2024年12月8日(日)
市民“弾劾まで闘う”
韓国大統領弾劾案 採決続く
国会前 数十万人
【ソウル=栗原千鶴】韓国国会は7日午後、本会議を開き、「非常戒厳」を宣言した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案を採決しました。採決にあたり、与党「国民の力」は、議員のほぼ全員が退席しました。与党から3議員が投票に参加しました。国会議長や野党議員らは与党議員に議場復帰を呼び掛けており、午後8時(現地時間、日本時間と同じ)の段階で採決が継続している状態です。
国会前では、全国各地から数十万人の市民が集まり、尹氏の弾劾を要求する集会を開催。国会近くの与党本部前でも、弾劾に反対する同党に市民が抗議の声を上げました。
弾劾案は在籍議員300人のうち3分の2の200人の賛成が必要です。提出した野党6党は192人で、与党から8人の賛成が必要。議場では、最大野党「共に民主党」のパク・チャンデ院内代表が、与党議員の名前を一人一人呼び、議場復帰を促しました。
尹氏は7日午前、国民向けの談話を発表し、「国民に不安と迷惑をかけた」と述べ謝罪。今後の政権運営については「自らの任期も含め、党に一任する。わが党と政府は共同で国政運営の責任を負うことになる」と語りました。
「国民の力」は、談話の発表を受け、弾劾案否決の方針を最終決定。同党の代表は6日、事実上の賛成を表明していました。最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、「国民の目線に合わない国民の怒りを育てた発言だった」と批判しました。
こうした事態を受け、議政府市から参加した女性は「この大統領の弾劾に賛成しない理由が分からない。『国民の力』という政党が、私たち国民の力を無視したということ。弾劾までたたかいつづけます」と語りました。