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三島由紀夫主演『からっ風野郎』

2006-11-13 16:42:51 | ノンジャンル
 W0W0Wで、三島由紀夫主演、増村保造監督の'60年作品「からっ風野郎」を見ました。
 相良組の組長を撃った罪で刑務所にいる朝比奈組の二代目タツオ(三島由紀夫)は、出所してから相良の雇った殺し屋に命を狙われます。タツオは実家の手伝いをしていた若い女(若尾文子)に惚れ、妊娠させますが、労働運動のリーダーの兄に巻き込まれ彼女は逮捕されます。釈放された女に子供を堕ろすようにタツオは言いますが、彼女は頑として産むといいます。そんな時、彼女の兄が相良組に誘拐され、タツオは彼の解放と、朝比奈組の収入の大半を占めるトルコ風呂の権利書との交換を提案されます。始めのうちは無視しようとしますが、最後には相良組の条件を飲み、タツオは堅気になる決心をします。大阪の叔母さんのところへ一時身を隠すため、東京駅に向かったタツオと女は、釈放された女の兄を待ちますが、タツオがちょっと女のもとを離れたすきにタツオは殺し屋に殺されてしまいます。
 三島由紀夫は、まさに駆け出しの気の強いあんちゃんという役どころそのままで、文化人の「ぶ」の字も感じさせません。開巻から上半身裸で、普段も素肌の上に革ジャンをはおり、肉体を見せる場面はふんだんに用意されています。これはやはり、本人の希望だったのでしょうか?
 でも何と言ってもこの映画で一番素晴らしいのは若尾文子の存在感で、どんなにタツオから暴力を受けても子供を産むとの決心を曲げない、気の強い、しかも地味な女を見事に演じていましたし、役をはみだした彼女の魅力には目をみはるものがありました。
 プログラム・ピクチャーの一本として作られた映画ですが、三島由紀夫ファンの方は必見です。