、見るからに卑劣で狡猾そうな悪爺で、憎々しい~!こんな悪い政治家がのさばってるから、日本は...と、観る者を憂国に陥れる悪人ぶりでした。あまりの悪どさにプッツンした川又に、そしてラストには壱岐にまで、貴様が諸悪の根源!このヤロー!と暴力を振るわれてヒエー!な小沢先生、ちょっと可哀相で笑えた。
 女っけはほとんどないですが、壱岐の貞淑な妻役の八千草薫と、娘役の秋吉久美子が可愛かったです。息子役の男の子もキュートでした。
 とまあ、名優たちの濃ゆ~い演技と個性がせめぎ合ってて、退屈せずに最後まで一気に観ることができます。いまやってる連ドラとキャストを比較してみたのですが...濃さと重厚さという点では、まったく勝負になってないですねえ。ジュースと日本酒ぐらいの違いがあるかも...
 
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ほな、チョメチョメしまひょか

2009-11-02 | 日本映画
 いま世間を騒がせている、34歳の女。果たして彼女は本当に、希代の殺人鬼なのでしょうか。久々に登場した毒婦が、ワイドショー魂を刺激します。
 あれだけの数の男性を殺害した罪で彼女が逮捕されるよりも、殺人には全く関係ないと判明するほうが吃驚仰天するだろうなあ。それにしても、練炭とか睡眠薬って、容易に入手できるものなんですね。怖い。
 孤独な境遇っぽい男性から金を騙し取るなんて、卑劣で悪どいとは思うけど...よくそんなに巧みに騙せるものだなあ、と悪い意味で感心するというか。不謹慎だけど、私も男を騙せるほどの頭の良さと魅力がほしいものです。
 
 「不毛地帯」が連ドラ化、「沈まぬ太陽」が映画化と、ちょっとした山崎豊子ブーム?山崎女史原作の古い映画が何作かスカパーで特集されたので、録画して観ることに。第一弾は...
 山崎豊子映画祭①
 「女の勲章」
  戦後の大阪。船場出身でお嬢さま育ちのデザイナー大庭式子は、3人の弟子とともに洋裁学校を開校する。学校の経営を担当する八代銀四郎は、その商才とバイタリティで式子に栄光をもたらす。だが銀四郎は式子だけでなく、彼女の弟子たちとも次々と肉体関係を結び、女たちを意のままに操り始めて...
 原作が面白かったので、映画も楽しみにしていました。ファッション業界でのサクセスストーリーとか女の華やかな闘いとかよりも、大阪の商売人のエゲツなさと逞しさが面白く描かれています。映像と音楽が、何だかオドロオドロしくてホラーなムード。
 とにかく銀四郎を筆頭に、みんな汚いというか...金もうけや名声のために、そこまで自分も他人も汚していいのか?彼らを見てると、現実社会で成功してる人々の心と体って汚れまくってるんだろうな~なんて思えてきて...
 女たちを手玉にとる銀四郎が、とにかく笑えるほどエゲツないです。立て板に水なコッテコテの大阪弁、軽くて調子のいい言動、テキパキした精力的な仕事振りなど、表面的には人好きのする有能な男だけど、ふと見せる冷たい目つきと表情が胡乱で不気味。すごく頼りにはなるけど、非人間的すぎて怖い。情とかなさすぎ。彼にとっては女とのセックスなんて、ほな一緒にきばっていきまひょ的な握手みたいなもん。女の人生を骨までシャブリ尽くす男ですが、彼に目と手をつけられる価値のある女になりたいな、と思わせる魅力的な男でもあります。演じてる故・田宮二郎が、すげーカッチョいい~スラ~っとした長身、筋肉質な裸、知的でニヒルでダークでセクシイ。いま彼みたいな男優いないですよねえ。
  
 銀四郎に翻弄されているようで、実は彼を利用しているようでもある女たちもエゲツないです。一人の男を共有してもドロドロな男女の諍いなどしない、完全に男<自分の野心、な女たちの計算高さと打算の巧さは、したたかで小気味よくもあります。
 式子役は、京マチ子。いとさん育ちにしては貫禄ありすぎ色っぽすぎですが、大女優のオーラびんびんで存在感は圧倒的。30半ばで初めて男を知った女の煩悶演技が、ねっとりしてて怖い。こぎれいなだけの薄い今の女優にはない、妖艶な女の匂いが強烈!モダンな洋装よりも、やっぱ着物のほうが似合うな~と思いました。
 にこやかに媚へつらいつつ、師匠を出し抜くチャンスを虎視眈々と狙っている腹黒い女弟子3人は、若尾文子、叶順子、中村玉緒。
 若尾アヤパンは、美人というより可愛いですよね。彼女のアンニュイでドライなところが好き。いつもより悪女度が低くて残念。それにしても、すごいボロアパートに住んでたよなあ彼女。叶順子は、特に印象に残らなかった。玉緒は、のほほんとしてるけど実は誰よりも狡猾な食わせ者、という美味しい役でした。
 出てくるファッションが強烈。スゴい帽子とか被ってるし。

 
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

傍聴マニア② おんな被告まつり

2009-11-01 | 日本のドラマ(連続)
 向井理の「傍聴マニア09」第2話を観ただよ。

☆おんな被告祭!
 すっかり傍聴フレンドとなった北くんと山さん。二人とも、リゾート地にでも来てるような軽装です。北くんのボーダーシャツがオシャレで可愛いです。
 お二人さん、今日も仲良く何を傍聴しよっかな~と開廷帳をチェック。それにしても、この二人。ふだんは何してるんだろ?私も裁判の傍聴したいけど、平日はなかなか難しい。なので、すごく羨ましいです。
 麻薬とか詐欺とかに興味シンシンな北くんですが、山さんの指摘で今日は女性の被告の裁判が多いことに気づき驚喜。あわよくばエロさ爆発だぜ!とムフフ♪な山さんに、北くんもウキウキ♪笑えるけど、傍聴動機が不純すぎ。まあ、ほとんどの傍聴マニアってこーなんだろうなあ法廷で飛び交う性的な用語、それへの女性被告の反応とかを楽しむ、というのも一部マニアを惹きつける要因なんでしょうか。
 不埒な山さんと北くんの後頭部に、お約束のようにミワちゃんの六法全書が襲いかかる。あれ、実際にやられたら相当痛いだろーな。
☆名前と外見は一致しません
 松田誠子(マツダセイコ)、という被告人の名前に興奮する北くん&山さん、ですが。現れた被告人は、ハリセンボンのはるかをさらにブサイクにしたような女。
 
 ↑マツダセイコの正体に愕然となる北くん&山さん
 騙された!と怒って次の法廷へ向かう二人。次はカレンちゃんだって!ワクワク♪でもカレンちゃんは、太ったオバチャンでした。ふざけんな!と怒って次の法廷に賭ける二人。姫野由紀という名前に、期待は膨らむ。だが...何と姫野由紀はユキではなくユキノリ!盗聴ストーカーのおっさんだった!ショックで固まる北くん&山さん。
 
 ↑姫野由紀の正体に呆然となる北くん&山さん
☆魔女の条件
 ついにキター!な女被告とめぐり会う北くん&山さん。多くの男子生徒を誘惑して肉体関係をもったという、男にとっては犯罪者どころか女神さまか観音さまみたいな美人教師。裸の男の子たちを押し倒したりはべらせたりしてウフフ、ルルル♪みたいなAVかよ!なシチュエーションに、傍聴席の男たちは勝手にハアハア状態。でも、そこで終わり。なぜ被告がそんな犯罪に至ったのかは、ぜんぜん解明されず。私は、それこそ知りたかったのに!
 
☆恐喝 不倫の果て
 次は、不倫相手の元上司から金を脅しとろうとした女の裁判。被告はまあまあの美人だったので、北くん&山さんは安堵。
 証言台に立った被害者の中年男の、被告へのあまりにも身勝手で卑劣な仕打ちに、この最低野郎が!とプッツンした北くんは...
 
 証言台から退がった被害者に、ヤンキーもどきにガンとばし!おさむっち、アホみたい!だけど、か、可愛い~あんな可愛い顔でメンチきられても、ぜんぜん怖くない
 脅迫材料にするため、被害者を騙しラブホのベッドでツーショット携帯写真を撮る被告。被害者の胸毛がキモかった。でも、被害者役のおぢさん、オドオドしつつ最悪にセコいというキャラを、細かな表情や動きで見事に演じてましたねえ。
☆法廷外はやめて
 ミワちゃんに連れられ、バッティングンセンターへ来る北くん。もうデートかよ。会うのは裁判所でだけにしてほしいなあ。恋愛モードな展開はイヤだ。北くん、プー太郎でもイケメンなので、まあ女に誘われないほうが不自然かもしれんが... 
★総括
 かなり不埒で不謹慎な内容ですが、面白いです本格的で真面目な法廷ドラマを期待する人は、観ないほうがいいかも。正味30分ぐらいしかない短さも良い。
 おさむっちが超可愛いので、もうそれだけでワタシ的には鑑賞価値ありなドラマ。それにても理っち、頑張ってアホ演技してるけど、バカには見えないんですよねえ。プー太郎にしては、言葉づかいは丁寧だし礼儀も正しいし。北くんよりよっぽど非常識でバカなリーマンやOLなんて、いっぱいいるもん。
 
 今回のドラマ、超軽装だけどシンプルで可愛くてチャラくないのが素敵な、理っちのプー太郎ファッション。同じイマドキの若者な軽装でも、ラストフレンズの瑛太なんか、おまえは志茂田景樹センセイかよ!だったもんね。ダミアンに着せてみたい理っちのオシャレな軽装も、毎回楽しみ♪
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする