日本の初代原子力規制委員長
「IAEA汚染水報告書は『お墨付き』ではない」
登録:2023-07-08 01:23 修正:2023-07-08 04:53
福島放送のインタビュー
海洋放出自体は必要だという立場
海洋放出自体は必要だという立場
初代原子力規制委員長の田中俊一氏=日本記者クラブのホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社
国際原子力機関(IAEA)の最終報告書を、福島第一原発汚染水の海洋放出の安全性を証明する「お墨付き」のように活用する日本政府に対し、日本の初代原子力規制委員長が「言語道断」だとして強く苦言を呈した。
田中俊一元委員長(78)は6日付の「福島放送(KFB)」とのインタビューで、「(IAEAに)意見を聞くのは構わないけども、その(安全性の)判断の根拠となるお墨付きなんてことはあってはいけないこと」だと述べた。またと批判した。「もしそうであれば、原子力規制委員会はいらなくなってしまう。今回の(日本政府の)判断はそれ(原子力規制委員会の独立性を)を否定するということ。言語道断の政治判断だと思う」
日本政府がIAEAの報告書を「お墨付き」として国内外の反対を突破しようとする態度を示したことに対し、汚染水の放出に賛成する原子力専門家でさえも問題があると指摘したのだ。IAEAは4日、汚染水の海洋放出が「国際安全基準に合致する」という内容の最終報告書を発表した。
田中元委員長は2012年9月に作られた日本原子力規制委員会の初代委員長として2017年9月まで委員会を率いた。原子力規制委員会は2011年3月に起きた東日本大震災の際、福島第一原発爆発事故を反省する意味で、独立性を持って科学的な安全規制を実施するために日本政府が設立した機関だ。福島出身の田中元委員長は、50年以上原子力分野で活動する専門家であり、汚染水の海洋放出が必要だという立場を示してきた。
東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )