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ロバート・アルトマン監督『三人の女』

2006-11-11 16:33:45 | ノンジャンル
 ロバート・アルトマン監督の'77年作品「三人の女」をWOWOWで見ました。アルトマン監督の作品は、「M★A★S★H」「ナッシュビル」「ウエディング」のような群像劇と、少人数の人間関係を描いた作品群に分かれますが、本作は後者の方です。
 ある老人のリハビリ施設に、新人のスタッフとしてやってきた内向的で変わり者のピンキー(シシー・スペイセク)は、先輩のミリー(シェリー・デュバル)に恋心を抱き、彼女のルームメイトになり、ミリーの日記を盗み読みします。ミリーの行きつけのバーと彼女達が済む集合住宅のオーナーであるシェリーは極端に無口な女性で妊娠しており、地面に絵を描くのが趣味です。
 ある日、ミリーはシェリーの夫を部屋に連れ込み、以前のルームメイトに自分主催のパーティーをキャンセルされた腹いせにピンキーを罵ります。ピンキーはショックを受け2階からプールに飛び込み、昏睡状態になります。昏睡から目覚めたピンキーはミリーのことは分かりますが、自分の両親を認識できません。退院した彼女は昏睡前に比べて社交的になり、傍若無人にふるまいます。ミリーは、以前ピンキーが自分の社会保険番号を自分のものとして使ったことで、管理責任を問われ、リハビリ施設を辞めます。
 そんなある日、夜中にミリー達の部屋にシェリーの夫が現れ、シェリーの出産が始まった事を知り、二人で駆け付けます。ミリーはシェリーの看護をし、ピンキーに医者を呼んで来るように言いますが、ピンキーは二人の姿を見つめることしかできません。お産は結局死産に終ります。
 ラスト、銃の暴発で死んだとされたシェリーの夫に替わり、ピンキーがシェリーのバーの店番をしています。彼女はミリーのことをママと呼び、シェリーを加えた3人が奇妙な共同生活を始めたことを暗示させ、映画は終ります。
 ミリーとピンキーの上下関係の逆転がこの映画の主たるテーマだと思います。シェリー・デュヴァルもシシー・スペイセクも自然で個性的な演技で、一見の価値があると思います。もう30年も前の映画ですが、楽しく見れました。もし見る機会があったら、オススメです。