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阪本順治監督『北のカナリアたち』その1

2014-03-30 08:19:00 | ノンジャンル
 阪本順治監督の'12年作品『北のカナリアたち』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
 雪国で子供のノブに石を投げられるハル(吉永小百合)。図書館を定年退職した独身のハルは、しばらく温泉でのんびりしようと考えています。ある日、刑事が訪ねてきて、彼女が20年前に生徒が6人しかいない北の島の分校で教えた最後の教え子・鈴木信人に、以前勤めていた会社の社長を殺した容疑がかかっていると言います。6人の中で一番年少で泣き虫だったと語るハル。
 ハルは稚内に6人のうちの1人のマナミ(満島ひかり)を訪ねると、彼女はノブが中学を出て金沢の親戚に引き取られた後は知らないと言います。20数年前、大学教授の夫のユキオ(柴田恭兵)とともに、島の助役(里見浩太郎)の娘として島の新しい先生に赴任したハルは、イサムに虐められてノブが叫び声を上げると、それを歌に導き、ノブの歌の才能を発掘します。道北の代表で合唱大会にまで出た6人。ユカの独唱を妬むケンカが起こり、ユカは声が出せなくなり、子供たちに仲直りをさせるため、ユキオは明日バーベキューをすることにします。そこでユカが足を滑らせて海に落ち、独唱は私がやるとユカに言っていたマナミは彼女が自殺しようとしていたのだと思い込みます。ユカは助かりますが、助けるために海に飛び込んだユキオは亡くなります。その後、ユカが海に落ちた時、生徒を夫に任せてハルが男に会っていたという噂が広まり、それで先生は島を去ったのでは?とマナミは言います。
 ハルはマナミに聞いて、次に、やはり6人のうちの1人で今では札幌の貿易会社に勤めているというナオを訪ねますが、ナオは先生の住所を刑事に教えたのは自分だと言い、当時ノブの身内はじいさん一人だったと語ります。彼はハルの夫が亡くなったのは自分のせいだと言い、ユカの母がやっている飲み屋に父が入り浸りだったので、自分がユカの母を侮辱し、ユカは声が出なくなったのだと言います。そしてバーベキューの日、ユキオの助言でユカに謝りに行ったのですが、ユカは逃げ出して海に飛び込んでしまったのだとも。彼の会社は倒産してしまい、友人とウラジオストクに新しい会社を作ると彼は言います。そして札幌の幼稚園で働くユカ(宮崎あおい)のところへハルを案内し、ずっと同じ場所で育ったのに、未だに彼女とは一度も話したことがないと言うのでした。
 ハルがユカを訪ねると、ユカは先生が島を去ると、まさに『歌を忘れたカナリア』のように誰も歌を歌わなくなり、ノブは吃音がひどくなっていったと言いました。そしてユキオを殺したのは自分で、独唱の件でもめていたので皆が困ればいいと思い、自殺のマネをした結果、足を滑らせたのだと言います。そして先生が男と会っていたという噂も自分の母が流したと言いますが、ハルはユカの母は嘘は言っていないと言います。ユキオは脳腫瘍で余命が半年だったとハルは言い、ナオと話してあげてほしいと言います。ナオとユカは出会い、ユカがハルに教わっていたように黙って手を出すと、ナオはそれを握り、二人は抱き合い和解します。
 回想シーン。ハルが帰宅すると、留守中にハルの父が来てたくさん薬を置いていったとユキオは言い、全部捨ててくれと言います。食事も先に済ませたと言うユキオは、ハルに「これからは自分のしたいことをしろ」と言います。夜中、部屋に閉じこもり、一人で発作に苦しむユキオ。ある日、ハルが帰宅するとオートバイが倒れ、そこから血痕が点々と続いていました。それを辿ると、崖に佇む警官(仲村トオル)がいて、彼は犯人に取られた人質の少女の命を救えなかったことで、ずっと自分を責めていて、自殺を考えていると言うのでした。「もう一日、待てませんか?」と声をかけるハル。
 ハルにマナミから電話がかかり、6人のうちの1人ナナエ(小池栄子)が稚内の造船所で溶接の仕事をしていると聞きます。ハルがナナエに会いに行くと、彼女は東京でノブと会った時、近々結婚するので、ハル先生にも結婚式に来てほしいと言っていたこと、そしてノブにハルの住所を教えたことを語ります。そして先生が男と会っていたという噂は私も流していたと言い、バーベキューの日にハルと男がキスをしているところを見てしまったのだとも言います。ノブもハルと男の人が一緒のところを見たことがあったが、人を好きになったら、どうしょうもないこともあるとノブは言っていたとナナエは言います。(明日へ続きます‥‥)

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