まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ケダモノ王子

2017-11-07 | 北米映画 15~21
 最近、しょーもないことでパニックに襲われることが多いんですよね~。
 目薬をさそうとして開けようとした蓋を、ポロっと落としてしまいヒイイイイイ!!!!!と取り乱したり。立ち寄ったスーパーでお菓子を買おうとすると、レジで同じ商品がコンビニより高いと知ってギギギギギギギ!!!!と泡吹きそうになったり。タオルと間違えて老父のパンツで手を拭いてると気づいてゲボボボボボ!!!!!と痙攣を起こしそうになったり。以前はそんなことなかったのに、やはり加齢、老化のせいでしょうか。何しても 心は寒し 秋の空…

 「美女と野獣」
 傲慢な振る舞いから魔女に呪いをかけられ、醜い野獣になってしまった王子。一方、美しい村娘のベルは、消息を絶った父の行方を追ううちに、野獣の城にたどり着くが…
 劇場で観逃してしまった大ヒット作を、ようやくDVDで観ることができました。名作との誉れ高いアニメ版も未見の私、ほぼ予備知識なしで実写版を観たのですが、思ってた以上にファンシーな甘々スウィーツ映画でした脳みそが虫歯になるかと思った。冷血なおっさんの私には、キッツい映画でした。お子さまと一緒に観られる系映画や、カップルのデート用映画って、概して苦手なんですよね~…

タイトルに、ちょっと異議あり。ヒロインのベルが、美女…?百歩譲ってブスじゃないけど、地味で貧相。そして、気が強そうで冷たそう。ベルはもっと、ふんわりと柔和な、優しそうで華がある美女じゃないとあかんでしょ。まあ、そんな女優いないので、実写はそもそも無理あった。ベルを演じて絶賛されたというエマ・ワトソンは、田舎の進学校の優等生って感じで、ゴージャスなミュージカルのヒロイン女優じゃない。ハリーポッターは第1作目しか観ておらず、その時も特別エマ・ワトソンに魅力を感じなかった私なので、彼女が今や世界的大女優扱い、世界的美女扱いされていることに違和感を抱いてるのですが、田舎のインテリ少女って感じはベルのキャラには合ってたのでは。いい年してカワイコぶりっこな女優が多い中、若いのにチャラチャラしてなくて、誰にも媚びてないクールで聡明そうなところには好感。でもやっぱ、見た目も演技にもうっとり惹き込まれるような魅力がないわ~。
 ベルも美女じゃなかったけど、野獣も全然ケダモノじゃなかったです。もっと怖くて醜い風貌にしたほうが、見た目より中身が大事!というテーマが伝わったのではなかろうか。むしろカッコよく見えたし。千原ジュニアとかオードリー若林、いや、松じゅんとか菅田まさきよりも、あの野獣のほうに抱かれたいです野獣の中の人が、ダン・スティーヴンスなので尚更。

 いよいよハリウッド大作に抜擢されたダンですが、残念ながらイケメンな彼はラストでやっと、ちょっとしか見られません。もったいない!野獣姿でも、あの深く澄んだブルーアイズだけは隠してませんでしたが。ラスト、呪いが解けて現れるイケメンなダンは、まさにマジカル!あれがもしダンではなく、ジャイアンツの田口くんとか畠くんみたいなブサメンだったら、ベルはどういうリアクションを示したでしょうか。野獣に戻れ!と呪いをかけ直したくなるかも?野獣だって、お城に来たのがベルじゃなくて私だったら、無視か追い返したでしょうけど恋愛のとっかかりに、やっぱ見た目は大事だもんね。そうじゃない!と言える説得力が、結局は美男美女が結ばれるキレイな都合のいいおとぎ話であるこの映画にはなかったです。
 お城でカップやロウソクが歌って踊るミュージカルシーンは、カラフルで愉快なのですが、何だかラスヴェガスのショーみたいなケバい派手さが。もうちょっと上品で優雅なテイストにできなかったのかなあ。CGだらけで、ほとんどアニメみたいだった。人間の役者の歌と踊りが印象薄だったのが残念。

 ベルに横恋慕する悪党ガストン役、ルーク・エヴァンズもイケメンでした。オチャメな脳筋男っぷりが笑えた。コメディもイケるなど、演技の幅の広いところを証明してました。でも、ぜんぜん悪人には見えなくて。どんな役でも、いい人オーラが消えない。ベルのパパ役が、ケヴィン・クラインだったのが驚き!男盛りだった「ワンダとダイヤと優しい奴ら」の彼に比べると、すっかり爺さんになってました。でも、老い衰えたって感じはなく、イケてる爺さんな風貌。この映画のクライン氏と最近の嵐とだったら、前者に抱かれたいです
 ロウソクやポットにされた召使い役で、ユアン・マクレガーやエマ・トンプソン、イアン・マッケランなど大物俳優が脇を固めてます。ほぼ声だけ出演で、ラストになってやっと姿を現します。アメリカを象徴するディズニー映画なのに、お話の舞台はフランスなのに、ケヴィン・クライン以外のメインキャストは、なぜかほぼブリティッシュな面々で固められてました。ゲイなキャラが登場してたのが、カミングアウト俳優のパイオニア?マッケラン爺さんがオスカー候補になったゲイ映画の秀作「ゴッド・アンド・モンスター」を放ったビル・コンドン監督らしくてニヤリ。
 王子さまに愛を教えるために呪いをかけた(たぶん)魔女ですが、ぜひ北の将軍さまとトランプ大統領にもお願いしたいわ。二人が愛を知れば、世界はきっと平和になるでしょうから…

 ↑英国産のいい男ふたり。ビル・コンドン監督にはぜひいつか、二人主演で熟年BL映画を撮ってほしいものです。マッケラン爺さんが喜んでゲスト出演しそう
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マットと越えたい万里の長城

2017-11-05 | 中国・台湾・香港映画
 今日、大きな一歩を踏み出しました。尋常でない勇気と体力が必要でしたが、ついに…
 って、単に初めての美容院に行っただけですオーバーな書き方してすみみません(^^♪でも、小心で怠け者で変化が苦手な私にとっては、すごく頑張った行動だったのです。
 長年通ってた美容院が遠くへ移転してしまい、さてどうしような状況に。早く探さねば行かねばと思ってるうちに、急な入院。髪は貞子、いや、佐藤蛾次郎みたいな惨状となり、ドクターやナースに手術や看護やりにくい!と確実に思われてました。結局、M子の友人が利用しているという美容院に、勇を鼓して予約し、今日ついに断髪できました。カットしてくれたのは、徳井優をチョビ髭にしてオカッパみたいな髪型にして、パリジャンみたいなオサレな服を着せた感じの男性美容師さんで、過剰なほどの愛想トークでもなく、接客は適度というかテキトー。カットも可もなく不可もなく、といった感じでした。値段もそこそこ。これって、もっと良いと思う店を探すべきなのか、めんどくさいしそこでいいじゃん!なのか、今ぼんやりと短くなった髪に深まりゆく秋を感じ、ちょっと寒いです。
 
「グレートウォール」
 最高の武器を求めてアジアを旅する欧州の傭兵ウィリアムとトバールは、中国の軍隊に捕縛される。万里の長城を越えようとする謎の怪物の大群と、中国軍は死闘を繰り広げていたが…
 愛するマット・デーモン主演なので劇場で観る予定だったのに、あっという間に、知らん間に上映が終わってた作品。

 ハリウッドの大スターであるマット・デーモンと、中国の名匠チャン・イーモウ監督、なんて異色すぎる!けど良作を期待させる顔合わせ、なのですが。完成した作品は、かなりのトンデモ系になってしまいました。混ぜたらヘンな味になった料理、混ぜたらヘンな化学変化を起こした実験、みたいな映画。アメリカでは酷評され大コケしてしまい、今年のアカデミー賞授賞式では司会者にそれをイヂられたり。すっかり駄作の烙印を押されてるみたいだけど、そんなことは観ない理由にはなりません。むしろますます観たくなったわ。いざ待望の蓋を開けてみると…私はそれほどヒドい映画とは思わなかったけどな~。決して質が高い映画とは言えないけど、ぶっちゃけララランドより面白かったぞ(笑)。それは私がトンデモ系が好きで、なおかつマットが大好きだからでしょうか。

 万里の長城にモンスターが襲来、という設定からしてトンデモなのですが。時代考証も怪物の正体も、かなり雑というかテキトーというか、これってパラレルワールドだよね?な内容です。ただひたすらモンスターと闘う、それだけ、な映画ですが、そのシンプルさも好ましかったです。やたらと話を複雑にしたり、凝ったドラマをぶっこんでくる某人気SFシリーズや某人気ファンタジーシリーズとか、私は苦手です。

 モンスターとの戦い方が、なかなか愉快でユニークです。美女軍団のバンジージャンプ攻撃とか、火炎玉攻撃とか、奇想天外で目に楽しいです。中国舞踊のようなアクション、衣装の色鮮やかさなどが、同じイーモウ監督の「HERO」を思い出させます。

 ハリウッドで1、2を争う高額ギャラスターなのに、どんだけ稼ぐ気!中国でも荒稼ぎのマット。「オデッセイ」もそうだったけど、中国マネーがハリウッドに及ぼす威力を今回も感じずにはいられませんでした。今回はついにマットの買収?に成功。日本映画はどう頑張っても、マット・デーモンを招くことなどできませんから。でも、邦画にマットがまったく必要でないのと同様、中国映画にもマットの需要はないはず、なのに、無理やり主演作を作ったゴリ押し感も、ひしひしと感じられます。そんなことはどーでもいい、ギャラさえもらえればなマットと、ハリウッドを動かすことができる富と国威を知らしめたい中国との思惑が一致してできた映画?製作費のほとんどは、マットの出演料なのでは。CGだらけでかなり安く仕上げてたし。

 でもマット、ギャラ目当てのやっつけ仕事でも、やっぱカッコいい!中国人に囲まれると、いつも以上に逞しく頼もしいゴリマッチョに見えました。舞台がどこでも、時代がいつでも、明るく優しく素朴なアメリカ人にしか見えないのもマットの魅力。ウィリアムって、でも何人だったんだろ?あの時代に、アメリカ人は海外で交易とかしてたの?まさかイギリス人の役?!

 トバール役のラテン系俳優ペドロ・パスカルも、なかなか男前でした。ウィレム・デフォーも出てましたが、彼の役も雑すぎ。中国人が英語を喋れるという設定のために作られた役みたいでした。中国側のキャストは、将軍役のチャン・ハンユーが激シブな男前!でもすぐ消えてガクっ。チャン・ハンユーは、ジョン・ウー監督の新作で福山雅治とW主演!女将軍リン役のジン・ティエンの麗人ぶり、アンディ・ラウの津田寛治化が目立ってました。それはそうと。「インファナル・アフェア」でのアンディの役と、ハリウッドリメイク版の「ディパーテッド」でのマットの役って同じなんですよね。意外で奇遇な共演となりました。

 ↑マットの新作「ダウンサイジング」が来春日本公開決定
コメント (4)
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