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ルイス・ブニュエル監督『グラン・カジノ』

2009-07-30 16:12:00 | ノンジャンル
 スカパーの260チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」で、ルイス・ブニュエル監督の'46年作品「グラン・カジノ」を見ました。
 油田を持っているホセ・エンリケはファビオからの買収の話を断っていますが、妨害工作に会い働く人を集められません。そこへ刑務所から出て来たばかりのヘラルドとデメトリオがやってきて雇われ、デメトリオが人を集めることに成功し操業開始を迎えますが、ファビオの経営するグラン・カジノで馴染みの踊子・カメリアに会ったホセ・エンリケは彼女と2階に消えると、そのまま消息を絶ちます。彼の相続人である妹のメルセデスがやってきますが、迎えに出たヘラルドは彼女の連れをメルセデスを勘違いし、ホセ・エンリケが行方不明になったことを告げます。メルセデスは謎を解くため歌手としてグラン・カジノに雇われますが、今度はデメトリオが同じ手口で殺されます。真相を知ったメルセデスはヘラルドに自分の身元を明かし、兄の仕事を継ぎます。ヘラルドは復讐のためにカジノに向かい、ファビオの手下に囲まれますが、舞台に立って歌うことで囲みを解きます。メルセデスとファビオは2階に上がり、ヘラルドを殺そうと部屋に隠れていたファビオの部下を撲殺し、部屋に入ってきたファビオを痛めつけて殺しの命令を出したのが石油会社の重役であるエッケルマンであることを聞き出します。ファビオが拳銃を取り出したのでヘラルドは彼を撃ちますが、手下に捕らえられ殺されそうになります。メルセデスはエッケルマンを訪ね、ヘラルドを救うことを条件に油田を売ります。そして二人が旅立つ時、予定していた通り油田が爆破される音が聞こえるのでした。
 まさに絵に描いたような商業映画でした。シュールレアリズムの痕跡はわずかにファビオの手下がヘラルドに撲殺されるシーンだけに見られ、カーテンを鈍器で殴るとガラスが割れる映像がカーテンにオーバーラップされるというものでした。またヘラルドとメルセデスが話すシーンで、ヘラルドが床に落ちたコールタールをかき混ぜるところをアップで見せる部分も話とは全く関係がないだけに印象に残りました。シュールレアリスムの痕跡をわずかでも辿りたい方にはオススメです。