昨日の続きです。
撮影が始まり、固定器具を外されると、その場で倒れ込むマリー。駆け寄るジャン。「120分だったからな」とステファンは言い、銀板を運ぶのを手伝うようにジャンに命じる。「マリーの顔がまだ青い」「いつものこと」。
ジャン、植木鉢を1分40秒の露出で撮ろうとしていると、ステファンが現れる。「何をしてる?」「テストです」「何の?」「自分でも撮ってみようかと」「身分をわきまえろ」「すみません」「すぐ片付けろ」。
土地開発のパンフを見たマリーは「すぐ売るべき」だと言う。ジャン「お父さんは反対なんだ」「本心は引っ越したい。でもこだわる理由が多い」「温室の植物全部もスタジオも全部移せる。自分の人生を手にしないと」「私もそう思う。何かに立ち向かえねば」。
マリー「開発計画をどう思う?」ステファン「二重のイカサマだ。本当に実現するのか、そしてバラ色の未来なのか」「ここにずっと?」「将来のことは考えてる。お前は最高のモデルだ。仕事に区切りがついたらファッション誌に戻ってもいい。お前と最高の写真を撮る。また世界中があっと言う」「話したいことがあるの。私、トゥールーズで暮らすわ。こうなる日が来た」。無言で階段を下りていくステファン。
夜の邸宅。ジャンとマリー。「ルイは帰った」「僕ももうすぐ帰る」「泊まっていかない? 不安なの」「いいよ」。
夜の書斎のステファン。「ステファン」の声。いぶかるステファン。また「ステファン」の声とともに今度はドゥニーズが背後から抱きつく。振り向くと誰もいない。一人でに開くドア。そのドアで隣室に行くと、また開くドア。地下室に降りていく妻の姿が一瞬見える。自分も地下室に行き、「「ドゥニーズ、戻ってきたのか? なぜ私を恨むんだ? ダゲレオタイプのおかげでお前は“永遠”を得た。私は引退同然だ。お前は全てを与え、存分に付き合ってくれた。あんな最期を選ぶなんて思ってもいなかった」。妻に手を伸ばすと、姿は消えている。階段を上っていく妻。「からかわないでくれ」。マリー「誰かいるの?」。階段を転落するマリー。ステファンは駆け下りて動かないマリーを前に泣く。
ジャン「どうしたんです」「分からない。落ちたんだ」「救急車を!」「呼んでも無駄だ」「早く電話して!」「手遅れだ」。
車を運転するジャン。後部座席にはマリーの姿。車を停車し、毛布を掛け、再発進させるジャン。再び車を停め、降りると、マリーの姿が消えている。「マリー!」。マリーが見つかる。「捜してたんだぞ。さあ、病院へ」「うちに帰りたい」。頭を調べて「傷がなくなってる」。
ベッドにマリーを横たえるジャン。「そばにいて。不安だから」「ああ」。
手を洗うジャン。ステファン「いつ戻ったんだ?」「少し前に」「上で物音がしてたが」「マリーです。もう大丈夫」「マリーが? よく冷静でいられるな。マリーの気配を感じなかったのか?」「マリーはケガも軽く意識も戻っています」「都合よく現実をねじ曲げるのか?」「あなたに言われるとは」「もう終わりだ。何もかも失った。お好きに家を売らせたいのか? 誰にでもくれてやるぞ。ここの記憶とともに。マリーは死んだ」。
朝。マリー目覚める。「ジャン、ずっといたの? 何を考えてたの?」「何も。お父さんは君が死んだと思い込んでいる。で考えたんだ。思い込ませておけば土地を売る。真相を
知ったら後で怒り狂うかも。でも彼と僕らのためだ」。
ルイ「ご冥福を祈ります」ステファン「今まで世話してくれて感謝してるよ」「では。写真を再開したら人手が要るでしょう。その時はご連絡を」「必ずするよ」「ジャン、後は頼んだぞ」。ルイ、去る。ジャン「日々の暮らしは僕に任せてください」「そんなものは跡形もない」。
テストラン。トマ「よく連絡をくれたね」「今なら売ると思います。僕が彼を説得します」「だがこの数週間で契約できないと計画の変更もあり得る」「分かってます。この前の話ですけど買値は500万から600万と。かなり違いますが」「概算だよ。いろんな要素がある」「仮に僕が彼を口説いて450万で売らせたら?」「続きは事務所で話そう。先に車に乗っていてくれ」。
トマ「仮契約するには署名入りの売却同意書と登記簿が必要だ。君の50万の手数料は当然だ」。
建築現場の道を歩くジャン。
眠っているステファンを起こし、ジャン「食べないとダメです」「この頭が狂えば気が楽になるのに」「ここを売って田舎で暮らすのは? 450万ユーロになります。同じくらいの家が買えて、残りで好きに暮らせます」「お前に何が分かる?」「真剣に考えてください」。(また明日へ続きます……)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと黒山さん、連絡をください。首を長くして福長さんと待っています。また、この2人について何らかの情報を知っている方も、以下のメールで情報をお送りください。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)
撮影が始まり、固定器具を外されると、その場で倒れ込むマリー。駆け寄るジャン。「120分だったからな」とステファンは言い、銀板を運ぶのを手伝うようにジャンに命じる。「マリーの顔がまだ青い」「いつものこと」。
ジャン、植木鉢を1分40秒の露出で撮ろうとしていると、ステファンが現れる。「何をしてる?」「テストです」「何の?」「自分でも撮ってみようかと」「身分をわきまえろ」「すみません」「すぐ片付けろ」。
土地開発のパンフを見たマリーは「すぐ売るべき」だと言う。ジャン「お父さんは反対なんだ」「本心は引っ越したい。でもこだわる理由が多い」「温室の植物全部もスタジオも全部移せる。自分の人生を手にしないと」「私もそう思う。何かに立ち向かえねば」。
マリー「開発計画をどう思う?」ステファン「二重のイカサマだ。本当に実現するのか、そしてバラ色の未来なのか」「ここにずっと?」「将来のことは考えてる。お前は最高のモデルだ。仕事に区切りがついたらファッション誌に戻ってもいい。お前と最高の写真を撮る。また世界中があっと言う」「話したいことがあるの。私、トゥールーズで暮らすわ。こうなる日が来た」。無言で階段を下りていくステファン。
夜の邸宅。ジャンとマリー。「ルイは帰った」「僕ももうすぐ帰る」「泊まっていかない? 不安なの」「いいよ」。
夜の書斎のステファン。「ステファン」の声。いぶかるステファン。また「ステファン」の声とともに今度はドゥニーズが背後から抱きつく。振り向くと誰もいない。一人でに開くドア。そのドアで隣室に行くと、また開くドア。地下室に降りていく妻の姿が一瞬見える。自分も地下室に行き、「「ドゥニーズ、戻ってきたのか? なぜ私を恨むんだ? ダゲレオタイプのおかげでお前は“永遠”を得た。私は引退同然だ。お前は全てを与え、存分に付き合ってくれた。あんな最期を選ぶなんて思ってもいなかった」。妻に手を伸ばすと、姿は消えている。階段を上っていく妻。「からかわないでくれ」。マリー「誰かいるの?」。階段を転落するマリー。ステファンは駆け下りて動かないマリーを前に泣く。
ジャン「どうしたんです」「分からない。落ちたんだ」「救急車を!」「呼んでも無駄だ」「早く電話して!」「手遅れだ」。
車を運転するジャン。後部座席にはマリーの姿。車を停車し、毛布を掛け、再発進させるジャン。再び車を停め、降りると、マリーの姿が消えている。「マリー!」。マリーが見つかる。「捜してたんだぞ。さあ、病院へ」「うちに帰りたい」。頭を調べて「傷がなくなってる」。
ベッドにマリーを横たえるジャン。「そばにいて。不安だから」「ああ」。
手を洗うジャン。ステファン「いつ戻ったんだ?」「少し前に」「上で物音がしてたが」「マリーです。もう大丈夫」「マリーが? よく冷静でいられるな。マリーの気配を感じなかったのか?」「マリーはケガも軽く意識も戻っています」「都合よく現実をねじ曲げるのか?」「あなたに言われるとは」「もう終わりだ。何もかも失った。お好きに家を売らせたいのか? 誰にでもくれてやるぞ。ここの記憶とともに。マリーは死んだ」。
朝。マリー目覚める。「ジャン、ずっといたの? 何を考えてたの?」「何も。お父さんは君が死んだと思い込んでいる。で考えたんだ。思い込ませておけば土地を売る。真相を
知ったら後で怒り狂うかも。でも彼と僕らのためだ」。
ルイ「ご冥福を祈ります」ステファン「今まで世話してくれて感謝してるよ」「では。写真を再開したら人手が要るでしょう。その時はご連絡を」「必ずするよ」「ジャン、後は頼んだぞ」。ルイ、去る。ジャン「日々の暮らしは僕に任せてください」「そんなものは跡形もない」。
テストラン。トマ「よく連絡をくれたね」「今なら売ると思います。僕が彼を説得します」「だがこの数週間で契約できないと計画の変更もあり得る」「分かってます。この前の話ですけど買値は500万から600万と。かなり違いますが」「概算だよ。いろんな要素がある」「仮に僕が彼を口説いて450万で売らせたら?」「続きは事務所で話そう。先に車に乗っていてくれ」。
トマ「仮契約するには署名入りの売却同意書と登記簿が必要だ。君の50万の手数料は当然だ」。
建築現場の道を歩くジャン。
眠っているステファンを起こし、ジャン「食べないとダメです」「この頭が狂えば気が楽になるのに」「ここを売って田舎で暮らすのは? 450万ユーロになります。同じくらいの家が買えて、残りで好きに暮らせます」「お前に何が分かる?」「真剣に考えてください」。(また明日へ続きます……)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと黒山さん、連絡をください。首を長くして福長さんと待っています。また、この2人について何らかの情報を知っている方も、以下のメールで情報をお送りください。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)