しんぶん赤旗 きょうの潮流
「万葉集」の時代から脈々と続く短歌の世界。最近では、『サラダ記念日』35周年ということも話題にのぼりました。「赤旗」や各紙にも短歌の投稿欄があって、根強い人気がうかがえます
▼共産党歌人後援会による党創立100周年を記念した合同歌集『列の光』(本の泉社)が世に出ました。題名の“列”とは、党と国民の隊列のことでしょうか。三十一(みそひと)文字に詠み人の万感の思いがあふれています。「歌の力で世の中を変えよう」との刊行委員会の呼びかけに、321人が応えました
▼歌人から市井の人々まで多士済々が詠んだ歌の数々。初めて創作した人もいて、刊行委員会事務局は「あらためて日本人の血の中に流れる短歌のリズムを思い知らされ」た、と記しています
▼〈日ごと濃きわが曳(ひ)く季節の影も言え炎の言葉ひとつ日本の党 碓田のぼる〉〈命かけ民衆と共に闘いし多喜二らの意志今に繋(つな)ぎぬ 藤田敬子〉。ここには、国民との結びつきを何より大切に宝とする党のひとすじの歩みがくっきりと
▼ロシアのウクライナ侵略に対する怒りと悲しみ、野党・市民の共闘への期待、憲法変えるなの強い願い。目が不自由な中で「赤旗」を配達する姿を歌ったものも。生きがいや日々の活動のありさまが生きいきと伝わってきます
▼名前と居住する都道府県名の記述だけですが、目を通していくと年齢やおよその経歴が想像できるのも興味深い。作品に共通しているのは、党への信頼と誇り。自分の言葉でうたいあげ不屈の精神に満ちています。