gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

津村記久子『やりたいことは二度寝だけ』

2014-03-10 10:27:00 | ノンジャンル
 朝日新聞の特集記事で紹介されていた、津村記久子さんの'12年作品『やりたいことは二度寝だけ』を読みました。エッセイ集です。
 読んでいて面白いとか、ためになると思ったのは、野球の審判はトイレに行けないので、ズボンの裾から小用をすることがたまにあること、著者が魅惑的な炭水化物含有食品は、じゃがいも、うどん、ごはん、パンであること、19世紀に南アフリカで鉄道の信号手をしていたという「ジャック」とうい名のすごいヒヒがいて、事故で両足を失った信号手の飼い主に、市場でワゴンを押しているところを見いだされ、掃除はできるわ水は汲めるわ、飼い主をトロッコで待機場所の小屋から信号操作室まで運ぶことを覚え、あげく、信号機のレバーを自分の判断で操作できるようにまでなったらしいこと、十一歳の女の子が大人と間違われて比例代表の投票をしてしまったというニュースがあったこと、着るものの目安として、25度までなら長袖、20度までなら羽織るもの、15度までならセーター、11度以下はコート、更に以下は好きに着膨れろとネットに載っていたこと、食堂がテレビで紹介されると常連の人が入れないほど人が殺到してしまい、かえって常連が離れてよくないこと、著者は喫茶店でエッセイを書いているが、あまりにおもしろい話をしている人が隣にいる場合、例えば、高校生ぐらいの男子がカブトムシの繁殖の話を始めたり、女の人同士が介護の話をしていたり、若い男の人が彼女らしき女性に「コーヒーフレッシュを大学に入るまで使ったことがなかった」と突然告白しだしたりすると、仕事が手につかなくなること、「ああもう人生これでいいのか」「すこし太ったよなあ」「このまま劣化するのか」「誰にも相手にされなくなるぞ」などという定番のネガティブ思考に頭が支配されそうになった時には、とりあえず手を動かせばなんとかなること、東京から大阪に帰る新幹線では誰も苛立っている様子がないこと、著者は幼稚園の時に、講談社の『世界の動物』という十巻セットの図鑑を親に与えられて以来、もう三十歳になろうかという今になっても、ときどきそれを眺めて過ごし、昔も今もいちばん気に入っているのは、第一巻「無脊椎動物 アメーバ・サンゴ・貝・昆虫・ヒトデなど」であること、また著者がほかによく見た図鑑は、小学生になってから買ってもらった、学研の図鑑『世界のチョウ』であること、著者が街歩きをしていると、自分が生きているのかどうかわらならくなり、自分は歩いている人間なのか、ごく浅く物思うだけの動くカメラなのか、その感覚には不思議と幸せな手触りがあること、厄年というのは、自分ではなく周囲の人に何かがある時期のことをいうんだということ、著者が文具屋のおやじさんから、シャープペンシルの芯はBぐらいがちょうどいいと言われたこと、著者は文具店や文具コーナーに行くと時間を忘れること、著者がよく使う言葉に「いくばくかの」と「噛み締める」があること、著者が使いたくてうずうずしている三大言葉は「出血大サービス」と「根性ばば色」と「trabajo mucho」であること、著者は英語でヤギが「BAAA」と鳴くのが好きで、自分もときどき「バー!」と泣きたくなること、森永チョイスビスケットの裏にチョコレートが塗ってあるやつが最近破格においしいこと、などなどでした。
 気軽に読めるエッセイ集だと思います。暇な時間がある時などに、お勧めです。

 →「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/