[ニュース分析]韓米調整後に南北対話の手順…
朝米の包括的合意を引き出せるか
韓米、首脳会談に向けて慌ただしい動き
11日会談を控えて外務長官が訪米したのに続き
大統領府国家安保室2次長、1日に出発して議題を協議
「朝米対話、トップダウン方式の維持が重要」
スナップバック・開城工団について協議するかにも注目
文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領が11日にワシントンで行う韓米首脳会談を控え、韓米の調整作業が本格的に進められている。カン・ギョンファ外交部長官が29日(現地時間)、ワシントンでマイク・ポンペオ国務長官と「ポスト・ハノイ」の協力案を協議したのに続き、30日に訪米したキム・ヒョンジョン大統領府国家安保室2次長は1日、ホワイトハウス国家安保会議(NSC)のチャールズ・クッパーマン副補佐官と会談し、韓米首脳会談の議題を調整する予定だ。難航する朝米対話を再び軌道に乗せるため、目まぐるしい日程の4月が始まった。
ベトナムのハノイで開かれた第2回朝米首脳会談の合意が見送られてから、約40日ぶりに開かれる韓米首脳会談の最初の観戦ポイントは議題、つまり朝米対話の再開に向けてどのような方策をまとめるかだ。政府は「包括的合意、段階的履行」という大きな枠組みを目指している。朝米が非核化の概念▽最終段階の姿▽それに至るロードマップに関して合意した後、履行は相応の措置とともに段階的に進めていくという構想だ。
北朝鮮がこの構想に参加するよう説得するための方策として、まず取り上げられるのが開城(ケソン)工団と金剛山(クムガンサン)観光の再開だ。政府高官は29日、ワシントンで記者団に「南北間合意の持続的な履行を目指す韓国の意志や必要性について、米国も十分理解している」と述べた。同高官は、カン長官とポンペオ長官の会談で開城工団と金剛山観光問題を「包括的に協議した」としながらも、「具体的な事案まで明らかにできない」と述べた。開城工団と金剛山観光は、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長も今年初めの新年の辞で「条件なしの再開」を言及するなど、関心を示した事案であるだけに、北朝鮮が非核化措置に乗り出すよう誘導するのに主要なカードとされる。
「スナップバック」、すなわち制裁緩和はするものの北朝鮮が非核化の約束を履行しなければ制裁を復元する案も有力視されている。北朝鮮のチェ・ソンヒ外務次官が最近、「トランプ大統領がハノイで肯定的な立場を示した」と明らかにし、スナップバックに言及したのは、北朝鮮もこれに相当な関心を持っているためと見られる。キム・ヒョンジョン次長は30日、スナップバックの問題について、今回米国と協議する予定なのかという記者団の質問に対し、「それについてはノーコメント」と答えた。
政府は朝米対話がこれまでと同様、トランプ大統領と金委員長の「トップダウン」(上から下へ)方式を維持していくべきという点にも重点を置いている。米政府内の強硬派の勢いに朝米対話が揺さぶられる危険性を最小化し、対話のモメンタムを継続していかなければならないという考えに基づいている。キム次長は「トップダウンで進めてきたからこそ、ここまで結果が出たと思っている」とし、「トップダウン方式の軌道内で対話が維持されることが重要だ」と述べた。
トランプ大統領も続けて友好的なメッセージを送っている。彼は最近、ツイッターで「対北朝鮮追加制裁の撤回」を指示した理由について、29日「私と金委員長は互いを理解している。できる限り良好な関係を維持することが非常に重要だ」と述べた。また「北朝鮮は非常に苦しんでいる。現時点で追加制裁は必要ない」と強調した。
文大統領がトランプ大統領に会う前に、金委員長の状況評価と対米メッセージを確認するかどうかも注目される。キム次長は「韓米首脳会談前に対北朝鮮特使を送る計画はあるか」という質問に対し、「シーケンシング(順序)を言うなら、同盟国の米国と先に調整してから(南北が)会うのも良いアイデアだと思う」と述べた。今のところ、「韓米調整後に南北対話」の手順を念頭に置いているものと見られる。しかし、11日以前に南北間の高官級接触が実現する可能性も排除できない。