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誉田哲也他『七つの黒い夢』

2008-08-23 16:03:09 | ノンジャンル
 21日発行のフリーペーパー「R25」に、縁日の金魚を長生きさせる方法が載っていました。1、5日に1回は水の半分くらいを交換、2、最初だけ0.5%の塩水にする、3、以前から飼っている金魚と一緒にしない、4、飼い始めの3日や水替えの前後は餌をやらない、5、水替えをしても水温変化は1度以内にする、などです。ちゃんと育てると15年も生き、20cmにもなるとのこと。金魚の命を大切に!

 さて、違った作者による7編の短編からなる、'06年に刊行された「七つの黒い夢」を読みました。
 乙一「この子の絵は未完成」は、幼い息子が描いた絵が描いたものの匂いを発してしまうことに、息子が非常識だと叱る母親は、絵を描くことを息子に禁じますが、登園拒否の友達に息子が幼稚園の絵を描いてあげることによって、友達が幼稚園に通えるようになるという話。
 恩田陸「赤い毬」は、母方の祖母の家で、少女姿の既に亡くなっていた祖母に出会い、赤い毬をつきあった思い出を語る話。
 北村薫「百物語」は、サークルの後輩の女子大生を自分の部屋に泊めた男は、朝まで寝ないと言う後輩に付き合うため、交互に怖い話をして、話が終わる度に室内の照明を一つずつ消す「百物語」をすることにしますが、最後に後輩が、熟睡すると体があるものに変ずる女の話をして、部屋が暗闇に包まれると、後輩は熟睡してしまい、闇の中で何物かに変わっていくという話。
 誉田哲也「天使のレシート」は、将来科学者となって宇宙のバランスを崩す物質を発見する中3の男の子を医者にするために、その男の子の妹を植物状態にするため神から遣わされた天使の話。
 西澤保彦「桟敷がたり」は、いたずら電話で、爆破された飛行機に乗せようとしていたという電話主の嘘を見破る女子大生の話。
 桜坂洋「10月はSPAMで満ちている」は、新しい勤め先で野良猫に魚肉ソーセージをやっている人間が誰かを、迷惑広告であるスパムメールを防ぐフィルターの知識で推理する同僚の女性の話。
 岩井志麻子「哭く姉と嘲う弟」は、姉が3つの不思議な恋の話をしてくれたことを姉に弟が思い出させますが、二人は実は姉弟ではなく、寝たきりの老人と、その元に戻ってきた妻であったという話、です。
 誉田哲也さんの短編を読みたくて買った本でしたが、取り上げて面白い短編はありませんでした。ただ、乙一さんの文体が面白いと思いましたし、また、今回初めて読む岩井志麻子さん(この人はメディアでの露出が多い方なので、名前と顔は知っていました)の文体がとても古めかしいことを知りました。個人的には桜坂さんの作品の事務の女性、誉田さんの短編の天使のキャラクターが面白かったと思います。ちょっとした暇つぶしにはオススメかもしれません。