土産物屋などを覗きながら 父ゆかりの最後の場所を探す
そして 見つけた
どういう関係になるのか もうほとんど他人に近いが 興亡ぶりは風の便りで耳にしていた
奥にあった蔵はまだ存在しており それが唯一私の記憶の欠片と一致するものだった
其処の跡取りは感じの良い青年だった
今の時代に生き それなりにこの土地で頑張っている様子が窺えた
よければお墓にも案内しますと言ってくれたが 既に祖母も父も亡くなった今では私は無関係に近い人間だ
こうして時が淡々と過ぎてゆくのだ
揚げ湯葉を買った
何度か口にしている店のものだ
駅近くにも食事をしたくなるような店は無かった
駅弁とビールを買って列車に乗り込み 発車を待たずに黙々と食べ グビグビと呑んだ
そして間もなく眠りに就いた
父はこの土地が嫌いだった 閉鎖的で暗く因習的だと
東京からの転校生は嫌われる
初めて誘ってくれた友達と帰宅したら あの子とは遊んではいけないと家の者に言われた
東京では耳にした事も無い民だったのだ(私だってかなり大人になるまで知らなかった^^)
社会も気候も文化も違う世界に投げ込まれて 父はそれなりにこの土地で青春の一時期を過ごした
愉しい思い出話も沢山聞いたが それでも理不尽さに耐えかねたこともあっただろう
性格が持って生まれたものだとしても この経験が父に与えた影響は大きかっただろうと想像する
気がつけば大宮で 池袋で下りるはずの私は再び眠りに就いたまま新宿まで行ってしまった
家には20時前に着いた
そしてこの夜は疲れているはずなのに 列車での居眠りが効いたのか なかなか寝付けなかった
そして 見つけた
どういう関係になるのか もうほとんど他人に近いが 興亡ぶりは風の便りで耳にしていた
奥にあった蔵はまだ存在しており それが唯一私の記憶の欠片と一致するものだった
其処の跡取りは感じの良い青年だった
今の時代に生き それなりにこの土地で頑張っている様子が窺えた
よければお墓にも案内しますと言ってくれたが 既に祖母も父も亡くなった今では私は無関係に近い人間だ
こうして時が淡々と過ぎてゆくのだ
揚げ湯葉を買った
何度か口にしている店のものだ
駅近くにも食事をしたくなるような店は無かった
駅弁とビールを買って列車に乗り込み 発車を待たずに黙々と食べ グビグビと呑んだ
そして間もなく眠りに就いた
父はこの土地が嫌いだった 閉鎖的で暗く因習的だと
東京からの転校生は嫌われる
初めて誘ってくれた友達と帰宅したら あの子とは遊んではいけないと家の者に言われた
東京では耳にした事も無い民だったのだ(私だってかなり大人になるまで知らなかった^^)
社会も気候も文化も違う世界に投げ込まれて 父はそれなりにこの土地で青春の一時期を過ごした
愉しい思い出話も沢山聞いたが それでも理不尽さに耐えかねたこともあっただろう
性格が持って生まれたものだとしても この経験が父に与えた影響は大きかっただろうと想像する
気がつけば大宮で 池袋で下りるはずの私は再び眠りに就いたまま新宿まで行ってしまった
家には20時前に着いた
そしてこの夜は疲れているはずなのに 列車での居眠りが効いたのか なかなか寝付けなかった