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三池祟史監督『風に立つライオン』その3

2017-07-18 06:03:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 貴子、ンドゥングに「絵を描いてくれない?」。
 子供たち「いただきます」。一人の子「島田先生、元気かな?」。
 ンドゥング、他の子に「ここを出たらジュバで泥棒して、銃と車を手に入れる」貴子「二度と銃を手にしちゃだめ」「航一郎は俺のボスじゃない。俺はミケじゃない」。
 サッカーをする子供たち。一人の子、指さし「ンドゥ!」。島田、自分でトラックを運転してやって来る。「ナグルから来た」ロビー「国道沿いは盗賊だらけだ。もう二度とこんなマネをするな」。多くの荷物を降ろす島田。「ミケ、元気だったか? 絵は?」。貴子を見るンドゥング。「おかえりなさい」と貴子。(中略)
 手術をする島田の絵を描き始める、義足をつけたンドゥング。
 聖歌。夜のたき火。無表情のンドゥング。島田、サンタ姿で現れ、子供たちにプレゼントをあげる。ロビー「あの荷物はこれだったのか?」。ンドゥングには銃を渡す。ンドゥング「父さんは学校の先生。母は優しかった。妹もいた。ゲリラは両親を殺した。その中に父の教え子もいた」と言い、銃をたき火に投げ入れる。聴診器を渡す島田。ンドゥング「医者になれる?」「なれるよ」「なれるわけない。9人も殺した」「一生かけて10人助けろ。未来はそのためにある」。
 島田「ロビー、相談が。この先もずっと雇ってほしい。もう日本には戻らない」。「メリークリスマス」と言って乾杯する2人。
 貴子、ロビーに孤児院を作りたいと訴える。「規則違反だぞ」「そういう話じゃないです」「では協力する」。
 教室の準備をする子供たち。
 絵の授業。
 「いただきます」と皆で食事。
 貴子「先生になって2年。父ももう限界」。太郎が魚を持ってくる。
 貴子「太郎もそろそろ嫁貰ったら?」「俺の嫁は人魚だから陸に上がれない」。
 貴子の母「太郎も食べていけばいいのに。太郎と一緒になったら?」。父も頷く。神妙な貴子。
 漁に出ている太郎は、貴子に手を振る。
 島田に貴子の手紙。「診療所を継ぎ2年。青木からまだアフリカにいると聞きました。実は私の人生にも大きな変化が……」。
 所長、島田に「2時間の間に10歳ふけたな」「次にこっちに来た時、日本への手紙を出してください。まだ書けてないので」。
 夕陽。
 島田「アフンディ、国境近くに病人がいる。同行を頼む」。
 診察する島田。老人に「大丈夫」。
 帰りにトラックを停めるアフンディ。「どうした?」。岩陰にケガ人。「病院に運べば助かる」。(中略)
 「アフンディ、パトロールに行こう」「ダメだ。悪魔の臭いがする。先祖の霊や神様が行くなと」「心配するな」と強引に出発させる島田。
 国境。アフンディ「日本人の医師だ」兵士「噂に聞いてる」別の兵士「いい時計してるな」「この先はダメだ」アフンディ「分かった。戻る」。
 島田「何を神経質になってる?」。車、タイヤが砂の上でスリップして走れなくなる。「バックしてスピードをつければ」「ここはミケが見つかったところだ。時間も同じ」。狙撃される2人。反撃したアフンディは撃たれる。島田の目の前に手榴弾。暗転。
 アフンディが目覚めると、血痕が点々としていて、島田の姿はない。「航一郎!」と叫ぶアフンディ。
 太郎と結婚生活を送る貴子。青木から電話。「え?」。
 所長は島田の机に座り、貴子宛ての手紙を見つける。(中略)
 帰宅して島田からの手紙を見つけた貴子は、その場で読み、泣き崩れる。“お願いだからしあわせになってください”の一文。(中略)
 「結局遺体は見つからなかった。貴子は気丈に振る舞い、航一郎が戻ると信じていた。孤児院の初代院長となり、10年後ガンで死んだ。死の直前まで誰も気づかず、遺志の通り、この地に埋葬された。アインシュタインはシリコンバレーに就職し、ここに多額の寄付を続けてくれている。ただ皆が幸せになった訳じゃない。再び兵士になった者もいる。日本は大丈夫? 大地震と津波で」。
 老婦人「これを日本に届けて。私は日本の医者に治してもらった」とトウモロコシの種を渡す。
 冒頭のシーン。雪が散り振る中、一人の少年がしゃがんでいるのに気づく。黒人「OK。大丈夫。怖がらなくていい。私はミケランジェロ。お医者さんだ」。笑う少年。
 笑う島田。貴子「今日も行くの?」「ああ、ミケは残れ。帰ってきたら一緒に勉強しよう」「気をつけて」。出発する島田を見送るワカコとミケ。(中略)
貴子が孤児たちと映った写真。島田が孤児たちと映った写真。
 幼い島田の友人「航ちゃん、サンダーバード2号のプラモ、買ってもらえるの?」「母さんに頼んだから大丈夫」。
 幼い島田の母「はい、これ誕生日のプレゼント」。包みの中はシュバイツァーの伝記。寝がけにそれを読む島田。
 夕陽を浴びる島田の姿で、映画は終わる。

 心に染み入る映画でした。