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高野秀行『辺境の旅はゾウにかぎる』

2008-08-24 15:31:01 | ノンジャンル
 北京オリンピックももう終わろうとしていますが、今回日本選手がメダルを取っての第一声が「~に感謝します」という言葉から始まっているのが目立ちました。これこそ日本の美徳なのではないでしょうか。とてもすがすがしい気持ちになりました。日本選手の方たち、ありがとうございました!

 さて、高野秀行さんの最新刊「辺境の旅はゾウにかぎる」を読みました。
 まず、ミャンマーに関する文章が続きます。首都がヤンゴンからいきなり田舎町のネピドーへ移った話、アヘン地帯からの脱出の話、トラブル続きだった、テレビクルーとのビルマロードからの帰り道の話、乗り物としてのゾウの話、野性のヤマアラシとコタケネズミとゾウの話、雨季と乾季の話、民間人が皆着ているロンジー(腰巻き)の話、酒の話、世界一の産出量を誇るルビーとヒスイの話、ミャンマー人は金(きん)が好きだという話です。それにタイでの占い詐欺の話がおまけでついています。
 次に対談。角田光代、井原美紀、内澤旬子、船戸与一、大槻ケンヂ各氏が対談相手です。対談の間には、ゾウを使役する言葉が東南アジアで共通であるなどのエッセイが書かれています。
 最後に著者の推薦本。旅に持っていく本としては、「志ん朝の落語1」、曲亭馬琴「南総里見八犬伝(一)」、五味康祐「秘剣・柳生連也斉」、椎名誠「武装島田倉庫」「水域」が、エンタメ・ノンフとしては、登賢「ゴールデン・トライアングル秘史」、服部文祥「サバイバル登山家」、高野潤「アマゾン源流生活」、ケリー・テイラー=ルイス「シャクルトンに消された男たち」、ミルダ・ドリューケ「海の漂泊民族バジャウ」、イザベラ・バード「日本奥地紀行」、中島京子「均ちゃんの失踪」、奥圭三「例えばイランという国 8人のイランの人々との出会い」、宮本常一「忘れられた日本人」、青山潤「アフリカにょろり旅」、高橋秀美「素晴らしきラジオ体操」、宮田珠己「不思議な盆栽ホンノンボ」、内澤旬子「世界屠畜紀行」、島津法樹「魔境アジアお宝探索記」、牛山隆信「秘境駅に行こう!」、石丸元章「KAMIKAZE神風」、ウ・フラ「ビルマ商人の日本訪問記」、佐藤健寿「X51,ORG THE ODYSSEY」、太田牛一「信長公記」、船戸与一「金門島流離潭」、西木正明「流木」が紹介されています。中でも中島京子さん、高橋秀美さん、宮田珠己さん、内澤旬子さんは絶賛されていました。今著者がはまっているのはナカキョーこと中島京子さん、エンタメ・ノンフの代表格は宮田珠己さん、横綱は高橋秀美さんなのだそうです。またここで、エンタメ・ノンフの名付け親が高野さんであることも知りました。
 対談では内澤旬子さん、大槻ケンヂさんとのものが面白いものでした。内澤さんとは多数派からからはじき飛ばされた境遇を相憐れみ、大槻さんとはマンセームーノー人間(慢性的に雑誌「ムー」に取り憑かれた脳を持つ者。慢性的に無能とも解される)について熱く語っています。
 紹介されている本に関しては、どれも面白そうで、今後半年はこれらの本で楽しく暮らせそうです。エンタメ・ノンフィクション・ファンの方には文句無しにオススメです。