どこまでだって歩いていけるさ

2012年1月22日 それまでの日記を引き連れてOCN Cafeから移住。
新しい扉の向こうには何があるのだろうか。

誠之堂 3 (寒い冬の日の暖かい小さな旅)

2007年01月13日 | 日記
誠之堂及び清風亭は 公民館の敷地内に移築されている

見学が無料ならば なんと使用も無料

国指定重要文化財の中で 規制はあるもののバンドの練習だの 詩吟の稽古だのに使えるなんて贅沢な話だ

この建物は もともとある銀行の東京の保養施設の中にあった

誠之堂は大正5年澁澤栄一の喜寿の祝いに 行員たちの出資で建築された

それゆえ 壁面の煉瓦には喜寿という文字がアレンジされている

誠之堂の命名は澁澤氏によるらしい

「中庸」の一節 「誠者天之道也 誠之者人之道也」にちなんだものだという

―誠は天の道なり これを誠にするは人の道なり―

設計者は 田辺淳吉

時の運命により取り壊しの声もあったが 保存運動により生き残った

移築に際しては「大ばらし」という工法が取られた

煉瓦壁には その傷跡生々しく縦の線がくっきりと残っている(横の線は当然だが目立たない)

だが 割れた数枚のガラスなどを除けば 100%に近い姿で移築復元されているという

西洋文明に追いつけ追い越せであった模倣の明治時代を経て 時は大正 

日本独自の美意識や価値観を開花させたという点では 小品ながら秀逸の建築だと思う

帰りの足を心配してくれたボランティアの方が バスが来るから乗っていくとよいと教えてくださった

数名の女性グループが見学にやってきて 誠之堂の中に吸い込まれていった

バスを待つ間 夕日に映える誠之堂を眺めながらスタッフの方々と話をした

煉瓦会社まで歩いて行ったと言うと 奥に入って一冊しか残っていなかったパンフレットを下さった

もうそろそろバスが来るから外で待つとようにと…

しかしバスとは遅れるものだ

なかなか来ないのを心配して 何度もスタッフの方が外まで出てきて声をかけてくれる

来なかったら5時で上がるから駅まで送ってあげるとまで言って下さった

幸いバスが到着 暖かい時期にまた来てください なんて言われてその気になったりした

建物に限らず 食事でも 芸術でも 自然でも 美しいものはただそれだけで美しい

だがそれを倍増させるもの それは やっぱり人の思いなのかもしれない

そんな事を考えた 寒い冬の日の暖かい小さな旅だった


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そんな夜です

2007年01月13日 | 日記
残業地獄が始まったようで 23時過ぎに帰宅

食欲も減退するし 何をする気にもなれない

一人きりの越冬は初めてで 家も冷え切っている

今夜は何も食べる物が無いなぁ~なんて言う

そんな話をすると会社の連中が うち来る?と言ってくれる

勿論半分冗談であるし 妻子の待っている家にノコノコついて行ける訳もないが 嬉しいね

でも やっぱり自分の布団が一番

それに家族が居なくなっても 此処はホームなのだ

そんな夜です 
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