最近では 夕方5時を過ぎると一日の終わりに向けて支度を始める
階下の窓を閉め 明日のお米をお鍋に入れ 郵便受けを見に行き 洗濯物をたたみ 布団を敷く
今日もちょうど動き始めた頃 滅多に鳴らない携帯電話が鳴った
一年に一度ほど会っている会社の先輩からだった
病気のデパートと私が呼んでいる彼は もう長く人工透析を受けているし 昨年会った時には車椅子に酸素持参だったが なんでもまもなく入院して手術をするのだそうで 今生の別れというわけではないけれどと笑いながら それで電話をしてきたということだった
昔からぼそぼそと話す人なので 時折理解不能に陥るのだが 聞き返すのも嫌なのでだいたいこんな話だろうと理解してきたのだが 今回も電話ということに加え テレビをつけているのか音声がバックに流れていて話の3割は聞き取れなかったが 心臓に関する手術をするということのようだった
肥満体で歩くのは大嫌い 車・エスカレーター・エレベーターが大好きな愛煙家 家では滅多に飲酒をしないが 外での美味しい飲食は常に頭にあるという もうこれで病気にならなかったら誰が病気になるのだ というような典型的な不健康人生
それでも団塊の世代の彼が今日まで生きてこられたのだから 全ては現代医療の恩恵か
私は長電話は苦手だし 格別な用事が無ければ自分から電話をすることはほとんどないので 1時間近くの電話は正直言って疲れたが きっと誰かに言いたかったのだろう 地元の友人も亡くなったと聞いているし 私を思い出してくれたということに感謝すべきなんだろうな
仕事はしてないんでしょ? だったら 3時過ぎくらいなら家にいるよね って・・・・
もしかして手術が終わったら 今年はコロナで見舞客も面会できないだろうから 暇を持て余して電話をしてくるつもりかな
もうすっかり暇人人生だから その時間なら家にいます
そう答え コロナがおさまったらまた飲みましょうと付け加えて 電話を切った
無事に手術が終わりますように!